プリティーシリーズの新たな歴史がここから再び紡がれていく。
遂に発表されシリーズ最新作『ひみつのアイプリ』。作品タイトルや文字のポップさも相まって、かつて「テクマクマヤコン」で一世を風靡した偉大なる先達『ひみつのアッコちゃん』を想起させらる感じもありましたが、偶然見つけたアイプリブレスによって普通の自分とは異なるもう一人の自分になる点などは似通ったところがね。そう考えると時代を先取りしすぎていた感も増す気がする。
それは置いておくとしてもキャラクターデザインから受ける印象。そして『アイプリ』というタイトルも相まって、プリティーシリーズの新作というよりアイカツシリーズの新作という印象がないわけでもないんだけど、それだけにシリーズの歴代作とはまた異なるものを作り上げていく気概の表れかもしれない。実際PVで流れたアニメパートは私の期待値を上げるのに十分な雰囲気を伴っていた。
プリマジで御芽河あうるを演じた藤寺美徳さんは、あうるとは全然印象の異なる可愛らしい声質で遂に主人公の青空ひまりを演じてくださいますし、星川みつきを演じる平塚紗依さんは、新人とのことですがクールとラブリーの中間にいそうなみつきをどのように演じられるのか楽しみです。
キャストの陣容からも前シリーズを知る人と新たに入る人が合わさり、新たな礎を築いていくことを予感させてくれているような気もします。プリティーシリーズの生き証人であるめが姉ぇさんは…。まぁどこかで出てくるでしょうよ！
ただ、懸念点というか気になる点がないわけではないのもまた事実で。今作から今までシリーズの礎を築き上げてきたタツノコプロや、美麗なCGを仕上げてきた歴戦のタツノコCG班が制作に関わらず、制作側の陣容も大きく様変わりするのは気がかりと言えば気がかり。
特に近年のプリティーシリーズ作品は、確かな技術と経験を積み重ねてきたタツノコCG班の圧倒的なモデリングやCGの技術に支えられていた側面も大きく、そこがコンテンツとしての強みでもあり見どころでもあったと個人的には思っているので。プリティーシリーズではないけど直近だとポルプリのCGは、やはり圧倒的なクオリティで本シリーズで培った技術と経験の正当進化を感じさせられというのもある。
故に今回のPVで流れたライブパートと思しきシーンのCGは、やはり色々と試行錯誤をしている段階でまだ荒削りというか今までの歴代作とは若干異なる印象を受けるものになっている。ただ、それが悪いというのではなくて。上にも書いたようにこれまでと同じではなく、ここから再びシリーズを積み重ねていくに当たって新しいものに挑戦していくことで生まれる進化の余地を残しているとも言えるのではないかなと。
バズリウムチェンジや筐体のパートでも触れられていたように、歴代シリーズの諸要素を思わせるものを取り入れつつも、それだけに留まらない。タツノコ制作陣とは違った魅力や強みが生まれていってくれるのなら、それは嬉しく喜ばしいことだし私も応援していきたい。
とまぁザックリではありますがアイプリの発表に際して私が個人的に思ったことや感じたことを書き連ねてみました。コンテンツ全体で言うなら発表から度重なる延期を繰り返して満を持して世に送り出したはずのアドパラも、初動で完全にコケてリカバリー出来ないまま尻すぼみになっている感じもするし、ある種の危機感みたいなものは常に抱いているのです。最近ゲーム環境は結構改善されたけど初動で躓くとやっぱ厳しいよね。
あとプリマジが終わるときにも言ったような気もしますが、シリーズとして一度区切りを付けた上で、一定の休止期間を挟んで送り出す最新作『アイプリ』が、思うようにいかず振るわないと本当にシリーズの趨勢に関わってくるだけに本作の位置づけは非常に重要なものになると思っています。制作サイドもその辺は重々承知の上だろう。
だからこそ次の新たな10年の礎として本当に成功して欲しいし、何よりも純粋に楽しめる作品になって欲しいと心から願っています。放送は今年の4月からということで放送枠がどうなるかも気になるところ。全ての始まりのドアサ枠に回帰するのもいいが、やはりプリマジをやっていたテレ東日曜10時枠が濃厚か。何はともあれ春から再始動するプリティーシリーズの最新作。アイプリの辿る軌跡を見守っていきたい。期待してるぞい！
