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アイカツオンパレード! 第13話 「らきとツバサのドレス」 感想

アイカツオンパレード! 第13話 「らきとツバサのドレス」 感想

デザイナー姫石らきの前に立ちはだかる強大な壁と厳しい試練。

エルザの絶妙な立ち位置と際立つ香澄真昼の役回りと存在感!

ここ一ヶ月くらいはどちらかというとコラボ要素を優先したお祭りムード全開のオンパレでしたが、年内ラストの回で改めて主人公らきの成長ストーリーの側面に焦点を当てて、今一度その部分をしっかりと描き方向性を示していてくれた回だったと思う。その中でもらきに対して厳しく試練を課すエルザ、導き支えてくれるレイと真昼の存在感は際立っていて、スターズ本編から更に成熟した面も感じられた。

自分で自分を極限まで追い込み身動きが取れなくなったらきの姿は、かつて夜空に対して素直になれず、すれ違っていた頃の真昼を彷彿とさせるものがある。あの時のことがあるからこそ姫石らきを導く先達者としての真昼が成立するし、心の迷子になっていた当時の真昼と今のらきが重なって見えるからこそ、姉である夜空と今回の真昼のやり取りは尊く映える。

また、かつて太陽のドレスを手中にして他の面々との繋がりを絶とうとしていたエルザに対し、「苦しい局面でも逃げずに前へ進むことの大切さと辛さを知り、みんなの気持ちが分かる人」と真昼に評されたレイは、歌やドレスに思いを込めて相手に伝えることの意義とアプローチを身をもって学んだわけだが、そんなレイだからドレス作りにおいて思いを込めることの意義を、らきに伝えることが出来るのだと思う。

往々にして今回は香澄真昼の立ち位置と彼女が担っていた役割が特に際立っており、夜空やレイとの繋がりから生じる悩めるらきへの伝達。彼女に与えた影響等々。かつて姉である夜空にそうされたように、身動きが取れなくなったところに優しく手を差し伸べ諭すように優しく導いてくれるシーンは、真昼を演じる宮本侑芽さんの好演も相まって、とても印象深いものとして刻み込まれた。真昼ちゃんの存在感抜群である。

らきに対して厳しい試練を課す役割を負ったエルザにしても、光る可能性を持ちながらも自分らしさを大切にせず、安易に完コピに走ろうとしたらきの姿勢に対して怒りを覚えたわけで。ゆめ達やアリス・キャロルとの件を経て、自分らしさを大切にして磨くことで輝ける存在がいると知った今のエルザだからこそ、その可能性を自ら摘むような、らきの行為を認めるわけにはいかなかったのだろうと。

8話で天羽先生が言った通り自分だけのオリジナルを生み出す為に「色々なドレスを見て影響されること」は重要。しかし、そこに何の思いも込められていない形だけを真似た模倣。丸パクリでは意味がないのである。デザイナーとして始めは模倣から入ることの意義を説いた上で、そこから更に先へ進むために何が必要なのか。オリジナルを生み出す為にどんなことを学ばなければいけないのか。

自分ならではの発想や味を加味していかなければいけないということを、順を追って段階的に積み上げる丁寧な話運びになっていたと思います。エルザが「らしさ」を認めることの意義。真昼とレイの役回り。スターズ本編があればこその今回の話でもあるなと思えたし、何より本作で主人公が姫石らきであることの意味。デザイナーとしての側面を強く押し出すことの意味を、改めて提示してくれていた回だったと思う。

騎咲レイの裸足のルネサンスと香澄姉妹のSummer Tears Diary

例え他の誰に何を言われようとエルザを輝かせる為に尽くす。その信念の表れこそが騎咲レイの星のツバサの所以でもあるし、ライブ前にやり取りを行っていたように香澄姉妹にとって今回の衣装は二人が初めて共演したときに着ていた思い出のコーデ。真昼の言葉を借りれば私たちにとっての宝物であり、今回の両者のステージはドレスに込めた思いを色濃く反映し内包している。まさに、らきに対する強いメッセージとして機能していたんじゃないかな。

今週のらきちゃん

流石のらきちゃんもエルザ様の半端じゃない威圧感に気圧され、いつになく悩み極限まで追い込まれてしまった感じもするが、それでも折れずへこたれず最後に決め台詞を言えてしまうのだから強メンタルである。天羽先生からの教えを請けた上で、色々な物事を見聞きしながら影響を受けつつ、更にドレスに込める思いの重要性を学んだ我らがらきちゃん。

真昼とレイに支えられながらエルザ様という一つの壁を乗り越え、模倣の先にあるオリジナルへの道を、また一歩踏み出したわけである。アイドル兼デザイナーは風沢そらや七倉小春などの先例もあるが、アイドル以上にデザイナー重視というかドレス作りに並々ならぬ熱意を持つらきちゃんの物語。彼女の根源にある思いとこれからの方向性を改めて見た思いである。

さあやお姉ちゃんの思惑も、やはりそこに起因したものなのかもしれないね。ともあれこれで今年もアイカツ納め!新展開を前にしっかり地に足を着けて今後の展望を見据えているアイカツオンパレード。来年も楽しみだ!