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ヒーリングっど♥プリキュア 第10話 「緊急お手当て!メガビョーゲンがいっぱい!?」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第10話 「緊急お手当て!メガビョーゲンがいっぱい!?」 感想

求められる冷静な判断力と適切な処置能力。

迫られる選択と処置の重み!のどか達の下した判断の是非が問われる

癒し手にして守る側のプリキュアと蝕む側であるビョーゲンズ。両者の立ち位置や強み弱みが明確に浮かび上がってくる話と、本作のテーマに沿った設定の落とし込みが上手くハマっていた印象の今回のお話。時間が経つほど強さを増すメガビョーゲンの設定は、まさに発見が遅れ初動対応で適切な処置を施せなかった際の病の厄介さに繋がっているし、一箇所なら対処できても同時多発的に発生すると、途端に対処が困難になる病気の恐ろしさに通じている。

攻める側はある種、自由自在で思うがまま。守る側のプリキュアの事情や人体環境の都合など知ったことではないのである。ビョーゲンズの厄介さや強みが出た一方で、癒し手であるプリキュアはどうしても後手に回らざるをえず、今回は彼女らにとってその時々での適切な判断、選択の重みとそれがもたらし得る非常な結末という現実を突きつける回でもあったのかなと感じました。

のどかを筆頭にプリキュア側は可能な限り全てを癒し救いたいけど、場合によってはそれが叶わないこともある。その厳しさを知った上でそれでもなお理想を遂げる為に求められることは何か。冷静に状況を判断し、どういう行動・処置を取れば最善の道が切り開けるのか。そのことに向き合う為の試練でもあったんじゃないかなと。最初から全て上手くいくはずもない。

医療従事者的に言うなら彼女らの今の立場は研修医。それを導く指導医などもおらず今回のように判断をミスして失敗しかけることもある。勿論生命を預かる立場の人間なら見習いだろうと何だろうと言い訳を挟むことは許されないのかもしれないが、今作においてはのどか達が自身の判断ミスによって、望む結果を得られないどころか最悪の事態を招くこともあると、その身をもって学んだことに意義を見出すべきなのだろう。

昨今の新型コロナウイルスによる情勢も相まって、病原菌によって危機に晒される芸術産業の側面や、感染爆発によって人手が足りず医療危機に直面する医療従事者の姿等々。どこか世相を反映した内容にもなっていて訴求力のある内容として映りました。

盛り上がりどころにして1クール目の節目に向かう前後編の前半エピソード。時期の早い遅いを問わず、こちらの事情など知ったことかとビョーゲンズの三幹部が同時多発的に仕掛けてきたのも、まさにウイルス的な攻勢でしたが、先手を取るのが病原体ならここから反撃に打って出るのが癒し手たる人類側。今回とは逆にプリキュアサイドの強みが出るお話になればいいな!特効薬が新技や新アイテムになる気配が凄いけど、そこは大人の事情ってことで一つよろしく!

当たり前を喜べる幸せ!素直に喜ぶのどかわいい!

公共交通機関で遠出するだけでテンションマックスなのどかさん可愛い。当たり前のことを当たり前に出来る幸せ。現実世界がこんな状態だからこそ、当たり前の幸福を特別なものとして噛みしめる花寺のどかの気持ちが分かろうというものです。当たり前って当たり前じゃない。過酷だけど世界が優しく幸せになりますようにと願ってやまないのです。