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アイカツプラネット! 第13話 「ゆれる想い」 感想

アイカツプラネット! 第13話 「ゆれる想い」 感想

アイカツをする上で一番大切なことは―。

勝ち気であること、上昇志向が強いこと、頂点を取るべく完璧で在ろうとすること。どれも悪いことではなくアイドル活動をしていく上で、また高みへ至ろうと志す者にとって必要不可欠で大事なことだと思う。ただ、勝つことだけに執着し、それだけに捕らわれ固執することもまた違うのです。アイカツをする上で各アイドルが大切にすべきこと。大事にしなければいけない想い。

それ即ちそのアイドルの色であり個性と言い換えてもいいのだと思います。そのアイドルにしか出来ない強み。独特の味わい深さ。魅力的な部分は各人で異なるもので、息苦しさを感じながら誰かを真似して無理をしても輝きを放つことなんて到底叶わない。楽しくなければ見ているファンにだって伝わらないし、勝ち負けと同じくらい大切にしなければいけないことは確かにあるのです。

それを先代ハナを務めた明咲との出会いを通して舞桜が実感していく話運びが中々に憎いよね。各人によって異なるアイカツをする上で一番大切なこと。大事な想い。それこそがそのアイドル独自の個性や魅力を生み出す根幹にして原動力であり、先代である自分とは全く異なる魅力を備えているからこそ、明咲は自分の後継である舞桜に強く惹かれ好奇心を掻き立てられるのだろう。

先代の後追いではなく自分ならではのハナ像を創出する。自由であることを尊び、それを体現するような奔放さでグイグイ距離を縮めたきた明咲の迫力とか存在感に目を奪われがちだけど、舞桜が一クール目で決意し導き出した自分の進むべき道のりを、明咲が後押しして方向性を指し示してくれているような構図になっているところが興味深かった。

歴代シリーズと異なり物語開始時時点から今の今までトップアイドルと主人公に直接の面識がなかった本作だが、今回の話の中で描かれた二人のやり取りや関係性は、実にアイカツらしさを感じさせるものであったように思います。アイカツをする上で一番大切にしていることは何かを模索する回で、アイカツらしさを感じさせてくれたのが個人的に嬉しいところでした。

ともあれ陽明咲の本格参戦に伴い一気に色々なことが動き始めそうな予感満載の第ニクールの滑り出し。刺激を受けたキューピットもそうだし、明咲といずみさんの間に漂う確執というか気まずい空気というか。舞桜がハナを受け継ぐ前に何があったのかも気になるところだし、これから先の展開が楽しみになる回でした。

アイカツのトップアイドル勢は常人とかけ離れた思考や思想を持つ者が多いが、明咲さんも例に漏れずと言ったところでしたなぁ。物語と周囲の人物をどんな風に掻き乱してくれるのか。期待しよう。