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劇場版アイカツ!10th STORY ~未来へのSTARWAY~ 感想

劇場版アイカツ!10th STORY ~未来へのSTARWAY~ 感想

思い出はきっと未来の中に――。

2023年1月公開の映画感想はこちら。

hisonobi.hatenablog.com

映画本編の感想

久しぶりの初代アイカツ!その新作エピソードが見られただけでもう幸せな私ですが、今回の映画も短い時間ながらも凄く濃密で満たされる。話としては本編の最終回の後からそれほど時間が経ってない地続きの物語であり正統派の続編、新規エピソードと言って差し支えない。狙われた魔法のアイカツカードやオンパレのようなお祭り感は抑えめで、自分たちの未来の在り方と真剣に向き合う本格派のお話でした。

タイトルにもあるようにスターライト学園の卒業を半年後に控えたソレイユの三人を筆頭に、いちご世代のアイドルたちが未来への道筋を見出す内容で、それに併せてコスモスとしていちごの横に並び立ったあかりが、新たなスターライトクイーンとして憧れの人を追うのでもなく、大きな目標を達成した後に新しく何を見据えて歩み出していくのかというところに焦点が当たる内容で。

まさに初代アイカツを牽引してきた二つの世代。その代表格とも言うべきいちごとあかりが積み重ねてきたものの重み。作中期間でもリアル期間でも長い年月を共にしてきたからこそ生じる感慨深さ。コスモスとしてのいちごとあかりのやり取りは、それがあるからこそ感慨深さも増すし、二人の関係性や呼称の変化も未来へ向かう為の転機の一つとして作用していて印象深い。

あかりに対して「最初からファンだった」といういちごの台詞だけで私はもうやられてしまった口ですが、最初からずっと彼女を見守ってくれていたいちごと視聴者の心情が重なるからこそ込み上げる感情も確実にあると思います。正直コスモスとしての活動だけでも映画一本まるまるやれてしまうだけのパワーは確実に秘めているだろう。

でも、やはり今回はソレイユの三人がメインであり、スターライトに入学してから今までずっと一緒に居た三人が、卒業という節目を前に自分たちはこれからどうなっていくのか。例え離れることになっても何をしていきたいのかに向き合うことがテーマで、それに対するいちごたち三人の答えや仲間に向ける感情がもう尊くて心揺さぶられてしまう。

本編でもあかりたちルミナスの三人に対し、「三人でずっとソレイユを続けていくことが夢」だと語っていたように。いちごたちにとってソレイユはかけがえのない大切で特別なものなのです。それを踏まえた上であえて離れる決断をしつつ仲間の意を汲んで尊重する繋がりの強さ。いつかもう一度ソレイユとして集まった時に今よりもっと力強く輝く為に、それぞれの道を進んで頑張るという決意の強さ。

例え卒業を機に道が分かたれることになっても、三人の根底にはソレイユに対する強い思い入れに基づく繋がりがあり、それは決して揺らぐことがないことを感じられたのが凄く嬉しかったし、特に明確に自分のやりたいことを見据えているあおいに対し、いちご不在の際に蘭が深い理解を示し、その上で蘭も自分が進みたい道筋をいちご相手に切り出す流れも凄く良いなと思えた点でした。

「未来のことに一つの正しい答えなんてない。一番大事なのは自分の心に正直に決めること」という織姫学園長の台詞が象徴的で凄く印象に残った台詞でもあったのですが、あおいと蘭に比べると未だ明確なビジョンを見いだせてないいちごにしても、あおいと蘭のやりたいことを心から応援してること、何よりソレイユを大切に思う気持ちはハッキリとしていて。

コスモスとしての活動もしつつ、あおいと蘭のやりたいことを聞いた上で、いちごが最後に思いついた卒業記念ライブという発案。その先に当代のトップアイドル星宮いちごは、何を見出しどんな道を歩んでいくことになるのか。個人としてソレイユとしてスターライトを離れた先に続いていく未知なる道行き。いちごがどんな答えを仲間たちに、視聴者である我々に見せてくれるのか。

コスモスとして動くいちごとあかりを見られたのも嬉しかったし、いちご達のアイカツが終わることなくこの先へ続いていくことを感じられて有難かったのは間違いないが、本当に良いところで幕引きとなったのもあってね。ちょっと来年春が待ちきれないよ!

