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わんだふるぷりきゅあ! 第23話 「願い事はワォ~~~~~ン」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第23話 「願い事はワォ~~~~~ン」 感想

心に秘めた大切な願いや思いを七夕の短冊に込めて。

七夕お祭り回で皆の艶やかな浴衣姿を堪能しつつ、穏やかで緩やかなひと時を満喫する皆の姿に癒やされる。長きに渡り頑なだったユキや、どこか一歩引いたスタンスを取っていたまゆも、様々な経緯や葛藤を超えてすっかりチームの一員として溶け込んでおり、こむぎと他愛ない会話のキャッチボールを行う姿や、いろはに対する悟の思いに気付いた後のまゆの言動等にも、それが如実に表れていたように映る。

そんな和やかな時間を過ごす憩いの場がある一方で、今回は七夕の短冊に絡めて普段は心に秘めた願いや思いの交錯。それらの発露も見受けられて印象的な部分でもありました。思わぬ形で自分から正体を明かしたユキに対するすみれママの反応然り。未だ喋らずとも皆の様子を見て思うところがある気配を漂わせる大福然り。いろはへの好意を胸に秘することを改めて決意する悟然り。

いろんな人達の思いや感情が交錯しながらも、なかなかそれを表に出すことは難しい。だからこそ七夕というイベントが舞台装置として良い役割を果たしていたし、その中で普段ストレートに思ったことを全力で発露するこむぎが、改めて自分の願いと向き合う姿も際立っていた。こむぎが見た夢との絡みもあり、脳天気なだけではないこむぎの真摯な表情や言動も、ある種の重みを伴って映り込む。

願いとは即ち決意でもある。ああなりたい、こうしたい。それを実現するために自分は何をしたらいいのか。それを改めて思い返す意味合いもあり、願うだけではなく行動に移していくことの大切さも、わんぷりにおいては重要な考え方なのだと。いろはともっと仲良くなりたいというこむぎの願いは、彼女に人の姿とプリキュアの力をもたらし、大好きないろはと話すことが出来る大元になっている。

大切な人を守りたい。困っている動物を助けたい。世界中の動物と友達になりたいという願いは、ユキとまゆを更に深く結びつける要因となったし、人も動物も全て含めて仲良しになりたいと願ういろはの願いは、皆を一つに繋ぐ根源的な部分に通じている。然るに今回の七夕エピソードは、わんぷりがこの半年あまりの間に描いてきたテーマや育んできた精神。それによって生じた素敵な関係性。

それらを総括する意味合いが込められた内容でもあったんじゃないかなと思える。物語全体の折り返しを前に、今までのことを振り返りながらも、その中で築き上げてきた確かなものを実感し、それを受けてこの先の未来へ思いを馳せていく。こむぎの見た夢や途中で言及のあった絶滅という概念。そして最後のシーン等々。シリアス要素が待ち受けているのも予感させてくれるのは確かだ。

しかし、それに直面した時に何を大切にすべきなのか。何を拠り所として立ち向かっていけばいいのか。この先に求められる大切なことを改めて提示してくれていたように見えた。みんな仲良しワンダフル!こむぎが短冊と遠吠えに込めた大切な願い。決して容易ではない尊き願いが、皆で力を合わせることによって少しでも現実のものになってくれたなら。こんなに素敵なことはないのだろう。

自分の思いを胸に秘することを改めて決意する悟くんの言動が切ない。でも尊い!ともすればヘタレとも言われかねないかもしれないが、悟くんの場合はいろはが自分のことをどう思っているかを正しく理解した上で、大好きな彼女を本当に困らせたくない一心でこれを言ってることも伝わってくるだけに、もどかしさと切なさが募るであります。

いろはを見る眼差しや彼女に対する言動がもう本当に堪らんのです。報われて欲しいと「願う」のは、一視聴者である私の身勝手なものであることは重々承知しつつ。純粋さ故にくる無自覚さから悟くんを振り回すいろはさんも、本当に罪作りな御方なのです。

一方でいろはに対する悟の気持ちを察したまゆの反応が予想外だったというか。色恋沙汰に目の色を変えてグイグイ迫ってくるまゆは見ていて面白かったです。ユキですら思わずジト目で見てしまう程の、まゆの恋バナへの食いつきっぷり。この押しの強さが二人の関係に変化をもたらすキッカケになることは…果たしてあるのかどうか。色々な意味で今後の推移に要注目。

今回ある意味一番ビックリしたのが、すみれママに対するユキの正体明かしのシーンでした。話の流れそのままにそんなサラッと人型の姿を目の前で晒しちゃうの!?と驚いてしまったし、それを意に介した素振りも見せずユキの着付けを手伝いメイクを施し受け容れてしまう寛容さ。すみれママの懐の深さというか大物っぷりに更に驚かされてしまった。

すみれママ的にはまゆの姉妹で家族みたいな認識もあるのかもしれないが、わんぷりチームとしてだけではなく猫屋敷家の一員として、人の姿でも受け入れられたユキちゃんなのでした。思い返せば犬飼家の両親プリキュアのことを除いた裏事情を知ることになってましたし。これもある意味自然な流れだったということで。猫屋敷家の日常もこれからますます賑やかで楽しいことになりそうだ。