密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

アイカツプラネット! 第17話 「ドレスはくえすちょん」 感想

アイカツプラネット! 第17話 「ドレスはくえすちょん」 感想

ドレスにとってのアイドルとは?

デザイナー紗良のアイドルデビュー!と思いきや紗良さんは幻のアイドルと称される程の人気と実力を備えた元アイドルであり、ドレスに対する興味の方が勝るようになりデザイナーに転身した経緯を持つ人だったとは。デザイナー業からアイドルに関わり、その興味からアイドルデビューの流れだと思いこんでいたので紗良のキャラ設定は意外性があって興味深い。

「アイドルにとってのデザインとは?」ではなく、「ドレスにとってのアイドルとは?」という今回の命題も、そういった経緯を持つ紗良だから生じる発想だと思えるし、何より普通のドレスとは異なり明確な意思を持つドレシアの力を得て初めて完成に至る。そんな本作アイカツプラネットのドレスだからこそ求められる独自の視点、切り込みでもあるのかなと感じました。

クローゼットの中にしまい込まれ誰の目にも触れず日の目を見ないドレスであったなら、それは死んでいるのも同然。アイドルが着用することによって命を吹き込まれ、ステージに上がることで初めて生きることが出来る。アイドルが真に輝くために不可欠のドレスですが、このドレス側の視点が加わることでアイドルとデザイナー、そしてドレシアが力を合わせて成立するステージ。

そんな本作特有の二人三脚性が際立つのではないかと思います。そのどれが欠けても真にアイドルが輝くステージは成り立たない。アイドル兼デザイナーである紗良の存在を交え、アイカツプラネットにおけるアイカツで忘れてはいけないドレスやドレシア側からの視点を表現していた回だったんじゃないかな。

これまでは舞桜たちを裏から支えるデザイナーとして出番も控えめだった紗良だけど、今回奮闘する中で見せた奇行だったり、クリエイターとしての気難しさや頑固さだったり、何より幻の元アイドルという屈指の実力派という一面によって、一気に個性が出てきたというか存在感を増したと思います。これで主要キャラも一通り出揃いましたし、土台が完成したプラネットがここからどう展開されていくのか。ますます楽しみ。

プラネット発表時の初見のイメージでサラのアバターは凄い好みだったんだけど、実際に動くところを見てもやっぱり長身のモデル体型で足もスラッとしていて見目麗しくて最高ですな。ドレスチェンジ後のパンツスタイルも、そんな彼女の魅力的な部分や格好良さを引き立てていてとても素敵。

アイカツシリーズの数多あるライブ時の衣装でも、パンツスタイルを披露したキャラってスターズの騎咲レイとフレンズの湊みおくらいな気もするので、その点においても何気にレアな光景だったんじゃないかと。サラを支えるドレシア組も石川由依さんと和久井優さんでしたし、お洒落キャラで格好いいサラが用いるドレシアのイメージとしてもピッタリなんじゃないかな。どこかの回でルミナスの三人が揃い踏みして欲しい~。

男装というわけじゃないけど今回の作中番組を担当していた月城愛弓と栗六杏の二人が着ていた衣装も凄く好きなやつでした。普段とのイメージのギャップも相まってかな。やっぱり可愛いものを着ているイメージが多いアイドル作品にあって、こういったタイプの衣装を用いるのは刺激的で一種のスパイスとして作用している側面はあるんじゃないかな。

スウィートホールケーキの一件の時に問題解決の糸口を提示してくれた紗良に、今度は杏が返す形でキッカケとなるヒントをくれたのも良かった。杏的には何気なく思ったことを言っただけかもしれませんが、ああいう煮詰まった状況を打開するのって杏みたいなタイプが突破口を開くことも往々にしてあるものだと。考え込むことも大事だが、時には直感に身を任せ考えるより先に動くこともまた大事ということか。