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キラッとプリ☆チャン 第150話 「ルルナ復活!新しいプリ☆チャンルールッチュ!?」 感想

キラッとプリ☆チャン 第150話 「ルルナ復活!新しいプリ☆チャンルールッチュ!?」 感想

みんなにとっての正しいプリチャンとは?

復活したルルナが定めたルルナルールの適用により、マスコットが全てを管理する一種のディストピアと化してしまったプリチャンランド。一見するとトンデモに思えるルルナルールも、よくよく中身を見てみると割とまともな内容で纏められているところもあり、一概に全てを否定できないところもあるが、やはり一方的に押し付けられ抑圧された世界は閉塞感や先細りを招きかねない。

作中のみらいやルルナが発した言葉に則ると早い話がそんな世界では未来がないのだ。何より感情的な反発よりもみらいたちプリチャンアイドルにとっては譲れない大切な部分があるもんね。クイーンズグランプリでそれぞれのチームが振り返ったプリチャンアイドルとしての自身の軌跡。自由で開かれたプリチャンがあったから出会えた人たち。時にぶつかり失敗し、それを乗り越えてきたからある今の自分。

ルルナルールを受け入れるということは、即ちプリチャンがあったから出会えた人たちとの繋がりや、プリチャンを通して大きくなった自分たちの成長。そんな今まで積み重ねてきた全てを否定することに直結する。だからこそ感情的な反発心だけに留まらず、ルルナルールを受け入れることもマスコットが全てを管理する世界を掲げるルルナと相容れることもないのだ。

自由奔放と無法無秩序は紙一重なところがあるのだが、自分たちがやりたい放題できなくなるとかそういうことではなく、プリチャンを通じて自分たちが育んできた大切なものを否定されるのはやっぱり受け入れられない。自分たちにとってのプリチャンは、切磋琢磨できる仲間でライバルで友達のみんなとの素敵な繋がりと、そんな彼女たちと共に過ごす光り輝く時間をくれたんだという思いで向き合おうとしてるのが良いなと。

そういう意味で今回ルルナが起こした革命という名の一連の騒動も、集大成の場であったクイーンズグランプリからの流れを受けたものになっていて、最後に自分たちにとってのプリチャンとは何なのか?という大元にして至上命題となる観点に向き合う契機を与えてくれていると取ることも出来るのではないかと。まさに全てのプリチャンアイドルの頂に立った今のみらい達だから向き合えることでもある。

今のところは黙ってルルナに付き従っているように見えるソルルにも思惑はありそうだし、たとえ独善的であろうともこれがプリチャンアイドルの為と固く信じて突き進むルルナも容易には切り崩せないかもしれないが、そんな二人を相手に皆を牽引してきたミラクルキラッツがどのように向き合い、どんな答えを導き出してくれるのか。

期間にして3年、話数は遂に150話の大台に乗った我らがプリチャンですが、ここまでの長い時間と道のりを共に歩んできた視聴者だからキラッツが示す未来のプリチャンの在り方が楽しみでならないわけです。本当に物語も最終盤の気配。クライマックスに向けてここから更に上げていくプリチャン。一瞬たりとも見逃せない!

期待していた月と太陽の共演は、まさに圧巻の一言に尽きる。プリティーシリーズのラスボス格に当たるキャラのライブお披露目はどれもこれも凄いものばかりなんだけど、その中でもデュオライブは格別なものがあるなと改めて思い知らされる。アイドルタイムのファララとガァララの時もそうでしたが、やはり二つで一つの遂になる関係性。

そして、それぞれ単体でも機能していた楽曲が一つに合わさることで真の完成を見るタイプの楽曲に自分は弱いのである。『Despertar del SOL!』と『Lustro della LUNA』が合わさることで更に昇華された『Awakening Light』。太陽を月が覆い暗闇に閉ざされた世界の中で、目覚めの光を、プリチャンの光り輝く未来を見出すことは出来るのか。

映像の色合いや効果を的確に用い、天体観測の壮大さや神々しさ、時に感じる禍々しさなどを織り交ぜ独特な空間を形成していたのが印象的でした。パーフェクト・フィナーレの時とはまた別種の衝撃というか震え上がる感覚を味わえた。今度のプリフェスで斎賀みつきさんと山村響さんも揃って出演されるし、リアルライブでの初お披露目にも期待しちゃうなぁ。プリフェス無事に開催されるといいのだが…。

今回は色んな意味でぶっ飛んでるルルナの過激な言動に目を奪われがちだけど、プリチャンという作品のテーマ、大元になる題材に真っ向から向き合う内容でもあったと思っている。物語も最終盤だし話も重くなってもおかしくない流れの中で、しかしプリチャン本来の楽しさやコミカルさを損なうことなく良い塩梅で仕上げているのは流石と言ったところではないかと。

ルルナの言動、かわいいシールを参考にしてるとしか思えないルルナマークのおもしろ可愛さ、タマゴに戻ってもメガネしているめが兄ぃのシュールさ等々。基本シリアスで重厚な空間にあっても、いつものプリチャンらしい良い意味での緩さも健在で物語をより刺激的かつ鮮やかに彩る程よいスパイスとして機能していたように映りました。

めが姉ぇさんは元より、めが兄ぃに関してももう大概なんでもありなキャラだしね。そこは仕方ないのです。マスコットの偉い人として、キラッチュたち他のマスコットを威圧するシーンなんかは在りし日のべるママを彷彿とさせるところもあった気が。曰く「あなたのためを思って言ってるのよ」という幻聴が聞こえたような…。ルルナママも気苦労が絶えないし庇護対象のイブに離反されるし辛い立場なのよ。