密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

わんだふるぷりきゅあ! 第18話 「まゆの気持ち、ユキの気持ち」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第18話 「まゆの気持ち、ユキの気持ち」 感想

プリキュアシリーズ通算1000回の放送おめでとう!

シリーズにとって節目となる今回は、まゆに対するユキの重すぎるくらいの感情が迸る回でした。言葉を交わし意思の疎通を図れるようになった喜びや心地よくもむず痒い安らぎのひと時も束の間。こむぎといろはがそうであったように、言葉を交わし通じ合えるようになる一方で、相手のより深い部分に踏み込み、直接的に自分の思いを伝えることで却ってすれ違ってしまうこともあるのだ。

まゆのことを誰よりも大切に思い守りたいと願うユキの気持ちは本物であり、そのことは当のまゆだけでなくいろは達も認めるところである。まゆ以外の相手には容赦なく苛烈な言動を隠そうともしないユキの言動があればこそ、まゆを前にした時に彼女にだけ見せる慈しみの感情や優しげな眼差しが、ユキの偽らざる本心であり、まゆが何物にも勝る大切な存在と認識してることをより際立たせてもいる。

しかし、行き過ぎた愛情や度を越した思い入れの深さは、時に守るべき大切な相手を傷つけ縛る。さながら心を蝕む毒にもなり得るし、相手に不自由を強いることもあるだろう。自由の象徴的な動物でもある猫のユキが、大切に思うまゆとようやく自由に話が出来るようになって思いを交わしたはずなのに、結果として行き過ぎた過保護な束縛からまゆに不自由を強いることになるのも皮肉が効いていると言えるかもしれない。

大切な人を守りたい。出来ることなら危険から遠ざけたいし相手のことを尊重したい。ユキがキュアニャミーとして動く原動力。その根本にある思いはこむぎやいろは達も同じですし、まゆだってそこに関してはユキと変わらないのである。大切なユキが自分を守るために傷ついたり危ない目に遭うのは嫌だと考えるのは当然だし、一方的に守られるだけでなく力になりたいと考えることも至極当然な発想なのだ。

なぜならば、気弱で自己主張が控え目なタイプとは言え、まゆも明確な意思を持つ一人の人間だからである。自分の考えを伝えられない赤ちゃんでもないし言葉が通じない動物ではないのだ。だからこそユキも一人の意思ある人間として、本当の意味でまゆと向き合わねばならないのだろうと。言葉を介し話せるようになったからこそ対話することが必要なのだと。

自分の思いや考えを一方的に押し付けるのではなく、相手の気持ちも汲み取り尊重する。その積み重ねの先に信頼や友情。互いに思いが通じ合う関係性が成立するのであり、ユキとまゆは今まさにその始まりの地点にいるのだろう。何しろユキだって人の姿になって間もなく、まゆと直接話しをしたのは今回が初めて。最初から全てが上手くいくはずもなく様々な失敗や衝突を乗り越えた先に理想の実現があるもの。

プリキュアシリーズが積み重ねてきた放送回の重みを実感する節目の回に、ユキがまゆに対して抱く重みのある思いが迸る回と先にも述べましたが、先輩たちがそうだったように失敗や挫折、衝突を乗り越え今より更に深い尊み溢れる姿を見せてくれたら言うことはないのです。新たな一歩はこれを乗り越えた先にある!ユキとまゆがこれを乗り越え新たな歴史と関係性を積み重ねる姿を見守っていけたら良いよね。

話せるようになったからこそ今までの自らの言動を顧みて、途端に羞恥心に駆られて慌てふためくまゆが可愛らしくて堪らない。猫吸い安定、弱音を吐いて甘えまくる彼女を、時に嫌がりながらも全て受け止めてくれたユキが、人の姿になり話を出来るようになったと知ればね。色々な意味で悶えたくなる気持ちも分かろうというものです。

まゆのことなら全て知っていると断言するユキを前にして、今後まゆが何かあった時に今までのようにユキに甘える姿を見られるか否か。猫吸いする姿が見られなくなるのは少し寂しいなと思いつつ。今度は人の姿のユキに甘えるまゆという光景を見られるのならそれはそれでと思う自分もいる。そういう意味でもユキとまゆの今後の動向には要注目なのです。

プリキュアシリーズ通算1000回の放送。改めておめでとうございます!20周年記念作に位置づけられていたひろプリからバトンを受け取り、新たな歴史を現在進行系で積み重ねているわんぷりで、この節目となる瞬間を無事に見届けられたことが嬉しく感無量。20年間に渡り基本的にお休みすることなくずっと続いているコンテンツって改めて感がなくても凄いことだもんね。

積み重ねてきた歴史の重みを感じるとはまさにこのこと。商業的に振るわなかった年などもあったし、近年ではコロナによる放送の中断とかハッキングの影響での放送延期等々。特にコロナ禍の初期では先を全く見通せずコンテンツの継続がどうなるのかと危ぶんだこともあったのですが、こうして無事に節目を迎えられて何よりなのです。

プリキュアシリーズがこの先どれだけ続けられるのか。そもそも私がどこまでついていけるかも未知数ですが、コンテンツが続く限り今後も変わらず応援していけたらいいなと思っています。