スケボーに乗り制服を着て動き回る人魚なんて現実にいるはずががが！
今までの騒動も絡み学校を騒がせる人魚の件で風紀委員長に目を付けられてしまったトロピカル部と風紀委員会との間で巻き起こったローラの所在を巡る必死の攻防回。当のローラ自身も大胆不敵でやりたい放題な奔放さがあったのだけど、その奔放さが生真面目で現実的な思考を持つ風紀委員長の角田正美を翻弄し、次第に風紀委員長としてだけでなく一個人としての彼女の人間味の部分を引き出していたのが面白い。
役職や立場的には相性最悪の二人なんだけど、ある意味においては相性抜群とも言えて、規律を重んじる委員長と自分のやりたいことを躊躇なく敢行するローラの応酬や駆け引きを今後も見たいなと思わせてくれる魅力はあったと思います。人魚などいるはずがないと思いつつ、自らが目撃者になったことで、周囲から浮いて可哀想な子扱いされかねない委員長の今後に一抹の不安はあるが。
現実的に考えて存在しないものとの遭遇。自分は見たと主張しつつなかなか周囲の理解を得られない立ち位置。この要素はまほプリに出てきた勝木かなを思わせるところもあり、彼女が今後プリキュアの巻き起こす諸々の騒動にどの程度関わり影響を受けていくことになるのか。同じ風紀委員の眼鏡の女子との関係性や変遷も含めて見守っていけたらいいな。
規律を重んじ校則から逸脱することは許さない生真面目さ。それは角田正美の美点にして長所でもあると思うけど、それゆえに彼女も、更に言うなら生徒会長を務める白鳥百合子にしても、学校生活の秩序を保つという命題があるだけに、今一番やりたいことをやるという本作のテーマやトロピカル部の面々とは対極に位置づけられる性質を有するキャラでもあります。
まなつ達の視点からすれば厄介でもあるその二人との対立は、本作のテーマに対するアプローチとして非常に重要な取っ掛かりになるとも思うのです。あすかと会長の因縁、ローラと正美の因縁。更にみのりん先輩加入回における過去描写もそうですが、それらと向き合う中で各々にとっての今一番やりたこと、大切にすべきことを見出していく構図も出来つつあるのかなと感じた回でもありました。
ともあれ今回はローラの活動範囲も広がったし、物怖じすることなく周囲を翻弄して、自分のやるべきことに邁進していた彼女の存在感が光っていたのは間違いない。これからも視聴者の予想の斜め上を行く思い切りの良さを発揮しながら、物語を面白おかしく彩る役回りを担ってくれたら言うことはないのです。今回はローラ周りの作画が特に凝ってて可愛らしい顔や変顔も印象的なのが多く見応えあったなぁ。
あすか先輩と生徒会長の匂わせが気になりすぎる～。いや、本当二人の間に何があったのか俄然気になって仕方がなくなるよ。上でも少し触れたけど会長の立場や性格的な気質は今回の風紀委員長に通じるものがあるし、本当にやりたいことをやれない状況や立場故のすれ違いがあったとしたらと考えるとやるせないものもある。
トロピカル部の設立時と同様に、一方的な物言いや過度の抑圧を嫌う傾向にあるあすか先輩の気質が改めて示された形だが、ともあれ更に拗らせ百合カップル感が強まった二人の過去が明かされる日が今から楽しみだ。
みのりん先輩のウィットに富んだジョークも冴え渡る！人魚だけに噂に尾ひれが付いている。流石は我らがみのりん先輩。真顔で見つめる他の三人の反応は置いておくとして、思ってもなかなか言えないことを絶妙なタイミングで言ってくれる！校則にも詳しくバトル面でも頭脳担当で場を和ますことまでお手の物。あすか先輩とは別の意味で頼りになるみのりん先輩の今後の活躍にもますます期待してしまう。
