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ひろがるスカイ!プリキュア 第37話 「ふたりは仲良し♡思い出の木!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第37話 「ふたりは仲良し♡思い出の木!」 感想

ましろとあげはの思い出の地の再訪。

田園風景が広がる地で二人の思い出の木を探す小旅行。ゆったりした時間が流れる土地を舞台にした話だったのもあって、全体的に落ち着いた空気感が漂っていた回でもありましたが、時間や思い出の積み重ねによって生じる変化と、それでもなお変わらずに在り続けるものの存在を意識させられる内容でもありました。幼少期のましろとあげはの馴れ初めも尊みに溢れていて良いものです。

二人にとっての思い出の木は、今は切られてしまって形を変えてブランコになっていたが、それは今でもリスにとって憩いの場として存在し彼らを育んでいるし、更に新たな芽吹きを予感させ力強く成長する兆しをも見せてくれている。その変化は緩やかでそれを実感するには長い時間が必要かもしれないが、確かに変わっていくものと変わらないものがあることを感じさせてくれている。

今回は他にもそういう要素が随所に見受けられるところが多く、ヤギのシロにしても大きさこそ変われど愛くるしさや人懐っこさは変わっていない。エルちゃんにしても最初の方は自分の足で歩いて散歩し、遊びは後だと促すツバサを逆に窘める姿を見せてくれている。その成長速度は緩やかで日々見ていないと感じ取れないくらいの微細なものかもしれないが、それでも確かに成長し変化していることを実感させてくれる。

幼少期は人見知りで内向的な側面が強かったましろも、あげはやソラ達との出会いや交流を経て、長い時間を掛けて少しずつ変化し、今はそれだけではなく毅然とした力強さを感じさせてくれる程に逞しく頼もしさすら感じさせる一面を表に出すようになってくれた。思い出の地を再訪し、かつての姿と今を重ねて見るからこそ変わったものとそうでないものが、より克明に浮かび上がるのではないかなと。

大切な思い出や居場所。それらを一つずつ積み重ねていった先に変化は生じていくものであるが、大切であったそれらが色褪せていくことはなく。ソラやツバサ、エルちゃんを加え交流の輪が広がり、大切な人たちと思い出の地を共に巡ったことで、かつての思い出の場所はより印象深く刻まれ、新しい思い出として積み重なり自らを彩るものへ昇華していく。

ましろとあげは。二人の思い出の木が、ひろプリチーム全員に共通する大切な思い出の一つとなったことで、二人にとってもそれらがより思い入れが深く掛け替えのないものへなっていく。変わらないようで変わっていく。思い出と時間の積み重ねによって生じる変化と、それでもなお変わらぬものを意識させることで、各人の成長が改めて垣間見える回でした。

ロリましろんとロリあげはさんの幼少期の馴れ初めシーンが堪らない。あげはが相手でも警戒心を露わにしているましろんの反応は可愛らしいし、今と同じように面倒見が良くて頼りがいのあるあげはのお姉さんっぷりも健在ですし。これらの反応や姿勢もまた変わったことと変わらないことの一つの表れと取ることもできるのだろうと。

あげはのましろん呼びもここから始まったんですなぁ。モジモジしながらあげはとお友達になりたいと切り出そうとするましろんが愛らしすぎる。もう今回はこの二人の幼少期エピソードを見られただけでも良かったと。そういう回だったかもしれない。うむ、ソラましも良いけどあげましもやはり良いものだ。長い時間を積み重ねてきた二人だからこそ醸し出せる空気。これもまた醍醐味。