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アイカツオンパレード! 第23話 「スターズ!オンパレード!」 感想

アイカツオンパレード! 第23話 「スターズ!オンパレード!」 感想

アイドルもファンもみんなで輝く!

スターズ組の集大成!これがみんなで輝くアイカツ!

四ツ星学園を舞台に繰り広げられる姫石らきの企画『アイカツオンパレード!』二日目は、スターズ勢にとっての集大成イベントにもなっていて感慨深い。主役脇役を問わずに可能な限り出番を与えられて各々が役割を果たし、往年の名シーンを彷彿とさせる所作を織り交ぜ、スターズ勢の個性や変化を感じさせるシーンにも富んでいて、まさに『アイカツスターズ!』の軌跡を追う回でもありました。

スターライト学園を舞台にした前回と同じく、イベントを通じて歴代作で描かれたそれぞれのテーマが、実感を伴う形としてらきにしっかりと伝達されていく流れが美しい。各組の頂点S4がいるように、かつてエルザが唯一の頂点を極めようとしたように、そして虹野ゆめがアイドルの一番星になることを目標にアイカツを始めたように。当初のスターズは、より強烈な個の力強さに比重が置かれていた。

でも、スターズの物語もゆめも最終的には強烈な一つの個だけではなく、他のアイドルとファンも含めて「みんなで輝く」ことで、より大きく眩い光を放つという到達点に至ったのですよね。最初は自分のことが先行し周りが見えないこともあったらき。それが今や企画立案と進行として周りのことを考えて、裏方としてどうすることが最良なのかを自分で考え実行に移すことが出来るようになっている。

このらきの変化が、ゆめのアイカツとスターズの物語の変遷。アイカツスターズの軌跡と重なって見えて素敵なのです。勝者の裏に敗者がいる。努力が必ずしも実を結ばず報われない人もいた。ただ、どんなに辛くても、頑張ったことは間違っておらず、そういうスポットライトが当たらない部分。そういう人たちも含め、アイカツに関わる皆がいたからこそ到達できた頂きの景色。生み出される輝きがある

それこそがアイカツスターズにおける「みんなで輝く」というテーマなのだと改めて思う次第です。「アイドルの一番星になる!」から始まり、最終的にみんなで輝くことの真髄に到達した虹野ゆめのアイカツ。そのゆめを筆頭にスターズ勢の皆が日々のアイカツで培い、体現してきたスターズのテーマと辿ってきた軌跡は、アイカツオンパレードの趣旨にこれ以上ないほど合っている。

念願の月の共演の奇跡にしてもね。圧倒的な才を持つが故の苦悩を抱えたこともある美月とひめが、高いレベルで高め合い、圧倒的な個でいた時よりも遥かに強い輝きで更なる奇跡を見せてくれている。前回いちごのステージを見たあかりと同じく、いちごとゆめにとって最初の一歩を踏み出すキッカケをくれた二人が、この集大成の場でスタートライン!を歌ってくれる選曲も素晴らしかった!

アイカツオンパレード!』を通じて、憧れのSHINING LINE*は繋がり、みんなで輝くアイカツの真髄が伝えられた。この流れを受けてフレンズの主題をどのように落とし込むか。元々らきが属するフレンズ組の集大成の形がどう描かれるのか楽しみだし期待も高まる。残り少なくなってきたオンパレードの物語。余すところなく堪能していきたい。

奇跡の月の共演!スタートライン!に込められたメッセージ

月を象徴する神崎美月と白鳥ひめの夢の共演が遂に実現!アイカツファンなら一度は見てみたいと思ったことがあるのではないかと思わせるコラボステージ。スターズコラボ回の時に、自分もこれ見たいと願いながらも、あの時は惜しくも叶わたかったので、本当に念願叶って嬉しいなという感情が込み上げてくる。「スタートライン!」の歌詞に込められたメッセージ性も、より強く表現されていたと思う。

