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ミュークルドリーミー 第10話 「雨ふりねぶそくゆめちゃん」 感想

ミュークルドリーミー 第10話 「雨ふりねぶそくゆめちゃん」 感想

激しく揺れ動く乙女心と梅雨の空模様。

乙女心は複雑怪奇!梅雨の空の下でのおまじない騒動!

意中の相手の夢を見る為のおまじないを実行すべく、杉山先輩の写真を撮ろうとあれこれ画策しては阻まれるゆめとまいらコンビの迷走っぷりや、ゆに様のパチもんブラックアビスで夢の中を良いように引っ掻き回され、ドキドキハラハラさせられつつ次第に消耗して顔芸を披露してくれるゆめの浮き沈みの激しさ、心情描写の振れ幅の豊富さが話を賑やかに彩り面白さに拍車をかけてくれている。

本命の杉山先輩に関わる事柄に関して一喜一憂し、乙女心を存分に刺激されていたゆめの反応は可愛くて見応えあったけど、その一方で幼馴染の朝陽に対して無自覚に繰り出す彼女の言動により、作中のゆめのように一視聴者として一喜一憂させられてしまいました。異性として意識してる相手と兄妹のように身内として意識してる相手との差異。その関係性の違いがもたらす絶妙な距離感と空気感。

勢いのあるドタバタ騒動の中にもその思春期特有の甘酸っぱさみたいなものをしっかり落とし込んでくれていたし、ゆめや朝陽の感じたモヤモヤした気持ちや嬉しい気持ちが視聴者にそのまま伝わってくるようなお話でもありました。季節感に合わせたエピソードでもあったんだけど、雨宿りと相合い傘と最後のオチで私の心は晴れ模様になってしまったよ。

主人公ゆめと彼女の本命杉山先輩だけでなく、失敗続きのゆめとまいらの頼みに対し、正論をかましつつ事もなげにお手製ドローンでそれを成し遂げることこ先輩の頼もしさもアピールされていたし、友達のかえで、わかば、はな達とのコミュニティーの掘り下げも自然になされていたし、朝陽の心情描写もとても丁寧に行われていて、主役以外も大切にし素敵な世界観を形成しているミュークルが、やっぱり大好きだなと思わされました。

これぞ女児向けアニメの本懐と言うか在るべき理想の形と言いますか。百合も良いけどノーマルな男女間の恋愛模様もやはり素晴らしいと改めて思わせてくれるミュークルドリーミーに無限の信頼を寄せてしまうのである。

ゆめと朝陽の関係性に理想的な幼馴染の在り方を見る

やっぱりゆめと朝陽の幼馴染関係が堪らなく好き。疲れていたとは言えゆめが安心して眠ることが出来るのは朝陽の隣なんだってことに他ならぬゆめと朝陽自身が気づいてほしいね~。雨宿りがもたらす二人だけの独自の空間と演出。前半パートと後半パートの最後で対照的な見せ場をそれぞれに持ってくる見せ方に魅せられてしまうのです。

視聴者目線では朝陽くん大勝利オチでもあったんだけど、朝陽視点ではゆめが大切にしていた杉山先輩の写真が消失したことも当然知らないし、未だゆめが杉山先輩のことを好きなのも変わらずなので、モヤモヤした感情を抱えながらのあのオチは余計に突き刺さるものがある。途中の報われなさと最後の救い。大いに悩め青少年…。朝陽くんを応援しているぞ。

ゆめちゃん百面相

今週はいつにも増してゆめちゃんの感情が激しく浮き沈みし一喜一憂する場面も多かったので、それに合わせて多彩な表情を披露してくれて視覚的な楽しさも増し増しでした。およそ女児アニメの主人公がしちゃいけないような顔をしていた気もするけど…。ゆめちゃんとミュークルならおかしくないか!と思えるくらいの地位は、既に確立されてきたのかもしれない。感情がダイレクトに顔に出るのが、ゆめちゃんの良いところであり魅力的なところ!今後もゆめちゃん百面相には期待している。