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アイカツオンパレード! 第14話 「スマイル♪にゃんばーワン」 感想

アイカツオンパレード! 第14話 「スマイル♪にゃんばーワン」 感想

笑う門には福来るやで!

自由奔放さの中に潜むゆずやニーナの揺るがぬ矜持が光る!

アイカツオンパレードの新年一発目のエピソードは、ゆずっとリリィ、堂島ニーナ、ハルカ☆ルカ、夏樹みくるを迎えての騒がしくも楽しいバラエティ回。新年初笑い的な意味で時期的にもピッタリな内容でしたが、動物やお笑いに縁のあるアイカツアイドルを集結させることで、一癖も二癖もあるアイドル達のより多様な交流を楽しむことも出来た。

アイカツアイドルにとってのアイカツは、歌って踊ることだけに留まらず、幅広い分野での活躍が求められる側面もあり、らきにとって番組の構想段階から携わり、自主的にコーナーを創設しつつ、バラエティやお笑いへ初挑戦した経験は、彼女の新しい扉を開いてくれていたとも思う。歴代主人公もバラエティを通じて大切なことを学んできた経緯もあるので、その道を辿ったとも言えるだろうか。

属性特化じゃないけど主に異なる世界の主要キャラ同士の出会いや交流が主だったところにあった一クール目を経て、ここから先は少しニッチな部分というか歴代の本編で登場しつつもあまり出番の貰えなかったキャラにもスポットライトが当たる機会が来るのではと思わせてくれる内容でした。今回なかなかに強烈な再登場となったニーナやハルカ☆ルカはその筆頭といえる。

ニーナやハルカ☆ルカの存在感があまりにも強く、あのらきですら個が薄まっているのだから凄い。でも、こういう主要キャラ以外のキャラ同士が交流を深め、こうして日の目を見る展開を拝めるのもオンパレの利点であることを改めて感じた次第です。らき達の預かり知らぬ所でも各アイドルがこうして交流を深めているだろうし、多様性という名の広がりや深みは増すばかり。

アイカツは人を笑顔に元気にする。元気は貰う側だけじゃなくあげる側も元気になる。見ている人を笑顔に、元気にする為に表からは見えないところで皆が何を考え、その為にどういう思いを抱きながら動いているのか。彼女らの立ち居振る舞いからもそれが見える回でもあったし、ゆずやリリィ、ニーナの言動に学ぶべきことが多い回でした

特に感性全振りタイプで自由気ままに動いているように見えるニーナやゆずが、実はそれだけじゃない矜持や思慮深さも併せ持っていると示してくれたのは嬉しかったなぁ。らきやハルカ☆ルカが居てくれることで、彼女らのそういう一面が際立つし、相乗効果を生み出していて理想的なキャラ配置だったと思います。

自分だけじゃなく作り手と受け手が互いに生み出す相乗効果。元気と笑顔の好循環が周りに与える影響。面白くて頼もしい先輩たちとの共演を経て、らきはまた一つ大切なことを学べたんじゃないかな。前回とは打って変わって明るく元気なゆるふわ回。難しいことは抜きにして純粋に楽しく見させてもらいました。今年もよろしくね、アイカツ!

独特の感性が光るハニキャ、ゆずリリ、ニーナステージ!

動物猫耳モンスター!今回ステージを担当したアイドルそれぞれが各世界でも屈指の個性派揃いで、その感性をいかんなく反映したステージは、動物等の共通点を持ちながらもどれもが独創的で違う世界観を表現しており、比べて見ても面白いなと感じるところでした。

ハニーキャットの個×個はフレンズで結構使われることがあったけど、ゆずっとリリィのアニマルカーニバルとニーナのミエルミエールは、本編でも使用された回数が限定的で少なかったので、こうして再びテレビシリーズ本編で日の目を見ることになって嬉しい限りなのです。どちらも他にはない独特の凝った仕掛けやステージ演出が盛り込まれていて好きなんだよなぁ。

似て非なる賑やかアイドル!ニーナとハルカ☆ルカの対照性!

堂島ニーナとハルカ☆ルカが本編に再登場して台詞を喋る!この二人がメインを張って話が進行するという事実だけでも嬉しいんだけど、どちらもインパクトある存在ながら本編では物語の都合も相まって、限定的な登場に留められてしまった面もあったので、こうして活躍する姿を見られて本当に嬉しい。

ニーナは各地のローカルアイドルが脚光を浴びる展開の中で、ののリサやあまふわなでしこの二人ほど出番に恵まれず、他キャラとの絡みも主にルミナスと珠璃に限定されていたし、ハルカ☆ルカもゆめ達と同世代のS4でありながらも、海外留学やその他の事情で他キャラはおろか同じS4メンバーとの交流も非常に限られていた側面があった。その意味でこの二人は似てるところがある。

ただ、そんな二人の今回の描かれ方は実に対照的なものになっていて、それも面白かった。ニーナはお笑いを愛しお笑いアイドルである自分に誇りを持っている子だけど、素の姿はアイカツキャラの中でも屈指の常識人で、お笑いアイドルとしての姿も披露するネタも言動も、自らの経験や緻密な実地調査等に裏打ちされた計算に基づくタイプで、今回もその点はしっかりと描写されていた。

対してハルカ☆ルカは特別ゲストの飛び入りで、相方になったみくるを翻弄し、まさに自分の感性に従い自由奔放に振る舞う姿が描かれていた。どちらもパッと見はおもしろ担当の賑やかせ役。でも、そのおかげでゆずにお説教されることになり、同じ奔放タイプのゆずの譲れぬ一線や矜持を引き出す役割を担ってくれていた。今回EDで「プライド」が使われたのも、この辺りが要因となっているのかなと。

堂島ニーナは常識人の上に計算で成り立つおもしろキャラであり、ハルカ☆ルカは天然物のおもしろキャラであったが、人を元気にして笑顔にする楽しませ方も一つでなく、多様性に満ちていることを二人を通じて示されていたようにも見えた。ニーナだから引き出される物があり、ハルカ☆ルカだから引き出される物がある。その性質の違いもまた面白い。

今週のらきちゃん

開幕でゆずリリの二人にダイナミックに拉致されたり、ニーナと一緒にお笑いアイドル扱いされて戸惑ったり、クイズで先行したハニキャとみくるとハルカ☆ルカを見て焦ったりと、普段は周りを翻弄して振り回す筆頭のらきが、逆に翻弄される側に回っているのが見ていて楽しい。らきを振り回す側になれるキャラが一堂に会していたと思うと、それだけでもう濃いもんね。

でも、騒々しさや面白さの中にも、先輩たちが大切にしていることや貫いている矜持をしっかりと感じ取ってもいて、貴重な共演と初めてのバラエティ挑戦の中にあって、見ているところはきちっと見ていて学び吸収していっている。

そこは流石の主人公であり、今回の一件もまたらきが自らのドレスの込める思いに結びついていくのだろうと確信させてくれる。一つ一つを積み重ねて繋げている我らがらきちゃん。今年のらきちゃんのアイカツもやはり要注目なのである。