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キラッとプリ☆チャン 第151話 「イルミナージュクイーン!マスコットの奇跡ッチュ!」 感想

キラッとプリ☆チャン 第151話 「イルミナージュクイーン!マスコットの奇跡ッチュ!」 感想

ご主人とマスコットが手を取り合うことで開ける新たな未来!

ルルナが掲げるマスコットが全てを管理する世界では確かに失敗はないのかもしれない。しかし、成功が確約されたものは既に成功とは呼べないし、与えられたものをただ消化するだけでは、そこには喜びも成長も進化も面白味もないのである。試行錯誤を重ね時に失敗しながら乗り越えていくから達成感や喜びは生じ、感情が触発されるからこそ繋がりは特別な意味を持つ。

前回の感想で概ね言いたいことは言ってしまった感じもあるのですが、プリチャンアイドルとして活動する中で感じた喜びや悲しみ、多くの経験の中で得てきた内面的成長、それらを通じて生まれた友達や仲間との掛け替えのない繋がり。それらが自分の人生を華やかに彩りキラキラ輝く日々をもたらしてくれたことを確信しているからこそ、みらい達はルルナルールを受け入れることはできない。

やってみなくちゃわからない!わからなかったらやってみよう!たとえ失敗のリスクを伴い、実際に失敗することはあっても、その中で自分の人生や可能性を大きく広げてくれたプリチャンが素晴らしいものであることを実体験を通じて知ればこその譲れない思い。その積み重ねがあればこその今であり、なかったことにするのもリセットする必要もないことを、他でもないみらい達のプリチャンが証明してくれている。

リセットしてしまえばいいというルルナの考えを、キラッツとキラッチュのライブで以て間違っているとする流れもそういうことだよね。失敗続きだったキラッチュが加わり、大好きなご主人さまと一緒に行う初めてのライブで、ルルナルールの下では絶対に起こり得ない輝きを、未知なる道に挑戦することで開ける新たな可能性の扉を開いてみせたのだから。

クイーンズグランプリからのルルナとキラッツの応酬の流れは、まさにみらい達が今まで自分たちの行ってきたプリチャンを通して得たものを噛み締め、まだ見ぬ未来への可能性を示すための舞台でもあり、プリチャンアイドルを見守り導くマスコットと手を携え、共に並び歩む姿を見せることでこれまでのプリチャン各シーズンで描かれたテーマに対する解を示しているのが素晴らしいなと。

新人プリチャンアイドルとしての歩み出しとトッププリチャンアイドルとしての牽引。リアルとバーチャルの融合。そして、庇護対象にして見守られる立場だったところから自分たちなりの考えを提示しての独り立ち。まさにプリチャンの集大成を飾るに相応しい内容で、ルルナの暴走描写が際立っているが故に薄れた感もあるかもだが、この三年の物語を締めくくるのに足るものであったと思います。

主人公・桃山みらいが「未来」の名を冠していた意味も、ここに来てようやく実を結んだと言えるのではないだろうか。まさにこの時の為だったと言っても過言ではないのだろうと。失敗をリセットしないからこそある今の尊さを示したからこそ、盛大に失敗してしまったことを痛感するルルナの処遇も、希望溢れる未来へと繋げることが出来るのだと思える。イブとの和解シーンは故に尊く眩しい。

ということでプリチャンで描いてきたことに対する一定の答えというか。テーマに対する回答は今回の中で示された形だと私個人は思っているのだが、最後に出てきた宇宙規模の危機に関してどのように決着を付けるのか。唐突感は否めないかもだけど以前ソルルやめるめるの両親が受信した謎の電波として含みは持たせていたのでね。展開が読めないからこそ物語の終着点をどのようなものにするのかは純粋に楽しみである。

繰り返しになりますがプリチャンの主人公として桃山みらいが、ミラクルキラッツが出すべき一つの回答は今回を以て示されたと思っているので、その先をどうしていくのかということが最後の危機に関する騒動の顛末で描かれるのかな。何はともあれ誰一人欠けることなく、最後は皆で一緒に楽しく笑っていられる結末を見せてくれたら何も言うことはないのだ!残り本当に僅かとなったプリチャン。最後まで全力で駆け抜けて欲しい!

いや~、ここでプリチャンアイドルをマスコットが導くイルミナージュライブの特殊演出とは別に、キラッツとキラッチュが初めて一緒にやるライブを持ってくる意義よ!特殊な事情を抱える虹ノ咲さんとだいあちゃんという特例中の特例はあったけど、プリチャンアイドルとマスコットが共に手を取り合うことで生まれる輝きや新たな可能性を示すに当たって、こういう形で描写するってのは流石としか言いようがない。

主要三チームのアイドルマスコットの中でも、とりわけ失敗やうっかりも多かったキラッチュが、イルミナージュクイーンとなったキラッツの面々と並び立ってライブをする。これだけでもう感無量なところあるもの。リアルとバーチャルが融合することで生まれた輝き。その先駆けとして新たな可能性を体現していたライブだったんじゃないかな。

紆余曲折を経てようやく浄化されたルルナの笑顔が眩しすぎる。マスコットの偉い人としての立場やしがらみからも解放され、醜いところも暗い感情も全てを曝け出した上での再出発。愛しのイブちゃんからの実質プロポーズみたいな台詞もありましたし、今度こそ二人で一緒に幸せな未来へ向かって歩んでいって欲しいよ。家族ってやっぱり良いものだ。あったけぇよ…。