楽曲・ライブパートについて

まずOPとして用いられた「MY STARWAY」の時点でもう涙腺を刺激されてヤバいよね。楽曲もさることながら映像のカットも歴代キャラの歩みを感じられるものになっていて、導入の時点でテンションマックスにされてしまったもの。いちご、あおい、蘭の三人が並ぶカットなどは初代OPの「Signalize!」を彷彿とさせるものがあり、歩んできた道のりと積み重ねてきた時間の重みが感じられる仕上がりになっていたと思う。

挿入歌として用いられたコスモスの楽曲「星空のフロア」は、今回の映画の中でも最大の見せ場の一つであったことは間違いないだろう。本編最終回のラストで登場しフォトカツを経て本当にずっとずっと待ち望んでいたコスモスのライブを目の当たりにしてしまっただけでもうね。円盤が発売されたらもう繰り返し何度も見たいところでしたな~。

そして、締めに用いられたカレンダーガールが感情をまた揺さぶってくるのさ。もうカレンダーガールについては私などが今更語るまでもなく、そこに込められたメッセージが伝わろうというものだけど。スターライトで過ごすかけがえのない日々。その終わりを予感してる今だからこそ、改めて歌詞に込められた思いが伝わってくるというもので。

使用楽曲数自体は多くなかったけど、それでもやはり一曲一曲のインパクトは絶大でした。アイカツ楽曲の凄みを改めて思い知らされたよ。

2023年春に公開予定のアイカツ新作映画について

思い出はきっと未来の中に――。ということで公式ツイッターでも既に公開されてますが、映画の最後の最後に特報が出た2023年春のアイカツ新作映画が早くも楽しみなのです。内容的には最後にいちごちゃんが提案した卒業記念ライブを中心とした物語が描かれていくことになるのかなぁ。

今回の映画は尺で言うなら本当に短い部類で、時間にしたら通常のアニメ一話分より少し長いくらいの時間しかなかったと思う。OPとEDがあって本編内で挿入歌を用いたライブを行い、最後にまたまた復活したアイカツ格言で締めるという流れからしてテレビシリーズの構成を踏襲したものになっている。なので今回の映画は最終回の178話の続きで実質179話と言われても遜色ない内容に収まっている。

既に来春の映画で続きをやるのが決まっていたからなのか。OPでは映っていたドリアカ勢やWMの二人も今回の映画では未登場だったので、特報の知らせが映画の最後の最後で出た時に、そういうことかと得心した部分もありましたので。勿論短い時間ながらもコスモスの活動やソレイユの内面を描き心情を掘り下げる重要パートですし内容もてんこ盛りで濃いのは間違いないのだが、「大スター宮いちごまつり」や「ねらわれた魔法のアイカツ!カード」のように、基本的にそれ単体で完結している前二作の映画とは少し趣が異なる部分もあるかなと感じました。

それだけに本当に続きが気になるし楽しみで仕方がないのよさ!来年の映画がアイカツ!単独になるのか今回のプラネットとの同時上映みたいにスターズ、フレンズ、オンパレなどの新作エピソードも抱き合わせでくるのかも気になる。大スター宮いちごまつりみたいに単独且つ長尺の劇場新作が見たい思いもあるが…。スターズやフレンズの新規展開があるならそれはそれで見たいもんね。いや、悩ましい。

ともあれ久しぶりに供給されたアイカツ!成分を存分に浴びて明日を生きる活力をまた貰いました。アイカツは本当に私の生活において切っても切れない不可欠なものになっていると改めて痛感したよ。