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ワッチャプリマジ! 第12話 「まつりVSひな フェニックスはどちらに微笑む?」 感想

ワッチャプリマジ! 第12話 「まつりVSひな フェニックスはどちらに微笑む?」 感想

まつりの前に立ちはだかる熱く厚く高い壁!

並々ならぬ決意と向上心で臨んだライブだったので、まつりにも勝利の可能性がワンチャンあるかなと思っていたのですが、やはり弥生ひなの壁は高く分厚かった。まぁまつりが覚悟を決めて本気で特訓に打ち込み始めてからまだ僅かな期間。それ以上の特訓をジェニファーに破れるよりも更に前からずっと続けてきた弥生ひなが積み上げてきた成果には簡単には届かないのも道理。

まつりの天性の資質によりひな先輩が破れ曇る展開も少なからず頭をよぎったけど、実際そうならなくて安心してる自分がいるし、本気で打ち込んだからこそ感じられる悔しさに身を浸し、初めて壁にぶち当たり打ちのめされたまつりが、この先プリマジにどう向き合っていくのか。主人公として真っ当なプロセスを経る流れになっているのが実に素晴らしい。これぞ女児アニメの王道にして主人公の在るべき姿だ。

フレフェスに臨むにあたりまつりがどれだけ本気で頑張っていたのか。努力し打ち込んでいたのか。それを隣で見続け彼女の本気が伝わっているからこそ、結果が伴わなくともまつりを責めたりせず気遣うみゃむの姿勢にも繋がるし、チュッピを支えるマナマナとしてどうあるべきだったのか。ひゅーいのチュッピとマナマナがコンビを組む意義は?という問いかけに対し、みゃむが真剣に向き合う契機にもなると思います。

まつり自身も感じていた心がワチャワチャしないステージ。ミスもなく過去一番の出来の良さと周りが評するライブで結果が伴わなかったのも、まつりが本来プリマジに見出した心躍るワクワクを感じられなかったことが一因なのかもしれませんね。てっぺんを取る。その為に努力を重ねて研ぎ澄ますことは大事だが、そこだけに固執するのはまつりの魅力を最大限に引き出すことに繋がらないこともあるだろう。

橙馬のあのコーデは笑顔のまつりにこそ似合うという台詞や、ジェニファーのまつりがプリマジに求める物は何かという問いかけが、間接的にプリマジスタ陽比野まつりの資質というか方向性を示唆している気もします。本気でぶつかりそれでもなお届かず味わった悔しさ。本気だったからこそ成果が伴わないことが悔しいし、同時に自分のやってきたことが正しかったのかという怖さにも通じるのだと思う。

プリマジの楽しさから始まり、真剣かつ本気で向き合っていく中で悔しさや怖さも味わったまつりが、挫けそうなところからどのようにして再起を図り新たな一歩を踏み出していくのか。パートナーのみゃむはそのまつりを如何にして支え導いていくのか。ワッチャが失われたからなのか人の言葉を話すことが出来なくなったみゃむの身に起きた異変は、二人で歩む新たな道のりに立ちはだかる最初の壁か。

ともあれ最初の一クールでまつりとみゃむのコンビ性を打ち出しつつ、プリマジに対する向き合い方や、人間とチュッピが組むことの意義。楽しさだけでなく真剣に打ち込むことの尊さ。ポイント効率を語るみるきの方針も含め、プリマジスタそれぞれにプリマジに対する向き合い方があること等々。作品の根幹となる部分を丁寧に描きながら、まつりの主人公像の土台もキッチリ築き上げた印象です。

土台がしっかりしているからこそ大きく飛躍を遂げることができる!プリマジがこれから長く壮大な物語を紡いでいく上で最初の一クールは上々の立ち上がりを見せたと改めて感じることが出来ました。起承転結で言うなら次のクールは発展の期間。初めてぶつかった壁を乗り越え、まつりたちが更に逞しく成長していく姿を共に見届けていきたいところです。

ひなに対するあまねの距離感と、橙馬に対するひゅーいの距離感が対比的な見せ方になっているのが面白い。あまねさんのひな先輩の彼氏面感が半端ないし、ひゅーいの橙馬に対する近づき方や接し方は、色々な妄想を掻き立てられてしまって独特の空気を形成するのに一役買っている。まつりにも近づくけど橙馬に近づくときの方が熱が入ってるように見えてしまうのよな。

半ば一方的に友達になろうと接近する橙馬とひゅーいの今後の動向にも注目しておこう。最初はまつりを巡ってショウさんとユンスみたいな関係になるのではと危惧していたが、この二人に関しては当事者同士で違う意味での面倒事が起こるのかもしれないですな。楽しみにしておこう。しかし、やっぱり女の子は女の子同士で、男の子は男の子同士でということを改めて考えさせられる二組の描写でありました。

対人関係に不慣れなれもんと相手に遠慮のないみるきの相性の悪さ、もといある意味においては相性の良さが光っていた。各プリマジスタやプリマジに対するスタンスは人それぞれで、みるきの考え方ややり方はまつりのそれとは方向性が全く真逆だからこそ際立つとも言える。どちらが正しいとか間違いとかの話ではなく、合っているか合っていないかという話でね。

れもんとみるきの相性の問題もさることながら、それぞれにとってのプリマジとは何か?プリマジに何を求めているのか?という問いかけに際し、みるきの存在はとても大きなウェイトを占めていると思えた次第。作品名のワッチャも「What's your」から来てるところもあると思うし、まつりだけでなく本作にとっての大きな命題の一つだと思うので。