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アイカツオンパレード! 第19話 「踊る♪バレンタインスイーツ」 感想

アイカツオンパレード! 第19話 「踊る♪バレンタインスイーツ」 感想

バレンタインスイーツを通して伝わる気持ち。

ネタ要素の中に見えるバレンタイン回のテーマを落とし込んだ話運び

アイカツシリーズでもすっかりお馴染みとなったバレンタイン回。チョコに限らず歴代の食に纏わる名物要素の数々。スイーツに縁のある歴代キャラの交流が至るところで飛び交い、とても癖が強く味わい深い内容でもあったんだけど、各種スイーツに纏わる思い出や逸話がイベントを通じて伝播し、各アイドルの意外な一面が引き出され、普段なかなか見られない光景が広がっているのが楽しい。

友チョコ義理チョコ本命チョコ。作中でも言及されていたように、日頃お世話になっている人へ感謝を伝える人もいれば、自分へのご褒美に用いる人もいるし、異性へのアプローチの手段と取る人もいる。一口にバレンタインと言ってもその意味合いや受け取り方は人によって大きく変わる。

ただ、非日常的なイベントだからこそスイーツ一つ一つのに纏わる各々の思い出は、象徴的なものとして後々まで色濃く残るし、普段なかなか言えない素直な気持ちを伝えられる良い機会にもなる。それこそが歴代のバレンタイン回で重視されていた部分であったと思うし、今回もその部分に関しては揺らぐことなく一貫したものとして描かれていたと思う。

家が飲食店や洋菓子店であるいちご、ゆめ、あいねにとって食の要素は、本人を形作る基幹となっている部分でもあるし、ポンポンクレープ・めでたい焼き・マカロン音頭はあおい、あかり、ローラ、みおにとってアイドルとして大きな転機となった要因でもある。それら主要キャラを形作る要素とアイドルとしての変遷。イベントとスイーツを密接に結びつけて描かれる様は秀逸。

基本は騒々しくも面白おかしいお祭り回なのは間違いないんだけど、楽しさの中にも先輩アイドルたちが辿って来た軌跡やメッセージが見え隠れし、らきがそれらを肌で感じながら、自分ならではの感謝の気持ちの伝え方を模索し、ラッキースイーツという形にしていく話でもありました。

歴代で描かれてきたテーマを踏襲しながらも、普段なかなか伝えられない自分の素直な気持ち。伝えたいことは何かに向き合わせていたのが見事でした。前回までで一区切りついていたからこそ出来たネタあり笑いありの思い切りの良いエピソード。今回の話を見るにあたって初代スターズフレンズの歴代バレンタイン回を復習するのもまた一興。より見えてくるものがあるかもしれないのでお勧め!

意外な選曲とステージ構成?あかり・ゆめ・アリシア・みおのステージ!

今回はいつも以上に予想外というか。必ずしもバレンタインに関連したステージにならずとも、例えば歴代のバレンタイン回で使われた楽曲や、お菓子を想起させるステージから来るのかなと思っていたわけですよ。まぁあかりやゆめはバレンタイン回に縁のあるキャラだし、みおもフレンズでメインを張って男性からの贈り物という新しい流れを生み出した経緯があるので、まだ分かるのです。

ただ、アリシア様に関してはあのかき氷の件からの「あるがまま」だったので面白さの方が勝ってしまう(笑)いや、あれもアリシア様ならではだし、冬にかき氷を食べてこそ美味しくてソルベット王国のかき氷が大好きという彼女の偽らざる気持ちの表れなんだろうけどね!でも、時期的にここを逃すと「あるがまま」を使う最適期を逃すという事情もあったのかもしれない。

往年の名物スイーツ要素集結!異色のコラボ要素も満載!

