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ひみつのアイプリ 第13話 「情熱のグランプリコーデ」 感想

ひみつのアイプリ 第13話 「情熱のグランプリコーデ」 感想

普段はクールなタマキが心の内に秘めた熱い情熱。

パートナーであるサクラとの関係性に絡めたタマキの心の内に迫る見せ方が素敵。バラのように艶やかで華々しく咲き誇るサクラの輝きに触れ、自分はそれを際立たせる為の影であればいいと言い聞かせていたタマキだが、彼女が真に欲していたものは、引き立て役ではなく自分自身が光り輝きサクラの横に並び立つこと。そして何よりアイプリが大好きという自分の純粋な気持ちに準じることで。

もっと言うならサクラがどうこうという以上に、ファッションが大好きで歌うことが大好きな気持ちを爆発させること。その喜びに素直に興じること。それこそがタマキが欲し願い続けていたことなのだ。サクラに見合う存在になるからとかじゃない。自分が着たいと思うから。心をときめかせてくれると自らの内から沸き起こる衝動が訴えかけてくるからアイプリとしてステージの上に立つのである。

長きに渡りサクラという鮮烈な個の隣に居続けたことで、いつしか見えなくなっていた原初の思いと言いますか。尊敬の念を抱く彼女の横にいる為ではない。自分の大好きなアイプリを自分の為に突き詰めて、何より自分自身を輝かせることで彼女と並び立つに見合う存在となる。目的と手段の入れ替わりと言いますか。彼女の為ではなく自分の為にアイプリに邁進し、結果としてより強烈な個同士が結びつき高め合う関係性が生じる。

圧倒的な光を放つ個を更に昇華させる為に、自らの全てを賭し引き立て役に徹するタイプのキャラもいますが、タマキはそうではなく自分自身の大好きな気持ちに正面から向き合い、己を高めることでサクラと共に互いを輝かせ合う道を選んだ。コーデとアイプリが互いを輝かせ合う関係であるように。サクラとタマキもそうなれたことが何よりも嬉しいのです。

紫陽花の花言葉の如く。辛抱強く一途な愛を貫いてきたタマキが大輪を咲かせる姿を見られて何よりでしたし、自分の大好きを尊ぶアイプリの作風に則ったタマキとルビー=ラズリの掘り下げ回だったと思います。リンリンの反応を筆頭に、ルビー=ラズリに呼応する形でアイスマイリンの方にも兆しが見え隠れしてますし、今後の生徒会メンバーの活躍にますます期待したい。

今回は結構過去作オマージュと言うか。歴代シリーズを見ていた視聴者に向けてのファンサービス要素に溢れていた回でもあったかなと。ひまりが着ていたオムライスめんたいマヨワンピコーデとか。悩んでいたタマキが色々試していたレディアントアビスのコーデもプリマジ&中の人繋がりの要素でもあったので。こういうさり気ないファンサービスを今後も要所で見られたら個人的には嬉しい。