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デリシャスパーティ♡プリキュア 第41話 「メリークリスマス!フェンネルの大切なもの」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第41話 「メリークリスマス!フェンネルの大切なもの」 感想

遂に明かされる黒幕ゴーダッツ様の正体。

ここ数話だけで見ても不穏な気配を随所で醸し出していただけに、フェンネルが全て裏で糸を引く黒幕なのではないかという推測は十分に成り立つ流れでしたが、あまりに怪しすぎるが故に逆に怪しくないパターンもあるのかなと思っていた。しかし、蓋を開けてみればやはり怪しさ全開であり、その正体はプリキュアやクッキングダムと敵対するブンドル団の団長ゴーダッツその人でありました。

クッキングダム側の警備がザルなところもネタにされたりしてたけど、国王夫妻が誰よりも信を置く国の重鎮にして守護者でもあるクックファイターの長が、全てを操る黒幕であった以上、間隙を縫うように裏をかかれるのも無理からぬ事。クッキングダムやプリキュア側の事情が筒抜けである以上、襲撃を受けたり、おいしーなタウン以外の地で密かにレシピッピを収集・強奪されていたことの合理的な説明が付いたとも言える。

フェンネルの生い立ちや彼が辿った境遇。兄弟弟子のような関係性にあったシナモンとの確執に関しては、未だ断片的な描写に留められてはいるものの、ある程度は推測が可能なくらいには描かれているが、彼がどのような感情を抱いて歪みながら成長していったのかが今後の焦点になるのかなと。おむすびが紡いだ縁結びが、この一連の騒動の発端になっているとは何と皮肉が効いた関係性だろうかとね。

マリちゃんやフェンネル自身が語ったスペシャルデリシャストーンを受け継ぐべき後継者。本来は二つを一人で継承するもので、非常に優秀と語られたシナモンが後継者と目されていたことも言及された。憧憬の念を抱いた師匠ジンジャーに対する少年フェンネルの純粋な感情。その師匠が連れてきた弟弟子シナモンとの出会い。その後の二人が辿ったであろう経緯。

シナモンを追放したのもやはり後継者の立ち位置を奪った彼に対するフェンネルの嫉妬が原因なのかなと思えるところだが、その全てを欲し手にしようとする強欲さ。強奪してでも事を成そうとする危険な一面を師匠であるジンジャーはある程度見抜いていたのかもしれませんね。この辺りは今後の展開で描かれそうですが、今回だけでもフェンネルのシナモンに対する複雑な思い。

憎しみ混じりの大きく強い激情は十分に感じ取ることが出来たので。少なくとも少年時代や出会った当初は純粋な気持ちを持っていたフェンネルが、その成長の過程でどのように歪み負の要素や感情を糧として育まれていったのか。シナモンに対してどのような感情をぶつけるのか。事ここに至って内ゲバ要素というか身内の骨肉の争いに巻き込まれた形にもなってきた気がするデパプリの物語。

今回に関しては若干蚊帳の外に置かれた感じもするプリキュア達が、歪みきってしまった大人に対して如何にして向き合うのか。いよいよ黒幕の正体も明らかとなり物語も大詰め!食をテーマにした本作の終着点がいかなるものになるのか見届けていきたい。しかし、この状態で年越しを迎えることになるなんて。続きが早く見たいですなぁ。年明け一発目の展開を楽しみに待とう!

今回はクッキングダム側の事情とフェンネルとシナモンの確執の方に焦点が当たっていただけに、クリスマスエピソードでもプリキュア達の存在感が薄かった気もするが、プレシャスとセクレトルーの衝突は一つ見ものでした。もはや強迫観念に囚われるかのように完璧を追い求めるセクレトルーの激情と、それを真っ向から受け止めるプレシャスのぶつかり合い。

双方の主張には大人と子供という立場。年の差から来る物事の考え方や経験則が感じられるところもあるが、年を経て再開したシナモンとフェンネルの衝突もまた、プレシャスとセクレトルーのそれに通じるものがあるのかもしれません。互いに異なる道、違う時間を生き積み重ねてきた者たちの衝突と激情。それらが交錯した果てにどのような決着を見るのか。セクレトルーさんの行く末がどうなるかも見ものである。しかし、髪を下ろしたセク姐さんもまたこれはこれで良いものだ。

この回に限って言えばクッキングダム側のキャラに主軸を持っていかれてしまった感もあるプリキュア一同。しかし、冬の装いで画面を華やかに彩ってくれたのが有り難い。ここがなければクリスマス要素皆無な回になりかねないし。プリキュアの年間スケジュール的にも冬の服装を見る期間って限られてるし、これはこれで貴重な一幕とも言えるだろう。何気にラスボスが同伴してるクリスマスパーティーだしレアよね。