密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

キラッとプリ☆チャン 第136話 「ルルナとイブ、思い出のプリ☆チャンランドだッチュ!」 感想

キラッとプリ☆チャン 第136話 「ルルナとイブ、思い出のプリ☆チャンランドだッチュ!」 感想

在りし日のイブとルルナが共に思い描いた夢。

その厳しさや強行手段も全てはイブを愛するが故の暴走か

お互い相手のことを掛け替えのない大切な存在と認識し、かつては同じ夢と理想を思い描いた間柄なのに、こうまで気持ちが通じ合えない歯痒さが悲しくも辛い。イブとルルナのこれまでの軌跡を辿る回になるかと思っていたけど、合間に挟まれたゲキ目アトラクションのカオスさなども相まって、核心部分に関しては未だにボカされたままなのがもどかしさに拍車をかける。

ルルナがイブのことを本当に大切に思っていることは、これまでの諸々の描写からも存分に伝わってきているし、イブには言えない事情からああいう厳しい言動にならざるを得ないのも察することは出来るのだが、やはりルルナが一人胸の内に抱えるものが明るみとなり、イブとの間で共有されないとこれ以上の進展は難しいのかもしれませんね。

幼少時代のイブの成長過程とそれを隣で支え続け見守るルルナ。気持ちを一つにしてずっと同じ方向を向いて歩んで来た二人が、共に思い描いた夢のミルキーウェイで互いの気持ちを確かめ合い、再度通じ合えたと思えたところでの最後のアレだったのでね。イブが即席で作ったミルキーウェイアトラクションを吸い込み瓦解させる形でイブを強引に拉致るルルナの強行手段、もとい凶行はそれだけにインパクトがあった。

大切な人を思うが故の暴走。塔を生やしての幽閉みたいな形なので、どうしてもアイドルランドプリパラのパックを連想してしまうのだが、イブを思うが故のルルナの行動は果たして暴走なのか、本当に「これはあなたのため」なものなのか。ここまでの強硬手段に打って出るとは思ってなかっただけに、今後の展開が要注目なのである。鍵を握るソルルに対する敵愾心の理由も、そろそろ解禁していって欲しいな。

しかし、今回はミルキーウェイを行く二人の回顧録というか軌跡を振り返る旅路自体は、映像的にも綺麗で尊さに溢れていたのに、ツルハシ持ったゆい達がやりたい放題暴れ回っていて、良くも悪くも振り幅と言うか緩急が激しい回でもありましたなぁ。月と太陽がそうであるようにシリアスとコミカルのバランスが取れてこそ調和は訪れるのかもしれない…よね?

ルルナがライブに込めた気持ち!新曲『Lustro della LUNA』お披露目!

ステージ演出的には同じ月のイメージを背負うイブのそれに通じるものがあったし、ステージの構成や振り付けに関してはソルルのそれと対になる形のライブに仕上がっていたのが印象深い。モチーフが月と太陽なので対照的なものになるのも道理なのですが、これファララとガァララの時のように二人が揃いマッシュアップすることで真に完成を見るタイプの楽曲なのかもしれませんね。

夢への誘い、優しく抱きしめ永遠をあげる等々の歌詞のフレーズ。優しい語り口で庇護対象に対して閉じた世界の中での永遠を訴えかけるその様は、まるで母親が我が子に向けて贈る子守唄のような印象で、閉じた世界からの脱却や卵の殻を破って広い世界に飛び出す決意を歌ったイブのライブと、真っ向からぶつかり合う真逆の要素で構成されたライブだったとも言えるのかな。

決してルルナを蔑ろにしているわけではないし、これからも隣にいて欲しいと願いつつも新しいことに挑戦し独り立ちを望むイブと、極論で言えば子離れ出来ずに我が子の成長と独り立ちを素直に認められない親ルルナの思惑のズレとでも言いますか。そういう要素を両者のライブから感じ取ることが出来る気がする。決して素直な気持ちを語らなかったのではなく、これが今の二人の偽らざる本心なのだろう。それだけにイブとルルナが通じ合えないという形になってしまうのも無理からぬことなのだと。

ゆい×まりあ×シルクちゃんが織りなす劇物アトラクション!

プリチャンの中でも絶対に混ぜたらいけない所をピンポイントで混ぜ込んだ劇物を放り込んできて戦慄する…笑うしかないのです。混ぜたら危険!を地で行くプリチャンスタイルに感服するしかない。ユメ目と同様にゲキ目も周囲に伝染していくものだったが、イブとルルナの二人が織りなす素敵空間との温度差と落差が凄すぎて短くとも鮮烈な印象を視聴者に刻みつけていったと思う。

下手したら本筋のイブとルルナの方を食いかねない勢いだったかもしれないが…。まぁルルナも負けじと最後の最後に見せつけてくれたのでどっこいどっこいと言ったところだろう。ともあれ改めて福田裕子神が脚本を担当する回のキチっぷり、ぶっ飛び具合を見せつけられたのでありました。出番短くても出る度に抜群の存在感を放つシルクちゃんと激川ゆいさんは流石としか言いようがないぜ!