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ミュークルドリーミー 第28話 「まいらマイラブ♡」 感想

ミュークルドリーミー 第28話 「まいらマイラブ♡」 感想

マイLOVEに込められた家族の想いに涙する。

まいらの亡き母を想う気持ちと彼女を優しく包む夢の温かさに涙する

まいらにとっての大きな「喪失」を描いた回でもあったんだけど、テーマに沿った内容の重さを伴いながらも、いつもの小気味の良い掛け合いから生じる明るさや楽しさを損なうことなく、しっかりと泣けて笑える感動回として成立している話運び。その巧さに舌を巻く。要所における緩急の振れ幅や用い方も絶妙で、いつもの詰め込み具合から一転、魅せるところはゆっくり魅せる構成に惹き込まれる。素晴らしい。

まいらの家庭環境に関しては度々このブログでも触れてきたけど、今も亡き母を想うまいらの気持ちや、辛さを感じさせない彼女の今までの振る舞いも、母親との死別を自分の中でしっかりと受け止めた上で、前を向いていることの表れだったのですなぁ。まいら同様お笑いが好きだった母親を思うが故に、悲嘆するのではなく明るく周りに笑顔を与える存在であろうとしてたと思うと感慨深さもより増すというものです。

まいらの名前に込められた両親の思い、マイラブやあぽ~んという独特の決め台詞も、全ては月島家の温かな家族愛に通じる要素でしたし、月島まいらというキャラクターの魅力が十二分に活かされ、更に好きになってしまうこと請け合いなのす。普段は詰め込むほど勝ち!みたいな勢いなのに、今は遠い母を想うまいらの本当の気持ちに関しては、多くを語らず一時の夢と一粒の涙で描き出している。

そのギャップが人知れず涙を浮かべていたまいらの母を想う気持ち。その尊さをより引き立ててくれていた。過去に悲しいことがあっても前を向いて現実を生きている中、ほんの少しの間だけでも家族三人とぺこっちと共に過ごす温かな現在の誕生日の光景を夢の中でなら見ることが出来る。その夢に背中を押されて未来へ向けて新しい笑顔を作る前のほんの僅かな小休止を兼ねた安らぎの一時。

と本作の命題でもある夢を巧みに用いた構成で本当に凄いの一言に尽きます。今回はゆに達もまいらとパパからブラックアビスを検出しておらず、それ即ちこの二年間で二人は自分の気持ちをきちんと整理して今を生きていることの証左でもあり、月島家の前を向いて生きる気高さと、それでも夢の中での再会は許してあげる作品自体の持つ懐の広さ、優しい眼差しに涙せずにはいられないのです。

いや、本当に今年のアニメの中でもピカイチのエピソードだったと言っても過言ではないだろう。月島まいらというキャラの魅力を更に確たるものとし、本作の持つポテンシャルの凄さを改めて見せつけられました。ミュークルドリーミーを見ていてよかった。まいらちゃんをもっと好きになれたし本当に最高だ。

ゆに達の本編内での扱いから感じる制作サイドの優しき心遣い

作中でもゆめやことこが言及してたけど、今回はまいらにとって本当に大事な日で邪魔したら駄目な日なんですよね。例え悪役ポジションで騒動を巻き起こしてナンボな役回りだとしても、面白半分の介入を許していい時と駄目な時の線引って大事だと思うわけです。そこへいくと今回はメタ視点で見ても場当たり的な介入を許せば愛すべき悪役キャラのゆに様たちの立場や印象を揺らがせかねない危険性もあったと思う。

だからこそ本当に介入したら駄目な時は速攻でゆに達を追い出して、視聴者から要らぬヘイトを向かわせない気配りがなされていて嬉しかった。その回で見せる内容を鑑みてキャラクターをどう動かしたらいいのか。それをするしないで視聴者からどう思われるのか。そういう細部に至るまで気配りがしっかりされていて考えていることが、ゆに達の扱いからも伝わってきました。本作のそういう心意気が素敵だし、だから私はミュークルドリーミーが大好きなんだ。

まいらのことを想う素敵な友達!マイLOVEで広がる友達と笑顔の輪!

セラムンの月に変わっておしおきを彷彿とさせるようなことこ先輩の迫真決めポーズが冴え渡る!乗るときはとことん乗ることこ先輩らしさが表れていた一幕だったかも。CM明けまでしっかりポーズを維持してる姿が面白かったです。引っ越してきた直後は友達が一人もいなかったまいらちゃんだったけど、今では心の底から彼女のことを心配し祝ってくれる友達や仲間がいる。

最初は読モであることを妬んで絡んできた三人も今や立派な信奉者になっていましたし、お笑いが大好きな本当の自分を曝け出しても受け入れ共に笑い合ってくれる友達もいる。まいらが登場した当初に感じていた不安や孤独感も掻き消してくれる仲間がいる。その仲間と出会えたのも全ては明るく前向きなマイLOVEの精神あればこそ!これからも寂しさを感じる暇もないほどに、友達や仲間と楽しくも騒がしい日々を過ごしていって欲しいと心から願っているよ!