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トロピカル~ジュ!プリキュア 第19話 「まなつパニック! 学校の七不思議!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第19話 「まなつパニック! 学校の七不思議!」 感想

幽霊の正体見たりエルダちゃん。

夏の風物詩の怪談回かと思いきや凄くいいお話で良い意味で驚かされた回でしたなぁ。トロピカる部の皆がやりたいことなら自分の苦手なことであっても一緒にやるというまなつの生真面目さというか。トロピカれることに全力な普段の自分を意外と冷静に見ているのと同時に、決して考えなしではなく周りのことを慮る事のできる思慮深さも併せ持っているというか。

まなつの意外な一面と実にらしい一面が発揮されていた回でもあったかなと思います。まなつとエルダの間に芽生えた奇妙な友情や連帯感。そこから派生する敵対関係を超えた繋がりも素敵だったし、それが叶ったのも怖いものや苦手なもの、未知のものであってもしっかり向き合おうとするまなつの資質があればこそ可能だったものなんじゃないかなと。

幽霊も正体が分からないから未知のもの、理解が及ばない相手だから恐ろしい。たとえ相手が同じ人間であったとしても。良く知らない相手との初邂逅時では苦手意識や恐怖心が生じることだってある。分かり合うための努力や向き合おうとする意識。相手のことを知ろうとする姿勢が、徐々にそれらのネガティブな感情を減退させ距離感を縮めていくことに通じるのだ。

未知は恐ろしいがお互いのことを知り通じ合えば人種や種族が違えども通じ合える。それは人魚であるローラもそうであったし、その点に関してのみ言うなら今回のエルダもローラと立ち位置は変わらない。立場上の敵対関係から、お互いに問答無用で敵意を向けざるを得ない間柄の二人であったわけだが、その先入観を取り払い互いの顔や立場が不明のまま交流を重ねることで、今まで見えなかった面が見えてきて新しく気付くこともあったというわけなのだ。

ということで夏の風物詩の怪談要素を交えながらも、まなつの色々な面を多角的に描きつつ、本作のテーマに基づいて敵味方を問わず登場人物の人間関係を更に深めるような内容だったんじゃないかと感じました。まなつとエルダの絡みは今後も定期的にやってもらえたら嬉しいなぁ。そして、それに対して面白くなさそうな反応を見せるローラと…妄想が膨らむ!

体を張って約束を守ろうとするサマーを見て小芝居を打ったり、まなつと過ごした短くも充実した日々の思い出を象徴する人形を持ち帰って大切に扱っているところだったり。今回のエルダちゃんの言動はいつにも増して愛らしく尊さを感じさせるものでありました。エルダちゃんとまなつちゃんはもっと仲良しになってもいいんだよ?

負傷したエルダちゃんを迎えに来た時のチョンギーレさんやヌメリーさんの仲間思いなところが伺える反応も堪りませんでしたなぁ。こんなの実質家族みたいなものじゃないか。立場が変われば見方も変わる。今回二人がプリキュア側と交戦したのもエルダちゃんを守りたいが為の行動でしたし。トロピカる部とは別のもう一つのコミュニティの温かみを感じずにはいられないよ。あとまわしの魔女様は最終決戦をずっと後回しにしてもらっても一向に構わんぞ!もっとこういうのを見せてくれ!