ひなたちゃんはプリキュアを辞めない！
やってきたことを意味あるものにするのもこれからの自分次第
ひなたのプリキュア辞めようかな発言に端を発した今回の騒動でしたが、ひなたの家庭環境やバックボーンを絡めた心情描写の掘り下げが巧みに感じた。優秀な兄や姉に匹敵するほどの成果を出せないが故に達成感を得られず、何事も長続きしないことから生じる諦観の気持ち。何かを達成するには膨大なエネルギーが必要で、そこに至る一つ一つに充実感や達成感がなければ継続することが困難なのも無理からぬことで。
それが根底にあるひなたにとってビョーゲンズとの先の見えない戦い。一つを達成し驚異を退けたと思っても次々に新しく強大となって立ちはだかる敵を前にして、プリキュアとしての活動にひなたが同様の感情を抱くのも自然な流れなのかなと彼女の背景事情を知った今は思う。だから今のひなたに必要なのは生の実感を得ることなのだろう。
確かに今はまだ先は見通せない。プリキュアとして頑張ったからと言って今すぐ何かが劇的に変化するわけでもないのかもしれない。でも、ひなたが今プリキュアとしてメガビョーゲンを浄化することで助けられる人や救われる人が確かに存在する。街中で触れ合った人やお姉を助けたことで得られる確かな実感。それは兄や姉には出来ない今のひなたにしか出来ないことでもあるのです。
いろいろなことに挑戦しつつも長続きせず意味があるのか思い悩んでいたひなたでしたが、それらに挑戦したくとも出来なかったのどかが、その尊さと意義を肯定するのも良かったし、目標が定まらないひなたの心情を反映したように、雲をつかむような話のごとく姿が見つからないメガビョーゲンと、それらに対する為のプリキュア活動を通して、ひなたが生の実感を得るまでの流れも良かったと思います。
一つ一つの積み重ね。挑戦して失敗することもあるけれど、挑戦するから今までにない達成感や充実感が生まれ、その果てに確かな夢や目標やゴールラインが見えてくる。これまでのこともこれからのこともその一つ一つ全てが平光ひなたを形作る掛け替えのないものになっていく。それを意味のあるものにするのも全てはこれからのひなた次第。一つ壁を乗り越えたひなたが出来る兄や姉とはまた違う自分にしか出来ないことを見つけられたらいいよね。ひなたちゃんプリキュア辞めなくてよかったよー！
意外と面倒見のいいグアイワルとバテテモーダのコンビに和む
見た目や言動は明らかに脳筋タイプで、ともすれば考えなしのように見えるグアイワルさんだけど、新人のバテテモーダに対する面倒見の良さは頼れる兄貴分的な印象もあるし、今回のドローンをベースにしたメガビョーゲンを用いた作戦行動も、所在が掴みにくく時間が経てば経つほど力を増すメガビョーゲンの性質を鑑みても、なかなかに理に適った作戦行動を展開していたと言えるのではないだろうか。
その溢れんばかりの人間味や人の良さから逆に新人に良いように利用されたり立場が逆転する日が来そうな気がしないでもないが…。敵対サイドも魅力的になればなるほどプリキュア側もより光り輝く。育成のビョーゲンズにも物語を更に彩るためにますます頑張ってもらいたいところです。
プリキュアを当たり前のように視聴できることに改めて感謝を
緊急事態宣言が発令され放送が休止になってからおよそ二ヶ月。ひなたちゃんのプリキュア辞める予告も相まって余計に続きが気になり、再開の日を一日千秋の思いで待ち続けていましたが、本当にこうして無事に放送再開となって何よりです。今もまだコロナの驚異は去ってないし、ともすれば再燃しそうな情勢でもあるが、本当に最悪の場合アニメとか放送できない世の中になることも覚悟していたので。
当たり前のようにあるものは当たり前ではない。そんな当たり前のことに今回のような事態に直面することで改めて気付かされる日々であり、娯楽が如何に尊く素晴らしいものであるかを実感する日々でもありました。奇しくもヒープリの題材が癒やしや浄化にあり、現実の情勢をより反映したものになってしまったが、それだけに見ている側に訴えかける力も増すのではないかと思う。
プリキュアを日曜朝に視聴できる喜びを噛み締めつつ。制作に携わる全ての方々への感謝の気持ちを新たに、のどか達の物語を見届けられたら良いな～。編成上の都合で本来あったはずのエピソードをいくつか削ったりとかもあり得るのかな…。
