ほんの一時の尊き安らぎの時間。
束の間の開放感と今後の身の振り方について思いを馳せる
気持ちが沈んだイブを元気づけようとアリスが発起人となって実現した冬の小旅行。ルルナの元を一時離れ立場やしがらみから開放されたから味わえる皆と一緒に過ごす自由で楽しい時間は、アリスとの関係性を筆頭に仲間たちとの距離感を一気に縮める契機となったが、全てを自分で決めなくてはならなくなったから気付けることや思い浮かぶものがある。自由にも責任は伴うのだ。
幼少期から当たり前のように従事してきた社長業。自分の進む道を指し示してくれていたルルナ。それはイブを縛っていたのと同時に、一種の安定感や安心感を彼女にもたらしていたものでもある。イブが今後の身の振り方や先行きに漠然とした不安を感じたり、今のルルナが何を考えているのかに思いを馳せることが出来るようになったのも、その二つから初めて離れてみて一人で歩き出したからこそ生じた感情だ。
この楽しい時間も不安な気持ちも親の庇護下から離れてみたから味わえた初めての感覚。イブが殻を破り独り立ちするに当たって、特別な肩書き等も何も持たない一個人として、決して楽しいだけではない自由や自主自立に伴う責任や気苦労のようなマイナスの面と向き合っていたのが印象的だったし、それに直面して親であるルルナは何で自分にあのようなことを言ったのかと改めて思いを馳せていたのが良かった。
どんな人でもそうだと思うけど親元を離れてみて初めて気付けた有り難み、改めて湧き上がる感謝の気持ちというのもあると思います。同時にそれらと向き合いながらも先行きに対する不安を払拭し、乗り越えて前に進み自分で決めたことをやり遂げることで初めてもたらされる人間的な成長というのも確かにある。そういう意味でイブにとってルルナの元を一時離れたのは、とても意義のあることだと思えるのです。
当人同士は気付いてないけど育ての親の元を離れて本当の姉妹と過ごす自由な時間。その経験がイブにどんな影響を与え彼女にどのような変化をもたらすのか。三年目のテーマの核心にも通じるところに踏み込んできているだけに、今後の展開からますます目が離せない。今回は本当にアリイブの関係が一気に進展した感があるし、仲睦まじい二人の姿を見ているだけで微笑ましすぎて満たされてしまいました。
あとはプリチャンらしさ全開のやりたい放題感や自由自在な斜め上の展開も健在で、冬のリゾート地でのドタバタ騒動が純粋に面白い回でもあった。百歩譲って冬山が舞台なので冬眠中のクマが騒動を巻き起こすのはまだ分かるんだけど、クマさんにおにぎりを差し入れして皆に料理を振る舞ってた激川ゆいは、本来何の目的で来ていたのだ…とか真面目に考えたらきっと負けなのだろう。
セレブリティーなリゾート地に来ていたのに赤城リゾートに務めている本業の人を差し置いて、激川ゆいさんが皆に鍋料理を振る舞っていたかと思うだけでもう面白すぎてもう駄目。
リゾート地に来ても相変わらずの喧嘩ップルなえも&あんなコンビ
急速に進展させ組んず解れつの仲睦まじさを披露していたアリスとイブに負けじとイチャつくえもちゃんとあんなちゃんは流石である。プリチャン鉄板カップルは自分たちだと言わんばかりの主張。いつまでも変わらない二人でいておくれ。
浮遊していためが姉ぇさんの本体、もとい謎のメガネが意味するところは
唯一すずちゃんだけが目の端に捉えた浮遊する謎のメガネの実態や如何に。いや、本当に唐突すぎたしその後もサラッと流されて気の所為ということで落ち着き、そのまま終わってしまったのだけど気になるものは気になるということで。今後これが後々の展開に効いてくる伏線たり得るか。もしくは特別な意味など何もない一幕であるのか。いずれにしろ頭の片隅に留めておきたいポイントでした。