めでたい焼きやマカロン音頭を筆頭に、スイーツやお菓子に纏わる往年の名物ネタや懐かしのネタ満載で、見ているだけで幸せいっぱいお腹いっぱいになってしまう。めでたい焼きとマカロン音頭の共演は、フレンズの頃から夢見ていたことの一つだったし。ポンポンクレープの歴代キャンペーンガールの等身大ポップが並んでるのも壮観だったし、あかりの実演も当時のことを思うと感慨深い。

オタクトークに花を咲かせるあおいとみおコンビは見ていて楽しいし、寒さに対する謎のシンパシーで通じ合ってしまうツンドラの歌姫リリエンヌと氷の王女アリシアの件も、個人的にこういうの見てみたいと思っていたのが実現した形なので嬉しかった。謎の面白さとシュールさに溢れていてツボに入っちゃうわ!シルエットだけで並々ならぬ存在感と風格を感じさせためでたい焼き桜庭ローラさんに関しては言うに及ばず

あと、さり気なくらいちとももね。歴代主人公に連なるいちごの弟とあいねの妹の出会いが描写されていたのも気になる。エンジェルシスターズこそありましたが、それとは別に主要キャラの弟や妹がメインで何かをやらかすような回をちょっと見てみたい。らいちとシャルルのブラザーアイカツを見たいっていうのは前から言ってたけど。

バレンタイン回を彩る重要キャラ!忘れちゃいけないメンカツ勢!

バレンタイン回はメンカツ勢が活躍を許される貴重な場でもあるので、メンカツ勢の出番がもっとあっても良かったかなとも思うけど、すばゆめ筆頭に今回の下地になってるであろうスターズ組とM4の描写はあったし、初代で言うなら涼川先生に四ツ葉シェフ、フレンズからはかずね、かがみ、舞人とバレンタイン回に縁のある彼らに出番が用意されていたのが嬉しかった。これくらいがいい塩梅か。

すばゆめに関しては、そのライバル関係の始まりが他でもないバレンタイン回の時からだったし、今でも二人が変わらずライバルしてくれていることに安心する。今やS4の一角にして世代トップになったゆめは、レジェンド感が漂っていて初期の頃の面影が鳴りを潜めているんだけど、すばると接する時は初期の頃のような反応を見せてくれてそれがとても良い。

あの頃と比べて変わってないようで変わったあこにゃんもなんだけど、普段はなかなか見せることのない素直な気持ち・反応がここに見受けられるアイカツの、特にスターズのバレンタイン回のテーマが反映されているというか。朝陽と小春、かなたとあこも恋愛感情とかを抜きにしてもアイドルとして互いに影響を与えあってきた間柄なので。

近年の女児アニメはとかく百合推しの傾向が強く、実際自分もそれを喜んで見てる一人だけど、同時に雑食なのでノマカプはノマカプで良いと思うし、それによって幅や深みが出ることもあると思ってるので。まぁ今回何気に一番驚いたの涼川先生といちごちゃんのカットだったけどね!この二人も凄い特殊な関係性だし色んな意味で妄想捗る。

今週のらきちゃん

プレミアムドレスが完成するまでにお世話になった先輩たちに感謝の気持ちを伝えたい!ということで前回までの流れを受けてのバレンタインエピソードは、テーマ的にも相性ぴったりで自然な流れだったし、何より今回らきとあいねが基本二人でずっと一緒に行動していたのが嬉しかった

らきがデザイナー志望に依っていたのもあって、保護者パレットではなくピュアパレットが一人ずつらきと関わる場合に、元々デザイナーとしても高い素養を見せていたみおはらきの先導者たり得たのだけど、あいねが個別でらきの導き手になれる機会がなかなかなかったので。そこにきて今回の話は、実家がカフェでもあるあいねにとってまさに適材適所な絶好の機会でした。

上述したゆめのこととも重なるけど、ダイヤモンドフレンズになって以降、威厳と言うか貫禄みたいなものすら漂わせていたあいねが、今回はらきと一緒に喜んだり驚いたりしていて、初期の頃の反応を見ているようで懐かしくもなったどんな時も自然体で相手に素直な気持ちや反応を伝えられることが、友希あいねの魅力にして強みだと思うし、それが存分に活きた回だったんじゃないかな。

今となっては普段見る機会が減った素直な気持ちや自然体の反応というかな。そんなアイカツのバレンタイン回のテーマや意義みたいなものを随所で感じられたのがとても良かったと思います。フレンズでわかば相手にもっと見せて欲しかったあいねの立ち位置や役回り。それをらき相手に今回見られたような気がしてとってもハッピーでラッキーなのでした。