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デリシャスパーティ♡プリキュア 第26話 「ここねのやくそく!ピーマン大王への挑戦」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第26話 「ここねのやくそく!ピーマン大王への挑戦」 感想

美味しいものが増えると楽しく幸せな気持ちもマシマシだ!

ここねとコメコメのピーマン克服奮闘エピソード。食や料理がテーマの本作なので、食育に関するところはある意味で避けては通れない題材でしたが、苦手なものと向き合う中に楽しさや前向きな気持ちを見出していこうとする前向きな姿勢を貫いているので見ていて面白いし心地よさを感じさせてくれる。知性担当のイメージも強い青キュアのここねと、最年少コメコメという組み合わせもギャップと新鮮さが相まって味わい深さを増してくれている。

苦手なピーマンと向き合う過程においても、あくまでここねとコメコメが自発的に行動するよう促されており、周りの皆も嫌いな食べ物を強制したり無理やり食べさせようとするのではなく、ピーマンの良いところや美味しいところをアピールして二人の自主性に委ねる形になっていたのが如何にも現代的であり、個人的に良かったなと思えるところです。

嫌いなものを無理矢理に押し付けられてもやはり拒否反応が先に来てしまうし、初見のイメージから抵抗感が根付いたものに対して感情的な面から拒絶感を誘発しても克服は難しいですもんね。また、感覚的に自分は嫌いと思っているピーマンを好きだと思っている人の反応や、それを作って幸せに満ちた表情を見せる農家の人たちの反応を知ることで、食べ物一つから世界の広がりを感じられる見せ方になっていたのも上手い。

農家の人に感謝をという気持ちの大切さもさることながら、そこに込められた思いから同じ物に対して自分とは異なる捉え方や考え方を持つ人がいるという気付き。これも肉体的なところだけでなく心の発育。内面的な成長に通ずる部分で、食が人の心身を育む上で不可欠なものなんだということを伝えてくれているのではないかと思えるわけです。

ここねが苦手なピーマンを克服しようと決意する動機づけにしても、皆と楽しめることを増やしたいという思い。それこそがここねの原点でもあり皆と過ごす時間の楽しさを知ったから芽生えた気持ちであり、他でもない食を通じて紡いだ繋がりが生んだ空間と、食が育んだここねの内面的な成熟を指し示す部分でもある。それがあるから今のここねがいるのです。

食がもたらす喜び。食がもたらしてくれる自らの心身の成長。美味しいものが増えると楽しくて幸せな気持ちになれることを身に沁みて分かっているここねだからこそ、ピーマンが苦手なままで一つの可能性を閉ざそうとしているコメコメを何とかしてあげたいと思えるのだろうし、自らも可能性を一つ増やしたいとトラウマと向き合えるのだと思います。

子供であるコメコメも頑張るのだから自分も頑張る。子供側だけに強いるのではなく同じ目線に立って一緒にどう向き合っていけばいいのかを考える。その大切さも内包していた今回のピーマンを克服する食育エピソードだったのではないだろうか。コメディ描写もマシマシでコミカルかつ軽快に描きながらも、題材に対し本当に芯の通った調理と味付けがなされていた回でした。

心の中でピーマン大王と戦い苦悩するここねとコメコメの二人が健気で可愛すぎる。たかがピーマン、されどピーマン。苦手なものと向き合う当事者としては決して大げさではなく悲壮な決意に基づく一大決戦のような心持ちの表れということで。二人三脚で臨んだ苦手克服の道のり。最後は食べられるようになって何より!

幼子の反応は似たり寄ったりなり。ピーマンを警戒するようになったロリここねちゃんとコメコメの愛くるしさと言ったらもう。第一印象で苦手意識を抱いてしまうと克服するのはやはり大変。ゆいたち周りの尽力もあったけど本当に良く頑張っていたと称えてあげたい。