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ワッチャプリマジ! 第24話 「行くぞエキシビション!5人のマジ」 感想

プリマジに対する様々なスタンスや思惑が交錯するエキシビション本戦!

表舞台で自分の素直な思いに従い華やかに舞い輝くプリマジスタ達と、裏舞台で様々な思惑が絡み合い不穏な空気を漂わせる運営側の乖離が際立つエキシビション本戦。純粋にプリマジは楽しいもので盛り上げようと意気込むまつり達と、主に自分の主義主張が絶対と盲信する御芽河阿智彦の過激な思想に基づく各々のプリマジに対するスタンスや求める物。立場の違いから生じる対照性が印象的な回でした。

合宿の中で他のプリマジスタとの交流を通じ、自分の視野が広がった者もいれば、ライバルとの交流で改めて自分の良いところや持ち味に気づけた者もいたし、自分とは異なる価値観やプリマジに対する考え方に触れた上で、自分がプリマジに求める物やスタンスはこういうことなんだと以前よりも広い視野で初心に立ち返った弥生ひなのような者もいた。

互いに競い合い高め合うライバルたちとの関係性の中で、自分にとってのプリマジとは何かということに改めて向き合うことが、合宿でそれぞれが得た成果の一つでもあり、エキシビションはそれを確信に至らせる格好の舞台でもあったと思います。大事なのはプリマジスタ側で描かれた競争やライバルといった要素の中に、相手の考えに触れ向き合う姿勢があることで、そこが御芽河阿智彦との決定的な違いでもあるだろう。

プリマジに対する自分の価値観こそが絶対と信じる御芽河阿智彦の思想。それも競争やライバルの存在に基づいたものではある。しかし、彼は他人の考えやプリマジに対する姿勢を基本的に受け入れたり聞き入れる余地はなく、先鋭的で過激なエンターテイメントとしてのプリマジこそが至上のものと信じて疑わない。ジェニファーという成功例により一種の完成を見たそれは、翻せばこれ以上の成長の余地もなく可能性が閉ざされた世界ということもできるのではなかろうか。

一クール目が各プリマジスタがプリマジに対して求める物や各自のスタンスを描いていたなら、二クール目の合宿編ではそれらがぶつかり合い多様なプリマジへの向き合い方があることを感じながら自分にとってのプリマジとは何かをより強く自覚し確立する期間で。それを踏まえこの先の三クール目はプリマジスタ側と運営側の御芽河との対立。

コンセプトのせめぎ合いという構図になっていく気もします。その御芽河の思想を良くも悪くも体現する存在が御芽河あうるなのかなと。そんな彼女の本格参戦によってプリマジ界に何がもたらされるのか。まつり達にどのような影響を与えていくのか見ものである。まつり達と直接関わるようになって、あうる側も変わっていくだろうし、その中で父親との間に確執が生じていくのかも気になるところです。

およそ一クールを使い描かれた長い合宿編を終えて迎える新展開。年度も変わり更に加速していくプリマジに期待したい!

それにしても御芽河阿智彦の過激思想というか徹底的な競争至上主義。ライバルを蹴落として頂点を取る者は才ある一人のみ。選びぬかれたスタァに固執する様は、往年のプリティーリズムの世界観というかプリリズ脳に支配されたアレ系の人感が凄い。何かと物に当たり散らす姿も散見される彼にすっかり怯えきっている息子の祈瑠くんも外弁慶な人というか。まつり達に対してはあれだけ高圧的で偉そうに接していたのに父親相手にはこれなのでね。

あうるもいわゆる普通の感性の持ち主とは一線を画する存在っぽいことは既に伝わってきてるし、父親の性格や巨大なオメガコーポレーションの社長一族ということもあって、その家庭環境も相当に歪で捻れているのではないかということも察せられる。

その点も往年のプリリズ三部作を彷彿とさせるところであり、この先の物語展開が直近のプリパラやプリ☆チャンではなくプリリズに近いものになってくんじゃないかと予感させるところ。サトジュン監督が手がけたカレイドスターも後半の新たなる翼編は激重展開が続いたしね…。それは置いておくとしてもコメディやポップよりもシリアスに寄る可能性は十分にあるのかなと。

御芽河阿智彦もどっちかというと阿世知欽太郎や法月仁に通じるところがある気がするので今後も色々な意味で活躍することを期待したい一人。偉大なるラスボスの先達に名を連ねる可能性は…あるかもしれない。