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ミュークルドリーミー 第33話 「届くといいなドリーミーチャーム」 感想

ミュークルドリーミー 第33話 「届くといいなドリーミーチャーム」 感想

杉山先輩が抱える心の闇は未だ底が見えることがなく…。

容易に踏み入ることを許さない杉山先輩が抱える心の闇の深さ

二度あることは三度あるでまたも杉山先輩の夢に入ることに失敗してしまったが、こうなってくると杉山先輩は夢を見ることすら出来ないほどに、その心に深い絶望や闇を抱えてしまっているのかという懸念が浮かび上がってしまうなぁ。杉山先輩の内面や周辺事情が徐々に明るみになるに連れ、彼が抱えている心の闇の深さが当初の想定を遥かに超えているのが垣間見える。

何か掴めそうで今一歩核心に迫りきれない。夢は深層意識をダイレクトに表したものと言われることもありますが、他人のそれを直接見ることが出来るユメシンクロの力を以てしても、その全容を容易に暴けないところに、深層で他者を拒絶する杉山先輩の姿勢や、自分以外の誰にも理解出来ない痛み、理解されないことからくる孤独感や息苦しさを抱えているのを窺い知ることが出来る気がします。

この視聴者目線で感じるもどかしさも、それだけ杉山先輩が抱えている心の闇が深いことを如実に物語っていると思います。公式チートなユメシンクロで何でも解決とはいかないこともある。一方的に人の心を覗き見るだけでなく、対等な目線で向き合い人の心に寄り添い支えとなること。これこそが真に人の心を救うのに大切なことで、前向きな気持ちで夢溢れる明るい未来へ歩む道標となる上で重要なことなんじゃないかな。

その意味で杉山先輩の悩みや葛藤を能力でマルっと暴き出し一気に解決ではなくね。杉山先輩と直接対峙したり彼の悩みに直接アプローチするのではなく、話数を重ねて彼の心の輪郭を丁寧に探り関わり方を模索していく。その上で彼も気付いていない寄り添ってくれる身近にいる人の存在や、見落としているそこにある幸せを描き出そうとしているのではないかと思います。ミュークルらしい優しい見せ方といいますか。

今回の夢の中でも描かれていたけど幼少期からずっと傍にいて、手作りのドリーミーチャームを贈り今も杉山先輩を気遣い寄り添ってくれようと努めている百合先輩もいる。大切だから遠ざけようとすることもあるだろうが、大切だから相談して欲しいし頼って欲しいという思いだって当然あるはずなのです。自分の弱みや悩みを打ち明けること、誰かを頼り救いを求めることは決して悪いことではないのだから。

ということで今回も杉山先輩周りの緊張の糸は更に張り詰めている感じでしたが、奇しくも杉山先輩が朝陽に送った「もっと肩の力を抜くといい」という台詞が、そのまま先輩に返るのではないかと思います。全てを一人で抱え込み悩むのではなくね。百合先輩でもゆに様でもいい。杉山先輩には是非とも一度周りを見渡し、自分を心の底から案じてくれる人がいることを今一度思い起こして欲しいのだ。

まぁそうは言っても詳細な事情を知らないので、これ以上安易なことも言えないのだが。それでも誰か一人でも頼れる人と向き合い悩みを分かち合えたのなら…きっと何かが大きく変わり動き出すのだろう。朝ゆめの関係性と同じくらい丁寧に積み上げられている杉山先輩の心情描写と百合先輩との幼馴染関係。これからどう昇華されていくのか注目せざるを得ない。

もう一組の幼馴染に探りを入れてくる杉山先輩の次なる一手は…

劇的な変化とかはないけどここ最近は朝陽とゆめの関係性も非常に良好で、少しずつだけど丁寧にその変遷を描いてくれているのだが、その幼馴染のそれぞれに接触を図り内情を探りつつ次の手を模索してる杉山先輩の動きが不穏と言えば不穏なのだ。好事魔多し。杉山先輩の揺さぶり具合によっては如何ようにも変化しそうなので良好だからこそ怖さも生じてしまう。

今のところは杉山先輩自身が積極的に悪事に加担しているわけでもなく、様子見の段階なのかもしれないけどそろそろ動き出してもおかしくはなさそうで。互いに幼馴染を持つ者同士。杉山先輩にとってもう一つの幼馴染の在り方が、閉塞した現状を打破する鍵になるかもしれないし、そういう意味でも朝陽とゆめには理想の幼馴染、そしてその先にある関係の進展を見せてもらいたいという個人的な願望なのだ!

辛辣なわかばちゃんの反応がキラリと光る

夢見る乙女なかえでちゃんのお花畑的な発想を、無感情で「は?」と切って捨てるわかばちゃんの反応が際立ちすぎていて面白かった。何気に今回一番インパクトあったのこのシーンだったかもしれない。