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アイカツプラネット! 第11話 「やさしい気持ち」 感想

アイカツプラネット! 第11話 「やさしい気持ち」 感想

表立って見えないところにこそ大切な物が詰まっている。

アンとのお菓子作りを通して学ぶ華やかさを支える土台の重要性

パッと見で目に映る物が全てではない。むしろ一見しただけでは分からない目に映らない部分にこそ、物事の本質が宿っていることもままあるものです。人はどうしても派手で綺羅びやかな部分に目を奪われがちだが、それらが成立するのも支える土台の部分がしっかりしていればこそ。アイドルもスイーツもそこは共通しており多くの要素が組み合わさって絢爛豪華な一つの形に昇華されるのです。

歴代のアイカツシリーズでも表舞台からは見えない部分。裏方の重要性やステージ作りに共に携わるスタッフの思いを学び実感する回は通例でしたが、見た目と中身の不一致が生じる本作プラネットにおいて、表立って見えない部分の重要性というのはとりわけ強く反映され、その性質が顕著に表れるところでもあると感じます。アイドルのステージもお菓子も多くの人の思いと力が結実して初めて成立する奇跡なのだ。

見た目の第一印象からあざと可愛いが先に立つアンにしても、その内面を知っていく過程で単にあざと可愛いだけのアイドルではなく、意外と強かだったり尊敬するキューピットのスタンスをリスペクトし、真摯にアイカツに向き合う姿勢を併せ持っている子であることが伝わってくるし、このテーマをやるにあたり正に打って付けのアイドルであったことも改めて実感させられる。

先にも書いたようにプロットやテーマ自体は歴代にも通じるものがあり既視感もあるのだが、実写を交えたことによりまた違った味わいが出た回でもあったんじゃないかという気もする。強みとまでは言えないかもだが、実写という第一印象だけで中身を知ろうともせずに否定感だけが先行している一部の層に対する一種のメッセージ性を伴う回でもあったのかもしれない。まぁそれは受け取り方次第で拡大解釈かもしれないが。

何はともあれこれで陽明咲を除く主要キャラの紹介も一通り終わり、ある程度キャラの立ち位置や関係性も確立されてきた。まさに本作の土台にあたる部分が形成され、いよいよ本格的に味付けやデコレーションにあたる部分。物語をよりキラキラと華やかに魅せる部分の形成に移れるわけです。早いもので1クールの節目も見えてきた頃合い。ここからの新展開がどのようなものになっていくのか楽しみだ。

シオリとアンのバトルステージ!新曲『レディ・レディ・レディ』!

データカードダス第二弾の筆頭とも言える楽曲だけあって独創性があってインパクトも強い。「これが私の全てと勘違いしないで」「勝手にイメージ決めつけないで」「もっと私を知ってね」等々。今回の話のテーマもさることながらアンのキャラ造形や本作プラネットに対しても、強いメッセージ性を内包するフレーズに溢れた歌詞の構成になっていて印象深いものがある。

比較的ゆったりとした曲調とは裏腹に歌詞に込められた思いの強さが溢れているギャップ。まさに見た目だけでなく中身も大事で、それらの要素が組み合わさることで煌めきを放つ要素へと昇華される。それを体現するような楽曲だったのではないだろうか。個人的にはプラネットの楽曲も結構刺さるのが多いんだけど、『レディ・レディ・レディ』はその中でもかなり好きな部類に入る曲でした。アバターのアンちゃんだとあざと可愛さが遺憾なく発揮されるなぁ。