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ワッチャプリマジ! 第50話 「キミがあたしにかけた魔法」 感想

ワッチャプリマジ! 第50話 「キミがあたしにかけた魔法」 感想

互いを思う気持ちがマジを生み出し二人を強く結びつける。

力を使い果たし人間界に留まれなくなったみゃむとまつりに訪れる別離。避けようのないその瞬間が来ることを二人が確信し、受け容れているからこそ今この時を楽しむべく振る舞う二人の姿が尊いし、何気ない日常の延長線上にある数々の体験が、当たり前に出来る物事をかけがえのない奇跡の瞬間へと昇華してくれている。特別なことではない当たり前が眩しく光り輝いて見えるのです。

みゃむがマジを失う程の大魔法を行使したのも、大好きで大切なまつりの力になりたい一心からのものであり、ワッチャとマジの根源には大切な誰かを思う気持ちであることは終盤にかけて描かれた物語でも示されていたと思います。それはまつりとみゃむに限った話ではなく、人間界と魔法界、チュッピとマナマナ、科学と魔法、ジェニファーとリューメ、阿智彦とフェスリダといった対比構造からも見て取れる。

一度は対立して離別した阿智彦とフェスリダ、阿智彦と道人が今回の話の中で和解して新たな関係を構築し始めているのも、相手を思い受け入れることの肝要さを示してくれているし、科学の在り方と自分のスタンスを見出したあうるにしても、それは当てはまるのだと思います。大切な人たちの幸せを願う気持ち。それこそがワッチャの原動力であり、そこにチュッピとマナマナの貴賤はないのです。


そして、それを最も体現して見せてくれたのがみゃむの変化と今の彼女が持つ願いではなかろうかと。冒頭にも出たように最初期のみゃむの夢は大魔法使いになること。それは、他の誰でもない自分自身の為の願いであり、加えて自分を大きく見せるためのステータスを得るようなニュアンスを多分に含んでいました。チュッピをナチュラルに見下す言動も相まって、初期のみゃむは魔法界やマナマナの傲岸不遜さを象徴するキャラでもあったのだろう。

でも、まつりと出会い彼女と共にプリマジをしていく中で得た変化。大切なパートナーになったまつりを思う気持ちが奇跡的な大魔法の連続行使を可能とし、みゃむの中に新たなマジを生み出す力にもなってくれている。まつりの決め台詞をみゃむが自らの信条として口にするのも素敵だし、今のみゃむの夢がいつかまたまつりと一緒にプリマジをすることになっているのも、それだけみゃむの中でまつりの存在が大きいことの表れだし、大切な人と思いを共有することの意義深さを訴えかけてくれている。

まつりとみゃむの関係性がプリマジの世界。人間界と魔法界、チュッピとマナマナの関係性や意識の変化。その変遷の縮図になる見せ方で収束していく構図も美しかったし、みゃむに手を引かれ魔法をかけられる形でプリマジを始めたまつりが、本人も意図せずみゃむに魔法をかけて大切な人の為に頑張る尊さを伝えていたのも良い。サブタイがまつりではなく、みゃむの方に掛かっていたというのが今回最大の妙でありました。

チュッピとマナマナ。科学と魔法。異なる者同士が手を取り合い組み合わさることで生まれる奇跡。その根底には大切な人を思う気持ちがあり、人の願いこそが何よりも強い魔法の原動力となることを。それこそが道を切り開く力となることを、プリマジの物語は一年かけて描ききってくれていた。あなたにとってのプリマジとは?という問いかけに、最後の最後でみゃむのアンサーが示されるという形も見事でした。

出会いもあれば別れもある。ただジェニファーとリューメ、阿智彦と道人がそうであったように。一度は別れても強い思いを持ち続けた人の願い。それこそが奇跡を起こすことは各人が既に体現してくれている。まつりとみゃむもいつか再会を果たし二人で共有した夢を成就させる日が訪れることを願ってやまない。プリマジの物語もいよいよクライマックス。最後にどういう形で締められるのか。しっかりと見届けていきたい。

マナマナ達のライブはいつかあるかな~とか、あるとしても二年目かな~と漠然と思っていたのですが、プリマジが一年で終了ということが確定してしまったので半ば諦めていたのです。そしたらここぞと言わんばかりのところでみゃむのライブを実現してくれるのだから堪りません。話の流れやロケーションの良さも相まって効果は絶大だしこれは反則ですよ~。

二人にとっての大切な楽曲。マジ・ワッチャパレードの歌と歌詞に込められた思いの共有。二人にとってのプリマジがここに凝縮されていたと言っても過言ではないだろう。

同じ屋根の下で暮らした大切な人との別離。相手に思いを馳せつつ未来を見据える流れはプリティーリズム・レインボーライブの終盤における彩瀬なるとりんねのそれを思い起こされる。というか今回の脚本担当が坪田文さんであるところからして、ある程度それは意識されていたかもしれないが。プリズム7つの誓いを彷彿とさせるまつりとみゃむのやり取りも、それを踏まえてみるとより味わい深いものがありました。

まつりとみゃむもさることながら、なるとりんねちゃんの二人もどこかで再会出来たら良いなと今でもずっと思っているので。プリティーシリーズの放送が一旦終了になるというお知らせもあっただけに、寂しさとか諸々の感情が込み上げてきて複雑な思い。コンテンツの動向という意味でも来週どうなるのか気になるなぁ。