胸の中から湧き上がるアイカツへの熱い衝動！
子供の頃から胸に秘めた思いの結実！シオリのアイドルデビュー！
子供の頃から本が大好きで童話のような物語に勇気と元気を貰ってきた栞が、アイドル活動を通じて今度は自分がそれらを与えられるようなアイドルになるべくアイドルデビュー！直近だと舞桜や瑠璃のアイカツに魅せられ、子供の頃からずっと胸の内に秘めていた思いに火が付いた形でしたが、改めて見ると栞って主人公の舞桜以上に主人公らしいデビューまでの経緯があるなと。
幼少期からの思い入れあるものとアイカツを志す動機の結実。他のアイドルに魅せられる形で自分の中にある衝動に従って突き進む行動力。そして、成り行きとか巻き込まれる形ではなく、オーディションを勝ち抜いて自分の中にある資質を自らの努力と熱い意思で示し、デビューのチャンスを掴み取るところに王道、且つ正統派の主人公像を兼ね備えた存在だと感じてならないのです。
伝統を受け継ぐ形で今作でも当然のように取り入れられた崖登りにしても、歴代作の感想でも書いた通りネタ的な面白さやインパクトとは別に、自分の力でどこまでも高みに登っていけることを体現し、壁に挑み自らの限界を超えるべく挑戦する気概の象徴といった性質を備えているものでもあると私は思っているのです。それは全ての創始者である星宮母娘が示したことに他ならない。
作品としては別物だけどアイカツシリーズに連なる一作として、恒例の崖登りを用いながら大事なところの本質は揺らいでいないことを示してくれたのが嬉しかった。その上でシオリが壁に挑むという側面とは別に、アイカツする動機と結びつく形で楽しむ気持ちを忘れず、その楽しさを見ている人にも伝えたい。その気持ちを大事にしているのをしっかり貫いているのが分かって良かった。
真剣で熱い気持ちは誰かの心に何かを訴えかける。ひたむきに取り組む姿勢は周りに伝播し、心から楽しんでいる姿は見ている人の気持ちを高揚させる。いずみさんが指摘していたアイドルに求められる資質。栞改めシオリの中にある資質が何かを彼女のデビューに合わせて描けていたんじゃないかな。やっぱり正統派って強いなってことを改めて感じた回でした。王道は故に常道なのである。
シオリのデビューライブ！新曲『Magical Door』お披露目！
童話をモチーフにしたと思しきステージ構成はシオリのイメージ通りでしたが、楽曲イメージがふんわりではなく格好いいに振ったメロディーラインで驚きもあるライブステージでした。扉を開けて新しい自分に変わったシオリのアイカツを歌った歌詞は、そのままシオリの軌跡でもあるのだなぁと。プラネットの楽曲も個人的に突き刺さるものが多くて嬉しい。
子供の頃のシオリが童話に夢を見たように、今シオリのステージが次の子ども達に夢を与えるものになっていたのが素敵。アイドル仕様のシオリ専用アバターも個性がより反映された可愛らしいもので良かった。
たとえ命綱を付けていたとしても実写で崖登りはあまりにも危険なので、プラネット内では崖登り、実写ではボルダリングで伝統を踏襲していた今回。まぁそもそも初代からしてあおい姐さんが作中で「普通のアイドルは崖とか登らないし」と言っているんだけどそれは置いておくとして。その性質については上述した通りなので、ここでは割愛。
体力特化の特訓に栞も思わず「これってアイカツ？」というかの美しき刃の名フレーズを引用してたりして、色々なところで伝統が受け継がれているのを感じられる一幕でもあったと思います。取り敢えず入れとけではなく物語を展開する上でちゃんと意味のあるものとして機能しているから私も肯定しているのです。それは上でも書いた通り。
あと個人的に崖登り以上に印象に残ったのが、オーディション時にさり気なく混ぜられていたチェーンソーでした。これってもしかしなくてもスターズのあの回でリリエンヌが大木を伐採したときに使ったチェーンソーを意識してるよね。伝統を踏襲し守ることの大切さと、その上で伝統を発展させていくことの大切さも説いていた回。故に今回の話のテーマにも直結すると個人的には感じている。
アニメ作品としてのアイカツシリーズとして築き上げられてきた伝統を、実写を交えたことで大幅に刷新することになった本作。良し悪しや賛否は置いておくとしても、その新しいことに挑戦する姿勢や気概という点において、このチェーンソーが秘めている意味って存外重たいものがある気もしました。まぁこじつけとか深読みしすぎとか言われたらそれまでなんだけど。
今週も強かった歴代キャストで固める布陣
これも伝統！とまでは言えないかもだけど今週も脇を固めるキャラ達のキャストがね。歴代主要キャラを演じたキャスト布陣なので強かった。虹野ゆめ、七倉小春、白百合姉妹、姫里マリアが関わっているオーディションとか濃すぎるし層が厚すぎるよ。
