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デリシャスパーティ♡プリキュア 第31話 「おいしーなタウンの休日 プリンセスゆい!?」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第31話 「おいしーなタウンの休日 プリンセスゆい!?」 感想

ゆいにそっくりなマイラ王女と入れ替わるでございます!

ゆいと瓜二つな容姿のマイラ王女と入れ替わることで巻き起こる一騒動。高貴な身分の御方と市井の民が似ていて入れ替わる展開は王道にしてお約束の流れなのですが、王族側の人間が庶民生活への興味本位とか知見を広げる為に入れ替わりを申し出るのではなく、おいしーなタウンでの食を満喫出来てないことを知ったゆいが、マイラ王女の為に一肌脱ぐところに、和実ゆいの性質が如実に表れていて味わい深い。

ご飯は笑顔を信条とするゆいだからこそ、この街での食事を堪能して幸せな気持ちになって欲しいと行動を起こせるし、ゆいのサポートを買って出てくれた仲間たちとの交流の中で、マイラ王女も食を通し自分の中にある好きを再認識するだけでなく、弱った心を奮い立たせる力をもらうことが出来ている。

きちんとした下調べと事前の準備があれば失敗しないというマイラ王女のスタンスも、お料理のそれに通じる要素があったと思うし、食や調理に纏わる要素を上手く絡めつつ一風変わったテイストの話作りが成されていたように感じられる回でした。あつあつご飯でみなぎるパワー!によって心に活力が満ち、好きな気持ちが心を奮い立たせてくれる。今回は肉体以上に心の栄養素に焦点が当てられていた回と言えるだろう。

ゆいとマイラ王女の入れ替わりによって生じた騒動も純粋に面白く、一口に拉致と言ってもそこに至るまでの経緯が執事でヒツジみたいな人に取り囲まれるという某アイドルタイムプリパラ並の突拍子もない流れでしたし、プリキュアの力を悪の組織から人々を守る為ではなく、困っている王女の為に尽力する形で行使するのも一風変わっており、お約束や恒例の要素を趣を異にする形で彩り味わい深さを演出してくれていた。

ブンドル団側からの介入が一切なかったという意味でも初めての回であり、視聴者目線で言っても心安らぐような感覚を味わえる。骨休め的な回というかシリアスとは無縁でリラックスしながら心の栄養を蓄えられる。そんな仕上がりになっていたのではないかと思える入れ替わり回でした。本来の使命とは別のところでも人の助けとなる。たまにはこういうテイストの回も良いものです。

入れ替わりによって生じるお馴染みのイベントの一つが既知の人物との対面。ゆい絡みで言うならやはり拓海の存在は欠かせないところで、ゆいと入れ替わったマイラ王女を見た時に、彼がどんな反応を見せてくれるのかは次回予告を見たときから気になってましたが、高貴なオーラや佇まいに一瞬戸惑いつつも、直ぐにゆいではないと見抜くところは流石である。

惜しむらくは今回対面したのが王女様だけだったことだろうか。プリンセスゆいを見た時の拓海の反応も叶うなら見てみたかったところである。綺麗な姿に着飾ったゆいを見るのは来るべきときが来た時ということで。

上述したヒツジ姿の黒服に取り囲まれる描写を筆頭に、コメコメに縄を解いてもらうのではなく自力で引きちぎるゆいのパワープレイだったり、マイラ王女に変身口上を聞かれて思わず顔を手で覆うマリちゃんだったり、誤魔化す為とは言え謎のデリバリーサービスを始めるプリキュア一同だったり。今回は要所要所で突拍子もない行動を取ったり意外な流れに傾いたりで楽しい画が多く見受けられて面白い。

ゆいはある意味いつも通りかもしれないがこれもブンドル団が関わっていない影響が出たところと言えるのかもしれない。日常よりは特別だけど世界を脅かす程の危機でもない。プリキュア世界の基準においては珍しい部類の状況故に生まれた各人の反応だったと言えるかも。また機会があればこういう感じの話を見てみたいな。