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アイカツオンパレード! 第24話 「ともだち!オンパレード!」 感想

アイカツオンパレード! 第24話 「ともだち!オンパレード!」 感想

トモダチカラが世界中に広がっていく!

友達や仲間と共に作り上げる夢の空間!これがアイカツ!

フレンズ勢が主導する『アイカツオンパレード!』の最終日!初日と二日目の様子を描いた前回と前々回も、初代とスターズのテーマを落とし込んだ話運びが見事でしたが、最終日である今回もフレンズのテーマを存分に話の中に落とし込みつつ、らきのアイカツや「アイカツフレンズ」の一つの到達点を内包させながら、各世界が融合した本作の集大成として描ききっていた。

二人一組で行動が基本線だったアイカツフレンズ。互いに高め合い支え合う仲間でライバル。自身の更なる可能性を引き出してくれる存在。最高のパートナーにして最大の理解者。それがアイカツフレンズにおけるフレンズであり、誰かが誰かに励まされる。自分だけじゃ超えられないことも一緒なら超えていける。友達であり仲間でもある皆と一緒だから生み出される新たな可能性。今の姿や有り様。

それを歴代主人公であるいちご・あかり・ゆめの視点で歴代作にも通じる要素とフレンズ最大の特性をリンクさせ、トモダチカラを目の当たりにすることで振り返りつつ波及させていく流れは美しさすら感じる。「これがアイカツ!それがアイカツ!」という『ひとりじゃない!』の歌詞にもあるように、それこそがフレンズであり、アイカツシリーズにおけるアイカツでもあるからだ。

加えてファンとの距離感が極めて近い。いい意味で友達関係の延長にあるようなフレンズのアイドルとファンの関係性もフレンズの一つの特徴だと思うのだけど、それだけに合唱パートでアイドルとファンの垣根を超えて共に作り上げる夢の空間もフレンズならではの描写だと感じたし、フレンズの特性とファンとの関係性を全て含めて「ひとりじゃない!」というテーマが打ち出されていたと思います。

このファンと共に作り出す奇跡のような夢の空間の実現。これが物語当初はファンのことをあまり意識せず、自分の夢のことだけに夢中だった姫石らきの変遷。各世界を巡り多くのアイドルと触れ合う中で変化していったらきの成長。ひいては本作アイカツオンパレード!の集大成であり、らきがアイカツを通じて学び得たもの。その変化を集約し、総括するイベントとして表現されているように見え素晴らしかった。

アイカツフレンズの延長線上にあるオンパレの世界観と初回の感想でも書いたんだけど、今回はアイカツフレンズの最終回で本来描くはずだった作品のテーマや答えが形になったような回でもあり、らきがアイカツを通じて出会った全てに感謝し、彼女なりの答えを提示してみせる舞台であったと思います。その意味でも『アイカツオンパレード!』は、まさに集大成を表現する為のイベントだったなと。

各世界を巡る旅の果てに感謝の気持ちは巡り、世界はハッピーでラッキーな気持ちで満たされ、今再びらきの元へと“還ってきた”。それを見届けたさあやお姉ちゃんは何を思うのか。そしてらきの行く末は…。歴代キャラが集結した夢の時間の終着点。それがどういったものになるのか。最後までしっかりと見届けられたら良いな。

忘れないよ何回だって叫ぶよ「ひとりじゃない!」

フレンズ世界を象徴するラブミーティアの「プライド」と、アイカツフレンズを牽引してきたピュアパレットとハニーキャットの四名による「ひとりじゃない!」。個々で強烈な輝きを放ちながらも、その二人が組むことにより更に研鑽・研磨されるラブミの力強さ。一番の友達でライバルでもあるピュアパレットとハニキャのステージは、まさにフレンズを象徴するライブでありました。

始まりにして終わりを告げるらきの『君のEntrance』も、当初と今の変化を見ていればこそ見え方も変わってくる。あの日と違う自分がいた。たった一人のところから全てが始まり、多くのアイドルと出会い、ファンと触れ合っていくことで変わった日々。「きっと一緒に集めたカード人生も変えちゃうよ」。選曲され各曲の中に込められた歌詞が胸に染み渡っていくのを感じるのです。

