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トロピカル~ジュ!プリキュア 第22話 「ヒミツの大冒険!人魚の宝を探せ!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第22話 「ヒミツの大冒険!人魚の宝を探せ!」 感想

語り継がれていく伝承の実態や如何に。

夏だ!海だ!水着回!ということで年中夏の季節感が漂う本作トロプリでも本格的な夏が到来し、普段とは異なるロケーションで一味違う夏の光景が届けられていましたが、水着要素もそこそこに今回は夏の風物詩である怪談話とはまた異なる伝承に纏わるお話で構成されていた回だったかなと思います。森の人魚然り、バトラーが語るところの愚者の棺に纏わる話然りね。

人から人へと語り継がれる伝承は、どこかでその人なりの解釈が混じったり主観からくる曲解や歪曲で当初の形を歪められたりすることもままあるかもしれないが、今回の森の人魚に纏わる話は正しく語り継がれていたようで、力を増したゼッタイヤラネーダに対抗する為のプリキュア側の恒例のパワーアップアイテムと、神秘性を纏う人魚という存在を上手く交えて展開されていたのではないでしょうか。

作画面でも輪郭線がいつも以上に強調され、表情から伝わる感情がよりダイレクトに強く伝わり、いつもと違う夏の力強さ等を感じられて、話をより眩く彩ってくれていて良かったなと。いつもより張り切り時に好奇心やイタズラ心を覗かせたりするみのりん先輩だったり、互いの存在に怯え合うまなつとヌメリーの掛け合いも、いつもと異なる空気感あればこそのもので楽しかったです。

眉唾なものも多い伝承も実際にあったことを正しく伝えているものもある。人魚の話が実際にあったことならば、あとまわしの魔女よりも先んじて愚者の棺を解放しようとした者も本当にいたのだろう。口伝、伝承からだけど敵側陣営の思惑や真の目的が見え隠れするというか。ヴェールに包まれ実態が掴めないものの正体が、僅かであれど垣間見えたという点でも意義深い回だったかなと。

ヤラネーダが強化されればプリキュア側もそれに負けじとパワーアップする。夏は力を蓄え増す期間と言われることもあるけれど、トロピカる部の合宿という部活動の側面と強化の側面も見事に合致していた?回だったと言えるかもしれません。詳しいことを何も知らない島の子どもたちを魅了した森のローラは、黙っていれば神秘性を纏う美しい人魚だけど、やっぱり自信過剰で高笑いしている姿が何よりも様になる。

茶目っ気みのりん先輩のイタズラと互いに怯えるまなつとヌメリーさんの掛け合いが好き。トロプリの幹部勢って憎めない敵というか。やる気パワーこそ奪うけど人間を滅ぼすとかそういう過激な思想で動いてないし、姿形こそ異形だけど人間以上に人間味のある方ばかりなので、敵というよりライバルとかに近い感覚。互いの目的の為にいがみ合うけど不思議と波長は合うみたいなね。今回一人で頑張っていたヌメリーさんは存分に夏休みを満喫して欲しい。

一方で最後の方で見せたバトラーの意味深な反応はやはり気になるところです。もしかしたら彼自身があとまわしの魔女様よりも前に愚者の棺を解放しようとした張本人なのではと思えたり。SSのゴーヤーンのように腹心のように振る舞いながら実は黒幕でラスボスみたいな前例もあるので。この愚者の棺を巡る「望み」に関して、後々の離反とか造反に繋がる可能性もあるのかもしれません。

今回、個人的に水着シーン以上に印象に残ったシーンが冒頭のだらけた状態のまなつママの寝起きシーンだったかもしれない。普段キリッとした姿が印象的なだけに、ギャップ萌えで更に破壊力が増した感もある。やはり碧さんもママキュアたるに相応しい逸材でありました。まなつちゃんも将来性抜群ですね。料理や家事を含めお父さんのように家庭的な人がお相手なのも納得でありました。