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ヒーリングっど♥プリキュア 第20話 「今つながる願い…!わたしたちキュアアース」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第20話 「今つながる願い…!わたしたちキュアアース」 感想

ラテ様の思いを受け止め二人で共に立ち向かう。

全てはラテ様の思うままに!強くて危ういキュアアース/アスミの参戦!

圧倒的な武力で相手を圧倒するド派手で鮮烈なバトル描写。少し癖が強くて掴みどころのないズレた一面を持つ言動の数々等々。追加戦士の正式加入回に相応しいインパクトを残してくれた精霊の少女、改めアスミの生い立ちやらバックボーンが明らかにされた回でしたが、その圧倒的な戦闘能力とは裏腹に生まれたばかりで良くも悪くもラテ様至上主義の彼女の危うさや脆さも見えた回だったと思います。

人間とは異なる精霊に近い性質を持つ0歳児。ラテを守るという願いから生まれた存在故に、その出自と直結する使命感に基づいた堅物的な思考に偏っていたところもあったけど、そこを上手くのどかが仲立ちして相手の意志を汲み取り、対話を通じて尊重する姿勢の大切さを諭してくれていたのも良かった。例え相手を思っていても当人の意向を無視した強制は、ともすれば相手を蝕むことと同義になる。

バテテモーダによってメガビョーゲンのかけらを埋め込まれ強制的に急成長を遂げたメガビョーゲン。そのかけらを力ずくで横取りしたグアイワル。相手の意志を無視して自分の都合で他を制圧、圧倒するというのはビョーゲンズにとっては病原種の生存本能に基づく行為かもしれないが、それはビョーゲンズ側のやり口であって地球の癒し手であるプリキュア側のアスミに求められるものではないのだ。

アスミとビョーゲンズの両陣営の対比構造を上手く用いて、この出自に基づく思考や行為という点を描けていたかなと思うし、その上でプリキュア側であるアスミに求められるものは何かというのが見えやすくなっていたのかなとも思います。相手の心を慮り受け止め共に寄り添う。それこそが人が人たる所以であり、病気と戦う人間の根源的な強さに結びつくところなのだ。

瞬く間に人の身体を侵食する病原菌と異なり、人間は劇的に進化したり急成長したりは出来ないかもしれない。でも他人を思いやり自分以外の大切な存在の為に手を携え力を発揮できる。願いが力を生むというのもきっとそういうことなのだ。ラテと向き合い彼女の願いを受け止め、その願いを叶えるべく共に立ち向かう力を得る。例え病に冒されても折れない人間の強さ。癒やしの根源。ラテとアスミが心通わせる過程に、それを見た思いでいっぱいなのです。

願いから生まれた精霊の少女が人ならではの強さと優しさの根源に迫り身に着けていく始まりの物語。武力は最強、教養は皆無。ある種の強かさと危うさを兼ね備えたアスミが、ここから如何にして人間っぽさを獲得していくのか。トラブル満載であろうその過程を見るのが楽しみだし、アスミがそれらを得ていくことは同時に本作の癒やしというテーマにより迫っていくことにも繋がるのかなと。

人間だから劇的な急成長は難しい。でも一歩一歩踏みしめるように前進しながら積み重ねていくのが人が人たる所以。病との戦いにしてもそれは同じで、叡智の積み重ねの上に今の繁栄がある。アスミの変遷を通じてそういうのを感じられたなら。それはとても素敵なことだと思うし、キャラとしての愛着も更に増す。精霊の少女改めキュアアース/風鈴アスミの今後の活躍が楽しみになる加入回でありました。

時を経て繋がる二つの風!キュアアースの華麗なる立ち居振る舞いに魅せられる!

もう守られるだけの存在ではない。これからは共に立ち向かっていく。ラテ様の願いを反映するかのように手と手を取り合って変身するキュアアースの豪華な変身バンクからして見どころ満載でお腹いっぱいになってしまう。トコトコ走り回るラテ様が可愛いし、可愛さや格好良さ、威厳すら漂わせるアースの風格ある多彩な表情は自然と見入ってしまう魅力に溢れている。

その圧倒的な戦闘能力からくる強気な言動。引き締まった眼力の強さなども通常時のアスミが物腰穏やかな見た目なのも相まって、ギャップからくる破壊力も加わりインパクト抜群なのでありました。グレースたち三人が総掛かりであれだけ苦戦したバテテモーダを一方的に追い詰め、あっという間に浄化まで至らしめたことからも実力差は明白なのでありました。

今までプリキュアを後回しにして地球を蝕むことを優先してたキングビョーゲン様が、警戒感を露わにして危険視するだけのことはある。星由来の力を持つプリキュアだもの。そりゃ強いわい。バテテモーダがここで退場はちょっと意外でしたが、彼の返り咲きは…ないかな。

生まれたばかりのアスミの明日はどうなる!?

大方の懸念通り予告の時点でポンコツ感満載なのを隠す気もない我らがアスミさん。まぁ出自が特殊すぎるし生まれたばかりの存在なので、歴代の先輩たちのようなポンコツ枠とはまたちょっと違うかもしれないが。ただ見た目が出来るお姉さんみたいなところがあるのでどうしても…ね?今回の話の中だけでも十分にその片鱗は見て取れたし。

しかし先代やテアティーヌ様の意志や願いは受け継ぎつつも本人は生まれたばかりの0歳児。幼少組のアコちゃんや亜久里ちゃんどころか、あのはぐたんよりも更に年下の最年少プリキュアというのだから驚きです。そんなアスミの成長の軌跡を、一つずつ堪能していけたらいいな。