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アイカツプラネット! 第15話 「情熱の薔薇」 感想

アイカツプラネット! 第15話 「情熱の薔薇」 感想

トップアイドルの帰還。

いずみさんへのサプライズパーティーこそ不発に終わったけど、明咲といずみさんが今でも硬い絆と信頼で結ばれ、お互い大切に思い合っていることが伝わってきて嬉しい。こういうさり気ないケアというかアフターフォローを、明咲の再始動と新たな門出に絡めて後顧の憂いなく心機一転し、清々しい気持ちで迎えられるようにするのって当事者である二人だけでなく視聴者目線で見ても大事なことだ。

明咲の新たなアバターであるローズの制作にしても、いずみさんと二人三脚で作ったハナとして活動していた頃に、最初のファンから貰った贈り物の薔薇をモチーフにして作り込まれていて、その着想をいずみさんがアバターに織り込んでいるのが良いよね。事務所の意向も込みでいずみさんと明咲が共に作り上げたのがハナなら、ローズのそれは独立して歩み始めようとする明咲への餞別。

親心ではないけどそれに近い感情。今まで事務所やマネージャーであるいずみさんの庇護下から旅立ち、晴れて自分の意思で独り立ちしていく娘への贈り物と考えるとエモみも増すというものです。この先、所属や活動面では袂を分かつけど互いを思う気持ちは昔と何ら変わらない。二人で作ったハナを無くすことなく舞桜に託したことに対し感謝していた明咲の発言からも、それは感じられたのであります。

アイカツプラネットでの明咲の再始動は、自立した彼女の最初の第一歩でもある。自分より先を歩む明咲の姿に舞桜も刺激を受け、アイカツプラネット全体も確実に揺さぶられることになった。世界を知り一回りも二回りも大きくなったトップアイドル明咲、改めローズの帰還がもたらすものは大きく、登場人物にとっても物語全体としても見ても大きな転機をもたらす存在となってくれた。

誰よりもアイカツを愛し究めようと志す明咲が、アイカツプラネットを更に先の領域へと引き上げる。彼女のキャラ造形と物語の展開を巧い具合にシンクロさせた話運びが見事でした。最初は目指すべき指針を持たなかった舞桜ですが、偉大なる先代の姿を目の当たりにしたことで、ここから先どのように変わっていくのか。ある意味これでアイカツの王道ラインに乗ったとも言えるし、ここから主人公としての舞桜の活躍に一層の期待をしたいところです。

ローズのアバターはやっぱり強キャラの風格ありますなぁ。最初ビジュアルだけ見たときは紅林珠璃が一番近いイメージかなと思っていたんだけど、実際の彼女を見た印象はやっぱりそれとは大分違っていた。見た目的には気品があり近づき難さのような高貴さを感じさせる一方で、実際触れ合ってみると気さくで親しみやすさも内包しているギャップが魅力的なところではないかと。

新曲『Inner Voice』のメロディーラインも歌詞も個人的に凄い好み。内なる声のそのままに陽明咲が心に秘めてきた思いを素直に発露し、新たな道に向かって踏み出していく決意の込められた楽曲に魅せられる。季節的にも春は生命の息吹や新たな門出の時期だけど、そんな季節的なイメージを感じる良い曲でした。プラネットの楽曲もやはり個人的に刺さるものが多い気がする。

あと明咲が用いるドレシアも強かったなぁ。対戦相手のルリが用いてるドレシアも諸星すみれ下地紫野アイカツレジェンドコンビで強強なんだけど、日笠陽子沢城みゆきって別の意味でも強者のイメージ強いので。特に日笠さんに関してはアイカツで演じたキャラも天才タイプの強キャラ揃いだったので尚の事ね。改めて見ると明咲/ローズのキャラ造形ってエルザ・フォルテと天翔ひびきを足して割った感じがあるかもしれない。