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ヒーリングっど♥プリキュア 第7話 「大スクープ!?のどかの秘密」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第7話 「大スクープ!?のどかの秘密」 感想

ジャーナリズムのリズムにご用心。

夢中になってのめり込むことの素晴らしさと危うさ

人間夢中になれることがあって熱中できることは素晴らしい。生き甲斐があることは日々の生活や心を潤し、生きていく上での活力にもなる。ただし、夢中になりすぎるあまりに時に歯止めがきかない暴走状態に突き進む危険性も同時に内包している。今回はプリキュアであるのどかたちの秘密を付け狙う益子道男を通して夢中になることの素晴らしさと危うさの両面が描かれていた気がする。

最初は純粋な気持ちからだったんだよね。綺麗な自然の有り様に魅せられて、それを周囲に伝えて褒められたのが嬉しくて。でも、純粋だったはずのそれは次第に話題を集めるとか注目される為のスクープ欲しさに変質しかけてしまっていた。自覚は多少あれどもそれでも歯止めがかからない。いわば心の病巣であり、それは時に人を間違った方向に導くものにもなる。

本命ののどかを追っている最中、部活動としてのちゆの高跳び記録を収めようとするなど、彼の中にも当初の純粋な理念は残っているけど、それでものどかの秘密を追う気持ちが抑えられなくて。良いものと悪いものは表裏一体であり、時にそれは異質なものとして変質し心の病巣となり得る。熱量が凄いからこそ反転した時にそれが及ぼす影響も恐ろしい。

今回はビョーゲンズとの抗争以上に、のどかとのやり取りを経て、彼が当初の純粋な気持ちを今一度思い起こす流れ。心に巣食った病と浄化に至るまでのプロセス。特殊な生い立ちを持つのどかが夢中になれることがあるのは素敵だと語る一方で、その素敵なものが転じてしまう人の心や精神の中に潜む危うさ、脆さ、怖さこそが肝要だったのではないかと感じました。

秘密の共有で結束力は高くなる。パパラッチ追跡で却って三人の絆が強くなったのは怪我の功名でもあり、のどかのことを大切に思うちゆやひなたの心遣いにほっこりする話でもありました。のどちゆひなたの間に割って入るのは容易なことではないのです。

プリキュアの秘密に迫る!歴代ジャーナリストと比較してみるのも一興

プリキュアが秘密の存在で口外禁止であることは歴代作の多くに当てはまるが、逆にこれだけ繰り返しそのことに触れるヒープリは、その点において珍しい部類に入る作品と言えるかもしれない。後々の展開に効いてくる要素になるかなこれ…。

記者系のキャラといえばプリキュア5の増子美香や、ハピプリの増子美代なんかもいたけど、彼女らとの比較で今回を見てみるとまた違ったものが見えてくるかもしれない。美香は夢中になると周囲が見えなくなる性格と強引なやり方のせいで、新聞部に残る唯一の部員という状況になるくらいアレだったし。プリキュアが公の存在として認知されてたハピプリの世界にあっても、特に初期の美代はかなり強引で目的のために手段を選ばないところがあったし。

それを思うと今回の益子道男は、まだ比較的まともな部類で良心的な存在であったと言える。プリキュアシリーズで「マスコ」に連なる系譜のキャラクターたち。夢中になれるものがあるのは素敵なことだが、彼女らの有り様と辿ってきた道を思い返すと、情熱と危うさは表裏一体のものであるということを、改めて思い知らされる…気がする(笑)

不意に差し込まれるコミカル描写で和む

相変わらず駄洒落に弱くて一人笑いを堪えているちゆちー可愛いし、何とかとぼけようとしつつ表情に出ちゃってるちゆとひなたも可愛い。知性派と思いきや意外と脆いというかボロを出しそうなちゆは見てて面白いし個人的に和むポイントである。

あとビョーゲンズ幹部勢のコミカル担当として小気味いいレスポンスを返してくれるグアイワルさんの秘めたるポテンシャルと今後の伸びしろにも期待したい。本作においては人間味に溢れる敵幹部というのもおかしな気もするけど、スパークルのデビュー戦時から既に面白担当の気配が強いと思っていた予感は間違ってなかったと今回を見て更に確信を強めたのである。シンドイーネさんとは別ベクトルの掛け合いを今後も期待している。