面倒見が良くて優しい真実夜チィは最高のアイプリの一人。
未だ謎めいた存在であるつむぎのアイプリデビューもさることながら、やはり今回は現時点で賑やかし要員としての印象も根強い真実夜チィの掘り下げがなされたことが一番印象深い内容でした。お調子者で自分が目立つために何をすべきなのか。周りにどう見せるのかを常に考えている節がある彼女だけど、一方でアイプリに疎いひまりや新人のつむぎに対する気配りや面倒見の良さ。
心優しい性格でお人好しな側面が光っていて、その人柄に否応なく惹かれてしまう。そんな魅力を兼ね備えている子であることを、視聴者である我々にも切実に訴えかけてくる。表向きで見える彼女の分かりやすい一面は彼女の本質に非ずと言いますか。誰よりもアイプリが好きで誰よりも真剣に取り組んでいて誰にも負けないくらいの情熱を胸の内に秘めている頑張り屋さんでね。
こんなの大きなお友達の多くが好きにならないはずがないし、本来の視聴ターゲットである小さなお友達も好きになってしまうこと請け合い！というくらい属性てんこ盛りなキャラクターで見ていて楽しいし自然と応援したくなる気持ちが芽生えてくるようなタイプのキャラクターであることを、改めて実感させてくれるチィの掘り下げ回でもありました。
フレッシュ故に楽しさが弾けているひまり達や、自発的ではなく明確な目標を持たないつむぎとは、ある意味で対極に位置しているとも言えるチィ。それだけに目的意識を持ちプライドを懸けてアイプリに挑んでいる彼女が、自分よりもアイプリ歴が浅く、言い方はアレですが意識も低いひまりやつむぎに、自分より先んじてバズリウムチェンジを成し遂げられることに思うところがないはずがないのである。
当然悔しいと思う気持ちだって湧き上がるし、自分の不甲斐なさというか才能の乏しさを突きつけられ、負の感情で満たされるのも至極真っ当な反応なのである。でも、チィはそれを少なくとも表立って見せようとはしなかったし、その暗い気持ちのままにひまりやつむぎに当たり散らしたり嫌味を言うようなこともしなかった。モヤモヤを心の内に留めつつ、それでも必死に前を向こうとしている。
そこにもチィの人柄の良さが表れていたように感じる。表向きは明るくお気楽な言動が多めで道化のような役回りを見せながらも、その裏で人知れず悔しさを噛み締め、それでも目指すところは揺るがず諦めることのない芯の強さを併せ持つ姿を見せてくれたのである。それが純粋に格好いいし作中のみならず視聴者目線でも皆に愛されるアイプリ像を体現して見せてくれたんじゃないかなと思えたのです。
気苦労も多いだろうし立ちはだかる壁も多いだろう。それでもチィには困難にめげることなく自らの夢見たことを実現するべく、彼女にしか出来ないアイプリ道を邁進していただきたいと願っている。単純なので私も今回の話を見ただけでもすっかり虜にされた口なので、これからも全力でチィのことを応援していきたいのです。頑張れチィ、負けるなチィ！
ひまりと同様に初めてのステージでバズリウムチェンジを成し遂げたつむぎのデビューライブ。楽曲のイメージやステージ演出のそれは、ひまりのものとは別物で視聴者の目線では異なるステージに感じられるのだが、作中の多くのキャラがつむぎのステージにひまりの姿を重ねる程の性質の近さを感じており、最初は真似すればいいという助言を忠実になぞった再現力の高さに目を奪われる。
出自の曖昧さとか普通の人間とは異なる超常の存在ぽい立ち位置。独特な感性を持ち合わせていて言動も普通のものとは異なるところ等々。レインボーライブの初期りんね、プリパラの初期ファルルの要素が組み合わさったかのような印象も受ける。基本は天才肌のタイプなのも含めて。
ただ、つむぎに関してはまだまだ分からないことの方が多いし、ライブ後に描かれた青空家に飾られている幼少期ひまりの写真立ての意味深演出などね。オープニングのカットも含めて、まだまだ我々の知らない秘密が隠されていそうで今後の情報の開示にますます興味を惹かれるところであります。
知らないことは時として罪である。ということでみつきとひまりの二人にとって特別な意味を持つ「ひみつのおまじない」を、みつきがいないところでつむぎ相手にやってしまうひまりの無意識の行動がもたらすものは。ひまりとしては緊張しがちで人見知りの自分を勇気づけてくれる特別な行為を、つむぎ相手にしてあげて緊張しないようにしてあげたい一心からの行動だとは思うのですが。
それを見た周りがどう思うかはまた別問題ということで。人知れず悔しさを噛み締めているチィに対するつむぎの感謝の言葉にしてもそうですが、純粋な感謝の気持ちや無自覚な優しさすらも、時と場合によっては相手を傷つけることもあるということで。つむぎとの関わりが深くなるにつれて、みつきがどんな反応をするのかというのが次回の肝でもありそうですし見ものです。それにしても我らがひまりちゃんは無自覚ながらも罪作りな女だぜ！
