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ミュークルドリーミーみっくす! 第31話 「お笑いランドであぽぽのぽん」 感想

ミュークルドリーミーみっくす! 第31話 「お笑いランドであぽぽのぽん」 感想

幸せな笑いの溢れる世界お笑いあぽーんランドの実現を目指して!

いつも基本的にボケ全開のミュークルドリーミーなんだけど、今回はいつにも増してツッコミ不在のままボケ倒し続ける側面が強く出ていて濃密さに圧倒されてしまう。元々は同好会から始まったお笑い研究部も今や立派な部活動であり、チア部やテニス部やパソコン部等々の一年目に日の目を見た部活動よりも活躍の場が増えているような感じすら受けてしまいます。

まいらとぺこっちの目指すお笑い道は、世界中の人を楽しく幸せな気持ちにしたい思いからのもの。それは今は亡きお母さんのお笑い好きを受け継いでいるところでもあり、母を亡くした後にも落ち込むことなく常に前向きであろうとする月島家の生き様に起因したものでもあるわけで。だからこそ、アクムーちゃんの悪夢を跳ね除けて将来や未来を見据えるお笑いの夢は光り輝いたものになるのです。

運動会の時に狙われたときわ&ねねに続いて今回はまいら&ぺこが狙われたけど、ここからはやはり主要キャラの根幹を成す要素や大切にしている思いは何かを改めて浮き彫りにしつつ、悪夢に決して屈しない希望に溢れる将来や進路という意味合いでの夢に対するアプローチがなされていくのかなと。ことこ、朝陽、ゆめのそれがどうなるか引き続き楽しみにしたいところです。

しかし、今回はお笑いネタ満載の回でコントやお笑い研究部の面々のギャグがメインのはずなんだけど、終わってみれば朝陽渾身のギャグという名の滑り芸、それに対するみゅーちゃん達の割と辛辣な物言いや弄りっぷり、まいらとは別の意味でお笑いに熱心なことこ先輩が繰り広げる何気ない一幕やシュールギャグのほうが際立っていた気もしたのはご愛嬌。

どれだけ滑っても決してへこたれず明るく楽しく前向きに。その気持ちを持ちながら自分だけでなく周りの人も笑いの力で幸せにしようとする月島まいらの在り方を改めて見せつけられた回でした。これだけお笑い要素に満ちた回だったにも関わらず、本命のだっしふんにゅうの新ネタが披露されずに俺達の漫才はここからだ!的なオチに使われたのも、まいら達の笑いに対する思い入れや姿勢を表したものだったのかもしれないね。

一晩考えた自信満々のギャグを結構レアなドヤ顔で披露する朝陽の滑りっぷりだったり、チアふるタイムならぬなんでやねんタイムを唐突に差し込んでくるシュールさだったり、傷口を抉るようなみゅーちゃんやれいくんの弄りっぷりや物言いだったり、凍ったすうちゃんを熱湯で物理的に溶かそうとすることこ先輩だったり、お笑いトリオがむしろ自然な姿に見えてしまうサンシャルルだったりね。

今回は練りに練った文化祭ステージ用のネタよりも、日常の中で自然的かつ偶発的に発生する事象の中にこそ、真の笑い有りというようなことを感じさせられるシーンが多かったように感じる。むしろ常日頃から印象的なシーンや狂気を感じるようなシーンを織り込んでいる本作なので、真っ当なお笑いネタを挟んでもその濃密さに塗りつぶされるところもあるのかもしれませんなぁ。