次に会うときは同じステージで―。
あかりとノエルが紡ぐ憧れのSHINING LINE*の軌跡が美しい
遂に果たされる二人があのとき交わした約束。緊張を和らげる為のあかりとノエルのデートの尊さもさることながら、大スター宮いちごまつりの時にいちごから託された思いと願いを、あの時の美月といちごに重ねる構図で、あかりからノエルへ憧れのSHINING LINE*を継承し、当時のいちごと同様の立ち位置となったあかりの「待ってるよ」発言は、アイカツをずっと追ってきたからこそ重みを伴い染み渡る。
不安を抱えていた日々。遠い遠いところにいる追いつきたい憧れの存在。あかりの原点と軌跡を辿りながら今これから歩みだそうとしているノエルの心情と境遇にそれらを重ねて魅せる話運びは、話の筋としてもキャラの相関関係や立ち位置としても本当に綺麗に纏まっていて最高に昂ぶってしまうのです。
初めて憧れたアイドル星宮いちご。自分に元気をくれた姉のセイラ。そして同い年でいつか追いつきたい存在として見ている大空あかり。劇場版でのいちごとあかりのやり取りを彷彿とさせる会話をあかりとノエルの間で交わし、初代アイカツ全体で描いてきた物語のテーマやラインにノエルを連ね見事に落とし込んでみせる今回の作劇には舌を巻くしかなかった。本当に短いながらも濃密で完成度が高い回だと思う。
あかりにとってスターライトクイーンは一つの到達点であってもゴールではない。かつてあかりがいちごと交わした約束の場所へ辿り着きながらも憧れの存在は更に先へ行っていたように。ノエルに対しあかりも今なお前を向き更に先へ進もうと日々のアイカツに励んでいる。そのことを改めて見せつけてくれたことも本当に嬉しかった。
高く遠いところにいる憧れの存在へと至る長く険しい道程。しかし、日々のアイカツに励み歩みを進めた先に辿り着ける場所がある。自らのアイドル活動で誰よりもそれを体現し、証明してきたあかりが今度はそれを示してくれるから最高だし、あの時のいちごの気持ちはこうだったんだと思い至ったあかりとノエルが相対するシーンは、涙が込み上げる感無量なシーンでありました。
憧れは次の憧れを生む。いつだって憧れは最初は道標。アイカツとはかくあるべし!というのをこれでもかというくらい見せつけられた回でもあったと思います。短編シリーズであるのにも関わらず、ここまで説得力を伴う形でノエルちゃんを主人公の座に連ねる物語。ドリームストーリーをやった甲斐があるというものだ。
あかりとノエルのデートシーンを永遠に眺めていたい
緊張を解すという先輩としての務めもあるんだけど、元々は引っ込み思案で自信を持てないタイプだったあかりが、自信満々でノエルの手を引き導いてくれる頼もしさに改めて見惚れてしまう。要所要所で垣間見える経験値の多さ。スターライトクイーンとしての立ち振舞や考え方。ノエルとあかりの対照性がかつてと今のあかりの変化を浮かび上がらせてくれている。
そういうのを抜きにしても純粋に見ていて尊く元気を貰える仲睦まじい描写に溢れていただけにね。あかノエ二人のデートシーンを見られただけでも今回の話とても良かったよと断言出来る。これだけで通常のアニメ一回分やってくれてもいいと思えるくらい最高でした。かつて姉のセイラがそうだったように、大一番を前にノエルちゃんもスターライト式のアイカツを体験してたのも好ポイントでした。