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トロピカル~ジュ!プリキュア 第34話 「夢は無限大!大人になったら何になる?」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第34話 「夢は無限大!大人になったら何になる?」 感想

希望に溢れる自分の将来の姿を夢見るからこそ今を全力で!

近年ではエピローグへの布石になることも多い将来や進路についてのお話。まなつの生き様にしてもトロプリのテーマにしても共通して「今出来ることを全力でやる!」というものがありますが、今を重視している本作の特性故に、未だ見ぬ遠い未来の自分の姿に思いを馳せる今回のような話も際立つのかなと思います。やりたいことがある程度定まっている他メンバーと比べてまなつが出した答えも故に興味深いものでした。

まぁどちらが正しいとか間違ってるということも出来ない問題でもあると思います。プリキュアの歴代シリーズの主要キャラにしても最初から一貫してハッキリした将来のビジョンを見据えて努力を積み重ねる子もいれば、やりたいことやなりたいものを見定められず日々を過ごしている子も当然いて。そして現実に置き換えてみるなら中学生の時分ではまだ後者の方が圧倒的に大多数であると思います。

でも、同じ目標や将来の姿を具体的に思い浮かべられないにしても、ただ日々を漫然と過ごし何となくこれになれたらいいなと思っているだけの子と、興味を持ったことややりたいと思ったことに飛び込んで、実際に行動を起こして体験する子では大きな差があるとも思います。そして、まなつはこれでいくと後者の方であり具体的なアクションを起こせる子でもある。

ただ想像を張り巡らせ何もしないでいるのと行動し実体験をするのとでは得られるものも当然異なる。色々な物事に触れその中からやりたいことを見つければいいと言われることももあるが、その本懐もそこにあるのではないだろうか。やりたいことをこれと定めて一本槍で積み重ねる道があれば、今興味のあることを全力で邁進し積み重ねる道もある。

何もしないという意味での現実逃避や先延ばしとはそこが違っていてですね。多種多様な経験の積み重ねの先に見えてくる道もあり、まなつとまなつの父親が共有する「大事なのは今!」という考え方も、それらを踏まえてのものだと私は思っている次第です。怠惰や惰性とは異なる全力。そのスタンスで充実した現在を重ねていった日々の先には、何もしないでいるのとは全く異なる素敵な将来が待ち受けてるんじゃないかな。

進路や将来に対してまなつがどのように向き合うのか興味津々でしたが、まなつの特性を活かしながら本作らしいアプローチがなされていた気がします。将来という点において近い将来に訪れる別れの布石も打たれ始めていましたが、それに関しても前向きな気持ちで迎えられるような準備がなされていましたしね。最終回付近でこれらの描写の積み重ねがどう効いてくるか。

今があっての未来。まずは遠からず訪れるであろう時に楽しく明るい気持ちで迎えられるように。後悔することないよう今を全力で楽しみ充実した日々を、まなつ達トロピカる部の面々に過ごしてほしいと願わずにはいられない今回のお話でした。

子供のままでいることとおとなになることと言う点において、今回はエルダちゃん周りの描写も興味深い回でしたね~。これもどちらが良いと言い切れないところもあって難しい。子どもは時間的な制約やしがらみも少なく、そういう意味で自由と言えるかもしれないが、家出して自由を得たと思ったエルダちゃんに待っていたのは自由と思っていたものの意外な不自由さや寂しさでしたもんね。

何でも出来ると思っても実際には親の庇護下になければ出来ないことも多い。一方で大人は資金的な意味合いや年齢制限の掛かる娯楽や趣味などに興じる自由さこそあれ、前述した子供が持つ自由さで不自由を感じることも少なくなく。あちらを立てればこちらが立たずというか、隣の芝生は青いといいますか。どちらにも一長一短あるということで。

だからこそ気の持ちよう、心のあり方が肝要であるんじゃないかな。子供であろうと大人であろうと楽しいことに全力で!なことに変わりなく。それが出来るなら心は潤い日々は充実したものになっていく。今やりたいことを全力でという本作のテーマは、何も子供だけではなく大人に対しても言えること。そう思うと今回の話で描かれていたことって作品の根幹に携わる大切な部分だったかなと改めて思える。

興味のあることや好きなことに全力で。それを大切な人と一緒に共有出来たらもっと楽しく充実する。かったりぃと言いつつエルダちゃんをお迎えに来たチョンギーレさんや、なけなしのタンス貯金を渡してエルダちゃんを迎えてくれたヌメリーさんの保護者というか父親母親っぷりも光っていました。子供がやりたいことに全力で邁進するならば、それを温かく見守ってくれるのが家族である。

ということであとまわしの魔女勢の家族っぷりも良い意味で話を彩り、またテーマを訴求する一翼を担ってくれていたのではないかと思います。バトラーさんはわからないけど本当にこの幹部の三人には幸せになってもらいたいですわ。

かつて「人魚はプリキュアになれないの」と言いつつキュアラメールとして変身した事例があるので、くるるんはムキムキにはならないというローラの話も終盤に向けての戦力増強フラグとして…見ておくことにしよう。くるるんということなので、別の誰かがムキムキになってもいいし、本当にくるるんがムキムキになって敵をバッタバッタと薙ぎ倒してもいいのです。

あとまわしの魔女様のビジュアル的にくるるんと戦う方が意外としっくりくる可能性も。ドキプリのキングジコチューと巨大ランスのプロレス戦並みにシュールな光景になるかもしれないが、それはそれで見てみたい気もする。ローラの語った伝説の女王の件も終盤戦のパワーアップに関わってくるかもしれないし、基本的にネタ要素かもしれないけど意外な形での回収を個人的に期待しよう。