上でも少し振れたけど美月とひめは共に圧倒的な才を持つ強烈な個でありながら、高いレベルで自分と競り合い自分をより高みへと導く好敵手の存在を潜在的に求め続けていた二人でもあるのよね。その二人の強烈な個が今回共演を果たし、互いに刺激し合うことで一つの個では成し得ないより強烈な輝きを放っていた。二人がこの夢の共演を「勝負のステージ」と位置付けたのもそのためだろう。

美月とひめのアイカツの物語。競い合い高め合う中で生まれる尊き輝き。みんなで輝くアイカツの一面を体現してくれたステージでもあったし、二人と同じく今やレジェンドの風格を漂わせるいちごとゆめが、始めの一歩を踏み出すキッカケを与えてくれた二人のステージを見て、憧れの人を見て胸をときめかせる純粋な一人の女の子の顔を見せてくれていたのも凄く嬉しかった。

あの日みた景色目指して進もう。多くの仲間やライバルと出会い、あの日みた景色を目指して一歩ずつ歩いてきたからある今。始まりを告げてくれた二人が歌う選曲も素敵でしたし、ステージを通じて伝えられるメッセージ性も、これでもかってくらいに伝わってきて満たされたのです。夢は見るものじゃない叶えるものだよ。また一つ大きな夢が叶った瞬間を見届けたよ。

四ツ星学園が誇る各組の活躍!スターズオンパレード!

新旧S4だけでなく名物四ツ星講師陣、松風琴葉や最中すずを筆頭にした一年生勢、新旧幹部ーズにネオ・ヴィーナスアーク、マヒラーの三人にホネホネブラザーズ等々。表舞台に立つ主要アイドルだけじゃなく、講師陣やファンや支えてくれた後輩アイドルも含め、アイカツスターズを形作ってきたみんなで彩る内容にしようと、可能な限り姿だけでも出番をくれる心意気に涙する。

とはいえその中でもやっぱり香澄姉妹を両サイドに従えてセンターに陣取る七倉小春さんの存在感は際立っており、ある意味で今回一番鮮烈な印象を視聴者に焼き付けたのは彼女なのかもしれない。美組だけ他より明らかに力の入り具合違っていた!小春ちゃんは要所要所でとんでもない色気を発揮するから恐ろしく魅力的なのです。かつてはショーに出るのを怖がっていたのに今ではこれだけの堂々とした立ち居振る舞い。小春ちゃん恐るべし!

あと、企画立案らきが用意していたセトリに元幹部ーズや有莉ちゃん先輩の恋人岬も載っていたりして、細かいとこまでネタを仕込んでいるなと感心した次第です。この辺りのステージもちょっと見てみたかったなぁ。ゆめ、ローラ、真昼、あこの面倒見の良さや気遣いな面も見られたし、やっぱりスターズ組も大好きだってことを改めて思い知らされたよ。

今週のらきちゃん

今回もイベントの企画立案、司会進行と主に裏方として奔走していた我らがらきちゃん。どうすればアイドルのみんなをより魅力的に、より輝かせることが出来るのか。見に来てくれたファンを楽しませる為にどうするのが一番なのか。仲間のアイドルとファンの両方に思いを馳せ、みんなをハッピーでラッキーな気持ちにしたいと思えばこその重圧と緊張感だったのだと思う。

ゆめのハンドマッサージもかつてのやり取りを彷彿とさせてくれるシーンで良かったし、何より真摯に向き合おうと頑張っているから、周りで見ている皆も力を貸してくれるし、見ている側にもその思いがきちんと伝わったのだと思う。スターズ世界への二度目の訪問時、自身の考えなしの言動も相まって、スターズ世界のファンから大顰蹙を買い、炎上案件にまでなりかけたこともあった。

そのらきが今こうしてスターズ世界のアイドルやファンに受け入れられて認められている。それもスターズのみんなで輝くという流儀を学び、アイドルとして、イベント責任者としてステージに立つ者が背負う覚悟と、協力してくれる多くの人の力があってイベントが成立していることを、これまでのアイカツで身を以て学んできたからこそだと思います。これもまたらきちゃんの一つの集大成。ステージの袖で成功を見届け素敵な笑みを見せてくれるらきちゃんの姿に成長を見たのだ。