密やかに伸びやかに

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ヒーリングっど♥プリキュア 第35話 「手と手でトス!ボールつないで青春お手当て!」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第35話 「手と手でトス!ボールつないで青春お手当て!」 感想

真冬の寒さもスポ根のノリで吹きとばせ!

ボールを繋いで心も一つに!スポ根プリキュアの熱で身も心も滾らせる!

真冬の水着サービスもそこそこに、思わず「これプリキュアか?」と言いたくなるようなね。およそプリキュアらしからぬ熱血スポ根のノリで進行するビーバレ回が純粋に楽しい。やはり夏の暑さと南の島の海に来た開放感がそうさせるのか。熱血スポ根時空に染まっていくかのように、普段とはキャラや役回りが変わっているのどか達の奮闘する姿も面白く、本人たちが真剣であればあるほどに傍から見た見たときとの認識のズレや温度差が面白さに拍車をかけてくれる。

リアルとの季節感のズレも今回に限っては功を奏していたかもしれない。昭和のスポ根に風刺を効かせスポーツ界の闇に切り込んでいた面もあったかもしれないが、ビョーゲンズ側の存在を上手く用いて巻き込み、コミカルな作風で終始楽しく良い意味でのバカバカしさを提供してくれていたと思います。のどか達に昭和のスポ根路線を強いると色々と面倒なことにもなりかねないし。

強制されるのは論外としても個人的にはエンタメとしての昭和のスポ根とか根性論って嫌いじゃないし、古き良き伝統と今どきの考え方をうまい具合にミックスして構成されていた話のように感じました。まぁ昭和のスポ根や精神論を体現したグアイワルとメガビョーゲンでは、令和の最新事情を汲むプリキュア側に勝てる道理などなかったのである。『燃えよ、ビーバレ』に良い意味で影響された有能コーチ・ラビリンの手腕に依るところも大きかったのかもしれない。

あとアスリートとして火が付くちゆや、基本天然で影響されやすいアスミはともかくとして、のどかもそっち側のノリに行ってしまったが故に、必然として残ったひなたがツッコミ役に回らざるを得ない事態に陥り、冷静に状況を把握する頭脳担当の役回りを担わされていたのも面白かった。海に来て真っ当に海で泳いで遊ぼうとしてたのもひなただけだったもんね。今回は他がアレすぎて本当に唯一の常識人ポジに収まっていたもの。

ただ、真面目な話もするとのどかに関しては病に臥せっていた境遇から、王道のスポ根のノリだったり皆で何か一つのことを成し遂げる団体競技の特性に憧れのような気持ちを抱くの分かるのよね。自分の体を思う存分に動かして何かに打ち込む快感や爽快感。それに伴う自身の技術向上と確かな成長。スポーツを通じて増していく自分と仲間との連帯感。

特殊過ぎるプリキュアとしての御役目とは別に、一人の女子中学生として同年代の友達とスポーツに打ち込み親睦を深めていく充足感。どこにでもある当たり前のことが当たり前に行える。その喜びの享受という観点から見ると、今回のどかが目の色を変えてはしゃいでいたのも分かろうかというものです。ともあれこういうネタに振り切ったような回が作品により深みを与えてくれるなぁと改めて思える。久しぶりに小難しいこととか一切考えずに感じるままに楽しめた回でした!

スポ根路線に迎合してくれるグアイワルとメガビョーゲンのノリの良さ

決して前時代的と言うなかれ!赤道直下サーブを会得するためにはこれくらいの特訓をやらないと身につかないのである。いや、それ世界を蝕む為に必要か?とかそういう突っ込みは入れるな。グアイワルさんの中ではこれが先進的かつ革新的な取り組みだったんだな。立場上は文句も言えないのだろうが、生み出されたばかりでスポ根のノリに付き合ってくれるメガビョーガンは良い奴だったよ。

しかしあれだね。今回のグアイワルとメガビョーゲンとの目まぐるしき特訓シーンの数々に、懐かしさや既視感のようなもの覚えてしまったら…。年代や世代的な意味でダメージを負いかねないので深く考えるのはやめておこう。色々な意味で涙が出てきかねない。

平光ひなた/キュアスパークルの冴え渡るツッコミの数々!

プリキュアサイドだけでなくビョーゲンズサイドもスポ根のノリ一色に染まる中、ただ一人いつもの正常でまともな感覚を保ち、ツッコミ役に徹してくれたひなたちゃんがナイスでした。今回ひなたちゃんがいなかったらプリキュアとしての体裁が崩壊してたかもしれないし、影の立役者と言っても過言ではないだろう。

そうだよな、海に来たらまず海に入ったり泳いだりすること考えるし、敵の攻撃だってわざわざ受ける必要もレシーブを返す必要もないもんな!青春とスポ根は紙一重です。ひなたちゃん本当にナイス突っ込み!