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アイカツプラネット! 第6話 「パーフェクトの神様」 感想

アイカツプラネット! 第6話 「パーフェクトの神様」 感想

トップアイドルに求められる気高き志と姿勢。

絶えず努力し研鑽を積むことで初めて辿り着くトップアイドルの境地

月城愛弓/キューピットのストイックさとアイカツに打ち込む気高き姿勢に文字通り心を射抜かれてしまう。理想のトップアイドル像を体現するキューピットが、見えないところでは誰よりも特訓を欠かさない努力の人であることを知り、才能の有無を口にする前にやるべきことがあるということを、主人公の舞桜/ハナが痛感するという筋書きは、まさにアイカツの王道プロットラインと言えるだろう。

アイカツプラネット内におけるキューピットのアバターの印象そのままに、現実の愛弓も文武両道で完璧であるために、努力を欠かさないストイックさを持ち合わせる人だったけど、かと言ってお硬いわけでもなく愛弓視点では瑠璃に付いてきただけの舞桜や栞に対しても丁寧な応対をしていて気取ったりすることもなく、親しみやすさも兼ね備えている人でキャラとしても人間性の魅力も更に増したと思う。

憧れの気持ちや尊敬の念を持つことは決して悪いことではない。それが全ての始まりとなる感情で起点となることもあるものだ。ただし、憧れているだけでは辿り着けない境地。手に入れられないものも確かにある。今のキューピットが強く美しく魅力的なのも、いずみさんをして本物の天才と言われる先代のハナ/陽明咲を前に、怯むことも挫けることもなく挑み続ける強い心があればこそ。

明確な目標を見定めそれに追いつき追い越し辿り着こうとする姿。一歩一歩階段を登り頂を目指す気高き姿勢にこそ人々は共感し魅了され惹き付けられるのだ。事務所の先輩に当たる瑠璃や響子の二人は、仲良く同じ目線に立って共に歩む存在という側面があるだけに、数段階上の立ち位置から舞桜に影響を与える存在が出てきたのは大きいと思います。

本来その役を担わないといけない明咲さんが絶賛行方不明中なだけに余計にね。ともあれ本作が始まる前のビジュアル的な第一印象の時点で、個人的にキューピット推しになる予感はあったけど、その思いは今回の話を見て更に強くなりました。強属性てんこ盛りなキューピットだけど、やっぱり確固たる信念を持ち目標を達するべく努力出来る子なんて好きになってしまうに決まっている。

憧れの気持ち、努力と才能、頂に至るまでの道のりを描く階段演出。アイカツの骨子とも言える要素や歴代シリーズでお馴染みの演出をふんだんに取り入れつつ、そこから一歩飛び出し跳ね上がるところまで含めて、改めて本作プラネットがアイカツシリーズに連なる一作であることを感じられる回でした。やっぱりある程度キャラの関係性が固まってきて好きなキャラが出てくると思い入れも増してくなぁ。

キューピットあるところアンあり!あざと可愛い小悪魔系アイドル栗六杏!

キューピットと同様にアンも現実世界で本格登場。本作の情報が解禁されたとき、ビジュアルイメージでアンが一番リアルとアバターで差がないキャラかと思っていたが、概ねその印象は正しかったように思える。ただ、アンがキューピットを慕っていることはわかっていたつもりだったが、その敬愛の心が思っていた以上に重かったので少しビックリしたところもある。

一方で単にあざと可愛いだけのキャラだけに留まらず、アンの中にも彼女なりに譲れぬ矜持や信念があったりして、その辺りは尊敬するキューピットの姿勢を正しく踏襲してリスペクトしているのも伝わってきたし、単にあざとい存在ではなくアンもまたアイカツに励み憧れの存在に追いつき追い越すべく頑張るアイドルの一人なのだということが垣間見えたのが嬉しい。そういう意味では今の舞桜に一番近い存在と言えるのかも。

あとは二次元のコンテンツ。アニメや漫画などでは既に確立されたジャンルになった「あざと可愛い」属性が、実写になると再現したり表現するのが難しいということを改めて実感させてくれたキャラ造形でもありました。前回は実写の強みや味わい深さ、醍醐味が活きたところあったけど今回は逆に難しさを感じるところがあって一長一短あるなと改めて思えたのです。

積み重ねた努力と研鑽の証!トップアイドルに繋がるキューピットロード!

何もなかったただの丘に文字通り自らの努力の足跡を残し、トップアイドルへ繋がる道のりを刻んでいくキューピットさんマジ半端ない。でも、思い返すと初代アイカツの不動のトップアイドル、神崎美月も美月パレスの一室で人知れず誰よりも猛特訓を重ね、レッスンルームの床が削り取られる程に研鑽を重ねていた人なので、トップアイドルへと至る道を歩く人の努力を知らしめるという意味で、そこをリスペクトした面も多分あるのだろう。

いちあおの二人もあれを見たのをキッカケに一つ意識が変わったところあったので。と努力の大切さを説きつつも同時にアイカツを心から楽しむ心も忘れてはいけないと示してくれていて安心する。真剣に打ち込み心の底から楽しむからこそ見ている人は心を掴まれるもの。時に楽しく時に熱く競い合うからこそファンはアイドルに魅了される。キューピットとの出会いは本作にとってもハナにとってもまさに転機。

才能の有無を羨むのでも嘆くのでもなく至りたい高みがあるからこそ歩みを止めるわけにはいかない。遥かな高みを目指し歩み続ける愛弓/キューピットの決意と覚悟を表現するのに、これ以上のものもないのかもしれません。単純に面白いところでもあったことも否定は出来ないのだが。特訓時のお馴染みの掛け声も階段演出も歴代アイカツシリーズを踏襲するものでやはり良いものだ。