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ワッチャプリマジ! 第27話 「繋がっていく運命」 感想

ワッチャプリマジ! 第27話 「繋がっていく運命」 感想

初心に立ち返りまつりとみゃむが見据える自分たちのプリマジの在り方。

プリマジにマナマナは不要になるのではないかという漠然とした不安。マナマナとチュッピ、魔法界と人間界の間に漂い始める不穏な気配。プリマジを巡る情勢に暗雲が立ち込め否応なく負の情感が色濃くなる中で、その流れに呑まれることなく逆行するかのように運命の出会いを再確認して共有し、自分たちのプリマジとはこうあるべきと見定めて結束を強めるまつりとみゃむ。そんな主人公コンビの強さがキラリと光る。

マナマナ側もチュッピ側も強硬姿勢を隠さなくなり、互いに今まで内に溜めていた不満や過激な思想を表立って口に出すようになるなど、両者の間に厳然とした確執や不信感が存在し、これまで築き上げてきたものが仮初のものと言わんばかりに音を立てて崩壊するような先行きへの不安を感じずにはいられない流れ。物語の中に漂い始めた重苦しい雰囲気。

その中にあってまつりとみゃむの初心である本当の出会いに回帰することで、二人が結んだ絆とマナマナとチュッピの繋がりがもたらす可能性も一際輝いて映るし、これまで断片的に仄めかされていた諸要素が、ここに来て一気に繋がってくるなど、先行き不透明で不穏な気配はありながらも希望の灯をしっかり示しながら巧みに魅せる構成になっていたのではないかと思います。

人間界にいるときに人間の形態で在り続けるみゃむの特異性に関しても、ここで改めて重要な要素として回収していましたし、のらりくらりと思わせぶりな態度を取り続けていたひゅーいとまつりの父親との繋がりが示唆されたことで、ジェニファーも含め一様に敵愾心や不信を持つ者ばかりではなく、マナマナ側とチュッピ側の双方に板挟みになっている者がいることも改めて強調されていた。

近年のプリティーシリーズ作品。プリパラやプリチャンが楽しさを全面に出す傾向にあったのに対し、どちらかというとプリマジはプリリズ時代に近い性質で明るく楽しいだけの作風ではないことを改めて感じた回でもありました。プリマジが始まる前にも思ったカレイドスターとプリリズとハグプリのハイブリッド感というか。所々で感じる生々しい部分というか。

今回は特にそれらが顕著に感じられる回でした。王道の女児アニ路線を踏襲しつつも陰鬱とした空気を混ぜ込んでエグみも加味してくるところとかがね。サトジュン総監督とシリーズ構成・脚本担当の坪田文の特徴と強みが凄く出ていた回だったと思います。ここから先の一クールはかなり激動の展開になると思うけど、溝が深まる両陣営の間でまつり達がどのように未来への道を切り開いていくのか楽しみです。

作中のプリマジ界隈に流れる不穏な空気や変化の時を迎えつつあるプリマジの未来に対し、漠然とした不安を感じていたのはまつりやみゃむにしても同じことで。その不安を感じながら素直な気持ちや弱い部分を互いに曝け出す二人の姿はいじらしくも印象的でしたし、いつも以上にイチャついている姿が見受けられたのも、互いに寄り添い安心感を得たい気持ちの表れだったのだろう。

とは言え距離感も近いし密着具合もいつも以上に多かったことは揺るぎなく。一視聴者的には二人の微笑ましいやり取りに救われたところもありました。同衾朝チュン運命の出会い。朝の女児アニメで出来るギリギリのラインでぼかしながらも仄めかし攻めていた回でもあったように感じました。これが深夜アニメならもう間違いなく一線を越えてたと思うよ。