最高のパートナーを見つけてフレンズを組む!らきとわかばの交流が味わい深い

当初は中の人繋がりという意味合いで盛り上がっていたらきとわかばの交流。でも、今回は眩しく輝いている偉大で憧れの先輩たちの姿を見て、いつか自分もフレンズを組みたいという気持ちを、改めて強くしているわかばとらきの姿にグッと来てしまう。わかばにとっては自分を見出し育ててくれた恩人、らきにとっては出身世界を代表するフレンズ。ラブミーティアに刺激を受けているのもまた良い。

わかばに関してはフレンズ終盤のウミカツ回で、各フレンズとの交流を経た上で、私もいつか自分のフレンズを見つけるという到達点に達していたけど、今回わかばがらきに対して示してくれた姿勢は、その時の先にある今の姿であり、本編終了後の今の姿を見られるというオンパレの醍醐味が遺憾なく発揮された場面でもあったと思います。

またフレンズ世界出身である以上、らきにとってもフレンズの概念は避けて通れないところだと思っていたんだけど、ここに来てらきにフレンズの良さと自分もフレンズを組んでみたいという思いを抱かせてくれたのも良いなと思ったところです。多くの先輩たちと異なり、「同時期にスタートした仲間たちと一緒に切磋琢磨しながら駆け上がる」が出来ない本作の特性も相まって、らきがいつか自分と対等の存在と組み、アイカツで何かを成してみたいと思ったことは、非常に大きなことでもあると思います。

一大イベントを成功させて一つの到達点に達したらき。でも一つのゴールが全ての終わりではなく、目標の達成は新たなスタートラインでもある。全体を通して見たときにまだ新人の粋にいる春風わかばと姫石らき。このあと新主人公として連なる音城ノエルにも言えることかもしれないけど、次代を担う彼女たちが次に見据える展望。これを指し示してくれたのがやっぱり素敵だと思います。

らきとわかばのフレンズ結成も見てみたかった思いはあるんだけどね。自分も特別な相手とフレンズを組みたいという同じ夢を持つ者同士だけど、夢を持ちながらもそれぞれに既に見据えている先がある二人でもあるので、その道の過程で先輩たちのように高め合い競い合える相手とフレンズを組んだ方が、より最適解なのではないかと思うに至ったのであります。

でも、やっぱりらきとわかばの掛け合いは見てて感慨深いものがありました。お互い敬語を用いずに気安く話し合える貴重な間柄。おおぞラッコくんの貝に込めた願い。叶う日が来ると良いよね!

今週のらきちゃん

わかばちゃんとの項目であらかた触れてしまった気もするが、一大イベント「アイカツオンパレード!」が、らきにとって己のアイカツで得たものを集約したものであり、なおかつ集大成を飾る場の中で、その先に見据える新たな展望を描いてくれたことに感謝しかない。その上でらきがスターハーモニー学園に転校してきて良かったと思ったこと。そして、フレンズ世界の出身であることを心底で喜び、ラッキーでハッピーなことと受け止めてくれているのが非常に嬉しい。

フレンズ世界の延長線上にありながら開始早々に各地を巡り、世界融合の後は人も世界も入り乱れていて、なかなか地に足をつけて顧みる暇もないくらい怒涛の日々を送っていただけにね。でも、他の世界のアイドルやアイカツに触れ見てきたからこそ、自分たちの世界にある「良さ」にも気づけた面もあると思う。それだけに集大成イベントを成し遂げるこのタイミングで、スターハーモニーとフレンズに改めて触れてくれるのが素敵なのだ。

他を知ったからこそ気づける良さや喜び。さあやお姉ちゃんが妹の為に動いた思惑も、この辺りに端を発したものなのかもしれない。劇的で壮大な旅路の果てにらきちゃんが見る景色。その先に待ち受けるものはなんなのか。夢のような奇跡の時間。アイカツオンパレード!の終着点。らきちゃんの行く末と共にしっかりと見届けたい。