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ワッチャプリマジ! 第34話 「私だけのビビッドスター」 感想

ワッチャプリマジ! 第34話 「私だけのビビッドスター」 感想

あの日の自分を超えていく為に!

弥生ひながプリマジを行う原動力。自らの内から湧き上がる衝動。プリマジを通して彼女が見出すべき面白さや楽しさは一体何なのか。あなたにとってのプリマジとは?という問いかけに対するひなの原点回帰を含む内容でもあったと思いますが、頂きに立つジェニファーに依らない弥生ひな自身の生き様を踏襲した復活劇の見せ方が素晴らしかったかなと。

幼少期から向けられていた周囲の期待。空をも超えて星を掴む程に高く跳びたいという衝動。それは、出来ないことが出来るようになるのが楽しいという弥生ひなの根源的な欲求に起因した彼女ならではのスタンスなのである。他の何者にも左右されず自分の内側から湧き上がる情動こそが、彼女を突き動かす原動力となるものでありプリマジスタとしてステージに立つ理由となるべきものなのです。

頂きに立つジェニファーに依らない弥生ひな独自の内なる衝動。出来ないことを出来るようになる喜びと達成感から来る楽しさや面白さ。それこそが日々鍛錬を欠かさず自分を磨き上げプリマジに挑むひなならではの強みにして気質に繋がるのです。それをジェニファーとひなの両方に憧れの感情を抱くまつりが肯定してくれることで、ひなに対して強いメッセージとして伝わる関係性になってるのも良かった。

まつりにプリマジへの興味を抱かせ好きだと思わせてくれたのはジェニファーだが、まつりに本気のマジになることで見える景色があること。楽しいことの裏に苦しいことや辛いことがあり、それを乗り越えた先に出来なかったことが出来るようになる喜び。かつての自分を超えて見える世界と可能性の幅を広がることの代え難い充実感があることを教えてくれたのはひなだった。

ジェニファーに出来ないことでも自分には出来ることがある。自分の生き様やプリマジに向き合う真摯な姿勢が、他者に対する強いメッセージとなることがある。自分の原動力や今までやってきたこと。それが決して無駄ではなく自分にしか出来ないことなのだと。それをまつりの存在によってひなが確信でき実感を持てるところに今までの流れが集約され活かされていたのが物凄く良かった。

星を掴みたい思い。しかし、頂きに輝く星だけが全てではないのです。気が付けば見上げるばかりになっていたひなが、まつりやあまねの存在を介して周囲を見渡したとき、求めていた星々の輝きは既に自分の周りにあったことに気づけたのも、これまでの話があればこそだなと思えます。未知を既知とし知らないことを知る。出来ないことを出来るようになる。

ひなの話にあうるとめが姉ぇの科学者としての使命の話を絡めていた見せ方も巧みだし、イカロスの神話になぞらえてジェニファーとひなの求めるものやスタンスの違いを対照的に描いていたのも印象的でした。高みを目指す方法は一つに非ず。頂きに立つ者を超えようとするのではなく、あの日の自分を超えて自分の力で積み重ねていく。

それこそがプリマジスタ・弥生ひなの生き様であり、彼女がプリマジをする何よりも強い理由なのだと思えたエピソードでした。まつりやあまねの立ち位置や絡ませ方も良かったし、ひなのスタンスを誰よりも理解するあまねが彼女と共に歩むとき、未知が既知となるとき二人の可能性はどこまで広がり今までの自分を超えていくことになるのか。次回ひなとあまねのデュオデビューが本当に楽しみ!

今回はあまひなの二人だったり、ひなとまつり、あまねとまつり等々。そこかしこでイチャイチャするシーンも多くてその点でも見応えある内容でしたが、中でもやっぱりれもんとみるきのやり取りは格別のものがありましたなぁ。いつの間にかみるき殿からみるきさんへと呼称が変わっているれもんの対応の変化だったり、みるきに対する理解度の深まりが感じられてニマニマしてしまう。

最初の頃は互いに相性が悪いと感じていた節もある間柄でしたが、当初の期待通り互いに忌憚のないやり取りが出来るようになってきてて喜ばしい限りなのです。みるきを一人にしないよう残ったれもんだったり、れもんの思わぬ口撃に翻弄されるみるきだったり。気の置けない関係になりつつある二人のメイン回も本当に楽しみで待ちきれないね!