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わんだふるぷりきゅあ! 第17話 「私が、あなたを守る!」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第17話 「私が、あなたを守る!」 感想

全ては誰よりも大切で恩義のある大好きなまゆを守るために。

孤独だったユキを拾ってくれたまゆに、彼女が恩義を感じていることは知っていた。誰よりもまゆのことを大切に思い人知れず見守っていたことも分かっていた。それでもなお予想を遥かに上回るユキの感情の強さ。まゆに対してユキが抱く思い入れの強さに痺れてしまったし、遂に本人の目の前で言葉を発し、その感情の赴くままに言葉を介して自分の思いを直接的に伝えるユキの姿に打ち震えてしまう。

自らが孤独で寂しかったことも寒さに震えていたことも自覚していなかったユキ。そんなユキがあの雪の日にまゆと運命的な出会いを果たし、温かさを分け与えられた瞬間に、それらに耐えていた自分を思い知り、そこから救い出してくれたまゆに強い感謝と尊敬の念を抱き、彼女がそうしてくれたように自分も大切なまゆのことを守ってあげたいと願う。ユキの根幹にある感情がキュアニャミーとしての存在感と立ち居振る舞いをより鮮烈なものに昇華してくれている。

まさに、まゆに救われた温かさをもらった瞬間こそが、今のユキが生まれた瞬間と言っても過言ではない。同時に出会った当時に赤ちゃんではなく、自分で考えることが出来たユキだったからこそ、自らの意思でまゆと友達になりたいと願えたし、一方的に守られる存在ではなく大切で大恩あるまゆを守りたいと願えたのだと。物理的に危機からだけでなく、まゆが大切にしたいと想う彼女の思いも含めて守りたい。

ユキがまゆに対して抱く感情の強さが際立っていたからこそ、まゆの前で正体を明かし初めて言葉を交わして自分の思いを伝えるユキの思いもよりダイレクトに伝わっていたと思います。それ故にまゆに対するユキの思い入れの深さは半端なものではなく、彼女にとっての行動理念が全てまゆに帰結する程に強いこと。他のものがどうなろうと知ったことではなく、まゆを守れればそれでいいと過激な思想に走ることも頷ける。

その思いの強さが如何に凄いかを体現していたというか。本能的な恐怖からライオンのガルガルに一度は屈したこむぎに対し、ユキにとっては同じ猫科でありながらも脅威度で言えば猫より遥かに上であるトラのガルガルを前にし、まゆを守るために立ちはだかり敢然と立ち向かうところにも表れていたかと思います。

深々と降り積もる雪の如く。話せるようになってからも自らの思いを胸に秘め、長い時を経て積み重ねてきたからこそ、いざ言葉を発して思いを伝えた時のインパクトは強い。予想していたより遥かに強いまゆに対するユキの思い入れの深さに良い意味で驚かされたし、ユキの心情と共に描かれたキュアニャミーの正体明かしも含めて色々な意味で圧倒された回でした。

大切な相手と言葉を交わし思いを伝えたい。守られるだけではなく守りたい。お役に立ちたいという点で言えば、こむぎとユキで似通った部分はあるとも言える。しかし、まゆ以外には頑なな姿勢を崩さないユキを相手に、正体を知ったこむぎといろは。そして、遂に言葉を交わすことが叶ったまゆはどう接していき心の内に踏み込んでいくことになるのか。

言葉を交わせるようになったから通じ合えるようになることもあれば、言葉を交わせるようになったからこそすれ違うこともある。というのはこむぎといろはが喧嘩した回でも示されていたこと。まゆ以外がどうなろうと構わないスタンスを取るユキを目の前にした時に、主であるまゆは何を思いどのような言葉をユキにかけるのか。ユキの本格参戦で大きく動き出す物語。次回も楽しみ。

気高くきらめく世界!キュアニャミー!ということでこのタイミングで変身バンクが初解禁と相成った我らがキュアニャミーの変身シーン。猫特有のしなやかさや愛くるしさを取り入れ、躍動感を表現しつつもお姉さんポジとしての艶やかさも併せ持っていて、非常に見応えのある変身シーンに仕上がっていたかと思う。いや、この気合の入りっぷりといったら相当なものですよ。

実際何度も見返したくなりますしコマ送りして一カットずつクオリティの高さを噛み締めた次第です。ワンダフルやフレンディのそれとはまた異なる猫組ならではの味わい深さ。優雅で気品を感じさせるニャミーの変身バンクは、期待に違わぬ出来で満足度も非常に高いものでした。時期的にも追加戦士枠と言って差し支えない感じもしますが、初登場から実際に変身するところまで時間を置いただけのことはありますなぁ。

基本的に他者を寄せ付かせない。近寄りがたい雰囲気を纏いながらも、まゆに対してのみ見せる優しさと慈愛の精神に満ちたユキの微笑は反則的な破壊力を備えていてズルい。これだけでもユキがまゆのことを本当に大好きで大切に思っているからが伝わってくるというものです。その分だけまゆ以外に対しては苛烈とも言える対応も際立っているのですが。

滅私奉公の精神ではないですが、やはりプリキュアに選ばれる子って基本的には皆に分け隔てなく優しいとかね。ある種の使命感に満ちた子が多い傾向にあると思いますが、ユキほどまゆを守ること以外はどうでもいいというスタンスのまま覚醒してるケースも稀なのかなと。似たような子が全く皆無というわけではないが、それでもやはりレアケースであることは間違いない。

まゆ以外には警戒心もむき出しでツンツンしたユキを相手に、こむぎといろははどのように距離を詰めて心を開いていくことになるのか。いずれにしろ鍵を握っているのはまゆでしょうし、公私に渡りユキに依存している部分が多いまゆが、ユキを相手に自分の意思をハッキリ伝え、守られるだけではないと示すことが出来るといいよなと。

まゆをとことん危険から遠ざけたい一心のユキと、守られるだけで何も出来ない自分に複雑な思いを抱いているまゆがいるわけで。ユキからすればまゆ離れ、まゆからすればユキ離れが多少なりとも必要なのかもしれませんね。お互いに強い思いを抱き強く結びつきながらも繊細な距離感を保つ猫組二人の話がどう転がるのか。期待せずにはいられない!