密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~ 第4話 「ひすいの秘密」 感想

魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~ 第4話 「ひすいの秘密」 感想

まほプリはやっぱり家族の物語であることを改めて感じさせられる。

ひーちゃんのごっこ遊びに疲労困憊のみらい、子どものネット周りの情操教育に苦心するリコ、そしてひーちゃんの育児方針の微妙なズレや魔法ガールの活動の忙しさの最中、子どもの前で言い合いまでは行かない愚痴を零し合う二人を宥めるモフルン等々。夫婦喧嘩の様相を呈しつつも反抗期を迎えた愛娘の育児に苦心するみらリコの新婚生活さながらの日常描写が見ていて微笑ましい。

急激な肉体の変化にひーちゃんの心の成長が追いついていないとは今回のアイルの言でもありますが、自分の出自も根源もよく分からず、その状態で大好きなみらいとリコが大切な存在と語るはーちゃんとの類似性を折に触れて指摘され、ひーちゃんの中ではやっぱり自分というものが未だ確立出来ていないのだと思います。みらいとリコの周りにいる大人たちも口を揃えてそう言うから尚のこと。

だからこそ、ひーちゃんは子供らしい自己主張とは別に自分の存在意義を確立しようと躍起になっている側面もあるのだろう。皆からしたら似ているように映るかもしれないけど今ここにいる自分はひーちゃんなんだよと。大好きなみらいとリコにも自分をひーちゃんとして見てほしいし、話に聞くはーちゃんと同じように自分だってみらいとリコのお役に立てる。力になれる。

子供らしく親に構って欲しいという欲求を見せる一方で、自己存在を刻みつけるように自分は子どもではなく大人なんだと主張するのは、過去の記憶も出自も曖昧で不安定なひーちゃんの不安な心の表れ。それが強く顕在化したものと捉える事もできるだろう。そして、我が子を見守るみらいとリコの眼差しと、ひーちゃんの自己主張によって家族の在り方や各キャラの特性が改めて見える構成は見事だと思います。

かつてのリコもまた自分は失敗していない。出来るんだという意地を張る一面がある子でしたが、成長した大人の目線で子どもを見る自分がいる一方で、父リアンとの対面とひーちゃんの幼くとも鋭い指摘によって、ただの我儘だけで周りを振り回しているわけではないこと。今の彼女が抱えている不安。親が子どもを思う気持ち。その両方の立場とかつての自分の姿を重ねて気づきを得るという見せ方も良かったなと思うところです。

親の心子知らずとはよく申しますがそれだけに留まらず、特異性のあるひーちゃんの出自や現況。それらを踏まえつつみらリコの大人としての立場や視点を交えることで、時間軸的な縦方向と横方向の広がりを感じながらも、各キャラの変化や特色を巧く表現することが出来ていたと思います。ひーちゃんだけでなくリコの視点と意識の変化を追うことで、より奥行きや深みを感じられるのが素敵でした。

みらいとリコ、モフルンにとってはーちゃんは掛け替えのない大切な存在であることは間違いないが、今自分たちの元にいるひーちゃんのことだって同じくらい大切な存在であることも揺るがない。そして、はーちゃんがそうであったように、ひーちゃんがみらいとリコとモフルンのことを大好きなことも揺るがない。在りし日と同じように我が身を危険に晒し命を賭しても守りたいと思える程に大切な存在がいることを。

あの日と変わらぬ家族を思い合う皆の姿が。コミュニティの形がここにあるのです。同時に大切な人を守りたいと思う気持ち。大切な人の幸せを願う心。それこそが本作の魔法の根源にあるものであり、強い願いが奇跡を呼び起こす強い力となることを。本作において願い=魔法であることを改めて示してくれたのと同時に、まほプリはやはり家族の物語であることを感じさせてくれました。

強く純粋な願いが魔法の力を呼び覚ます。ひーちゃんが一時的とは言え魔法の力を発現させたのも、はーちゃんを引き寄せたのもみらいとリコを守りたいと願う強い気持ちがあればこそ。今のはーちゃんがどうなっているのかは未だ分からぬことも多いのですが、二人のことを大切に思うひーちゃんが心身ともに成長し自己を確立していった先にどうなっていくのか。

内なるはーちゃんへと至るのか。はたまた完全に別個の存在として確立されていくことになるのか。今後のひーちゃんの成長に要注目なのです。しかし、ひーちゃんはまたはーちゃんとは別の意味で大変なおませさんでもあって。はーちゃん七変化回とは違う形でみらいとリコのことを振り回してくれていたかなと。年頃の娘の心は難しい!

大学生になっても勝木かなさんは見た!ということでまゆみも感じていた往年の懐かしいノリ。お約束のネタをここで回収してくれて嬉しい。前回戦闘後にトパーズスタイルの姿のままで一般市民に見られてそそくさと退場していたみらいとリコがいましたが、大学生になって魔法少女コスで街中を歩き回ることに若干の気恥ずかしさを感じているみらいを見られたことも印象的でした。

魔法つかいを見た!ということで魔法を目撃する一般人という立ち位置でキャラを確立したところもある勝木かなさんなので。今でも不思議な存在と邂逅し目撃してしまう宿命を背負っていること。しかし、当時と違って今はその彼女の言を信じてくれるパートナーまゆみが隣にいてくれる有り難さを改めて噛み締めた次第です。