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ワッチャプリマジ! 第15話 「もうやめだ!合宿なんてやってられない!」 感想

ワッチャプリマジ! 第15話 「もうやめだ!合宿なんてやってられない!」 感想

波乱含みのプリマジ合宿編スタート!

共同生活にトラブルは付き物。ということでプリマジスタ同士の普段の交流から一歩踏み込み、寝食を共にすることで、プリマジスタとしてではなく一個人として振る舞う主要キャラたちの姿を合宿を通して描く過程で、初めて見えるまつり達の新たな一面や、自分とは違う価値観や考え方がぶつかり合う中で生じる刺激を受けてもたらされる変化。その兆しが表れていた回だったかなと思います。

予想していた以上に自由奔放で勝手気ままなひなとあまねに振り回されるみるき達がいて、彼女特有の打算や腹黒さに満ちた言動が却って正論となり良い意味での個性の発揮に繋がっていたのは面白かったし、誰よりも奥手で主張しないれもんが、バラバラになりかける五人を繋ぎ止めようと、尊敬するトップ二人を前に物怖じせず勇気を振り絞って嗜め自分のライブでメッセージを発信しようと自主的かつ積極的に動いていたのは彼女の成長の証と言える。

学年も学校もバラバラでプリマジスタとしては競い合うべきライバル。まして多感な年頃の少女たちが生活を共にすれば諍いの一つも起こらないはずがないのだが、そのおかげで意外性を発揮するキャラも出て結果的に掘り下げに繋がってもいました。特にみるきの面倒見の良さとか几帳面なところを始めとして、思わぬママみにやられてしまった人も多いのではなかろうかと。自分もやられましたわ。

反面、ひな先輩とあまねさんの二人に関しては、素の部分を引き出し彼女らの身勝手さというかマイペースさを表現するにしても、もうちょっとやりようがあったんじゃないかと思えてしまう回でもありました。他人への興味が薄いという面は今までもあったけどそれでもね。転じて外面を気にするのをやめ心の声を声高に叫ぶみるきのキャラと言動が光り株が上がりまくっていたのですが。

三枚おろしもお手の物で野菜のことにも精通しているみるきの実家事情にある程度の察しが付けられる一方で、兄や家の者が身の回りの全てをやってくれるひなとあまねの家庭事情も垣間見えたので、対極とも言える環境で生まれ育った者たちが交わるとき、そこにどのような化学変化が生じるのかは見ものなのである。

自分にとっての当たり前は必ずしも相手にとっての当たり前ではない。その当然とも言えることを身をもって体感し思い知ったとき、自分にはないものを持つ人の価値観、自分とは異なる考え方をする人が見据える世界を知ることで、自分一人でいるだけでは決してもたらされない世界や思考の広がりを得るチャンスに転じるのだと思う。そういう意味でこの合宿はチャンスであり意義のあるものなのだろう。

決して順調な滑り出しとは言えない合宿編の始まりでしたが、自分とは見えてる物や考えていることが違う人物と交わることで、自分自身の可能性を拡張し視野が広がるのであれば一プリマジスタとして合宿も有意義なものになる。五人で一つのプリマジを作り上げるエキシビション、その後に控えるグランドフェスを前に、まつり達が一人の人間として、プリマジスタとして成長する姿を合宿を通して見られたらいいな~。

同じ回の中で2度も100年の恋が冷める事態に遭遇した我らが甘瓜みるきさん。でも、盲目的に信仰するのではなく冷静かつ客観的に物事を捉えるみるきの本質が出ていたところでもあり、母親のような振る舞いをしていた彼女の根底にあるものが表現されていたところでもあると思います。残念な部分を見せるあまねに対しても自分が支えなくては~ではなく見切りを付けたことで、却ってみるきのキャラと魅力が引き立っていた。

生活能力も高く意外に面倒見もよく几帳面。はにたんが漏らしかけたけどみるきの家庭事情が更に明るみになった時に、もっと好感度が上がるんじゃないかと思える回でもありました。弟や妹がいそうな感じもしてきたけどどうかな~。その辺りも今後楽しみにして見ていきたい。

体面を気にして人当たりよく振る舞おうとしてたけど、あまりにマイペースなひなとあまねに対して堪忍袋の緒が切れて心の声をストレートにぶつけたことで、作中の彼女らのファンはともかくとして少なくとも配信を見ている作中の視聴者からも現実の視聴者からも一定の支持を得たんじゃないかな。少なくとも現実の方で言えば今回の話で一番株を上げたのがみるきであったことは間違いないだろう。