密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

ワッチャプリマジ! 第21話 「アイ・アム・ジェニファー!」 感想

ワッチャプリマジ! 第21話 「アイ・アム・ジェニファー!」 感想

トッププリマジスタ・ジェニファーが抱える複雑な胸中。

誰もがトッププリマジスタとその実力を認め、プリマジそのものとも称されるジェニファーが、再び表舞台に姿を現すことで否応なしに周囲を取り巻く環境も動き出し、物語が一気に加速するのと同時に広がりと深みを増したように感じられる回でもありました。これまでまつりやひなとの接触を介して断片的に見えていたジェニファーの人物像や心情もより仔細に描かれ、彼女の人間性や立ち位置もより明確になったかなと。

まつりとの接触でも感じられた親しみやすい人物像はそのままに、誰もが憧れ目標とするトップの風格を備えていることも改めて伝わってきました。一方で表面上では見えなかった彼女の抱える悩みやプリマジに対する思い、今置かれている立場や境遇といったものも合宿での交流を通して見えてきました。そこにいたのは決して完璧なだけではない一人の少女としてのジェニファーの姿で。

まつり達と同じく一プリマジスタとして時に悩み苦しみ、誰かと楽しいことを共有した際には笑顔を見せる。そんなどこにでもいる一個人としての彼女であり、まつり達と同じであるからこそ今の彼女たちを自分と重ねて見ることで感じることがあり、逆にそんなジェニファーを見てまつり達も今までとは異なる視点で彼女を見ることが出来るのだと思います。

無我夢中でパートナーと共に頂点を目指した時にはあったはずの情熱。新たな目標を見出だせず隣にいたパートナーを失ったが故に身動きが取れなくなり、心の迷子のような状態に陥っていたジェニファー。一度頂点に立った者だからこそ生じた苦悩。だからこそ今かつてのように頂きを目指してパートナーと共に奮闘するまつりとみゃむを見る眼差しの中に寂しさと羨望と原点を見出だせるのだろう。

グランドフェスへの出場は渋る一方でプリマジと完全に縁を切ることも出来ない。そこにはプリマジが大好きという本質的な気持ちと、今はいないパートナーのリューメに対する思いがあるからではないかと思います。好きな気持ちに嘘をつくことはもっと怖いというまつりの言葉に心動かされたのも、ジェニファーの中にプリマジへの情熱が今もなお残っていればこその反応だ。

パートナーであるマナマナと共に頂きを目指すプリマジスタ達との触れ合いを通じて、ジェニファーがかつての気持ちを今一度思い起こし、その過程でジェニファーの人物像を掘り下げていく巧みな話運びだったかと思います。あなたにとってのプリマジとは何か?というまつりへの問いかけが、今度は彼女の言葉により自分に返されている構図も良いですよね。互いに刺激を与え合い高め合う。

競う部分以外のところでも影響を与え合う。その輪の中にジェニファーも含まれることを改めて示してくれた形だったんじゃないかな。プリマジそのものとされる彼女が動いたことでプリマジを巡る御芽河コーポと魔法界の間にある確執や思惑。作中におけるプリマジ界隈の不穏な空気や世界の広がりを感じられる回でもあり、合宿後の展開に向けての布石もバッチリ仕込んできたなという印象です。

物語も起承転結で言うなら転に差し掛かる時期。ここから先は今まで以上に激動の展開もありそうですし楽しみは増すばかりです。その分怖くもあるけど。そんな中でまつり達プリマジスタが自分にとってのプリマジをどこまで貫き表現することが出来るか。それがチュッピとマナマナを繋ぐ架け橋となることを願ってやまないのです。

登場シーンからして王者の風格を漂わせるジェニファーの初ライブ。ステージを縦横無尽に駆けたり派手なアクションやパフォーマンスをするばかりがプリマジに非ず、と言わんばかりに限られた空間だけで他を圧倒する雰囲気を醸し出すところは流石のトッププリマジスタと言ったところでしょうか。その圧倒的な歌唱力だけで場を掌握し見る者全てを惹き付ける力のようなものすら感じられた気がします。

プリマジはチュッピとマナマナが力を合わせなければ成立しないという前提があり、少し前のひなとチムムのステージでも改めてそれが示唆されていたので、パートナー不在のジェニファーのステージがどうなるのかは気になっていたのですが、御芽河あうるが構築したシステムという形で乗り越えるとは…。

いや、そらプリティーシリーズの生き証人とも言うべきめが姉ぇさんまでバックアップに入ってたら何でもありというか。何が出来てもおかしくないというね。めが姉ぇが介入し手助けしてるだけで一種の説得力みたいなものが出ちゃうので。今回はこういう形で収まったけど、あのひなをして凄いと言わせた本当のジェニファーのライブ。リューメと共に作り上げたプリマジを見られる日が今から楽しみでならないのです。

せっかくのセンターの話題もすっかりジェニファーに持っていかれてしまった我らがみるきちゃん。でも、八百屋の娘らしく「食材に謝れお!」という彼女らしさが出ていた台詞は、ジェニファーメインの今回の中でも印象深い台詞として私の中で刻まれました。うむ、たとえ地味でもこうやって存在感を発揮していくことって大事よね。