
何かを、誰かを好きになる気持ちが人生をより彩り豊かなものにしてくれる。




ひまりのクラスメイトである早乙女小町の初恋を応援するべく奔走した今回のお話。良家の子女らしくお淑やかで成績優秀。自己を律して控え目で大人しく自己主張をするタイプではなく、まさに古き大和撫子の概念を体現したような小町のキャラ像でしたが、厳格な過程で育てられ家の方針に従うことに疑問を抱くことなく日々を生きていた彼女を変えてしまう程のパワーが恋の病にはある。
今までの人生で触れる機会すらなかったこと。自分の常識や概念の範疇に囚われない人に出会い、刺激を受けることは往々にしてあるかもしれませんが、タマキをして頑張り屋すぎて窮屈さを感じる生き方をしていた小町にとっては、その傾向が更に強く出たと言えるかもしれません。反動ではないけど自分を律し抑えつけていたからこそ恋の病という熱に浮かされてしまうのも無理からぬことで。
また、自分とは真逆のタイプや自分にないものを持つ人ほど気になり惹かれてしまうというのも人の性。小町だけでなく彼女の想い人でもあったイケメン女子の来栖怜にしても、目立たないけど自分にはない勤勉さを有する小町の美徳や、人知れず苦労している目に見えない一面に目を向けていて、小町の本質的なところを見て理解しようとしてくれる姿勢を常に示していてくれる。そりゃ小町も惹かれるよねと。
リレーの選手でハキハキとした物言いに爽やかさすら感じるクラスの人気者。そんな怜と優等生だけど控え目で大人しく、あまり目立つタイプではない小町は、まさに正反対の位置づけとも言える二人だけど、真逆で自分にはないものを互いに持つ者同士だからこそ、より強く惹かれるところもあるんだなと。それこそ今までの生き方を揺さぶられるくらいの強い力が、恋心にはあってそれが初恋ともなれば尚の事。
何かを、誰かを好きになる気持ちは、時にその人の生き方すら変えてしまう程のパワーを秘めており、それは今回怜への思いを自覚した小町にしてもそうだし、アイプリに出会って大きな転機を迎えたひまりにしても言えることだろう。パトリシアさんの言を借りるなら人に成長をもたらす人生のレッスン。必ずしも良いことばかりではなく苦しいこともあるが、酸いも甘いも噛み分けることで人生はより彩り豊かなものになる。
小町の想い人がひまりの兄ひなたではなく、クラスメイトの怜の方であるというオチに関しては、視聴者目線だと最初の段階で察せられるところではあったかもしれないが、それだけに作中のひまりが勘違いしたままズレた言動をする面白さも引き立ったと思うし、自身も今まで経験のない恋愛に関して思いを馳せて試行錯誤し、アイプリとしても全力応援をすることで、ひまりにとっても新境地ではないけどいい経験になったのではないかと。
まぁ色々と勘違いしたまま恋愛応援に関して謎の自信を覗かせるひまりの頓珍漢な言動は面白かったし、恋愛経験などなさそうなのに、ひまりと同様に謎の自信を見せる生徒会の面々のレッスンも愉快なものとして映ったところはある。ともすればこれが初恋である小町の方が、両者よりもよっぽど恋愛経験があると言える気もするが。それは言わぬが華というものだろう。
アイプリは女児アニメ故に作中で声高に百合とか同性がどうこうみたいな主張をしているわけではないが、雰囲気でそれとなく察せるような作りになっているのが良いよなと。そこから妄想を発展させるのは大友のやることであってね。うむ。ともあれやっぱり女の子は女の子同士で蜜月の関係を築く。これもいいものだと改めて思わせてくれた今回の話でした。






恋はパワー。好きという気持ちは頑張る力に変えられるという金言。これを当然のように発してしまう星川みつきさんの言葉の説得力が半端ない。流石想い人であるひまりの為に、先んじてアイプリを初めたり、ひまりの為にあらゆる面で支えとなるべく日々奮闘しているだけのことはあると。この点に関して言えばみつきに一日の長があると言わざるを得ないのである。
基本は恋バナとかに興味なさそうなひまりが、いきなり恋の相談をしてきた時のみつきの「え!?」という慌てふためく反応は面白かったし、小町の抱く感情とその想い人が誰であるのかを、本人たちより先んじて察していたみつきは流石としか言いようがない。恋愛に関して長年ひまりちゃんにガチ恋してるだけのことはあるし、年季が違いすぎることを見せつけてくれた感じもする。この貫禄と強さは他の追随を許さない。
現状はひまりは親愛、みつきは恋愛のニュアンスを互いに向けている感じですが、この双方のズレもまたもどかしさと共に愛おしさを生み出していて非常に尊み溢れるものがあると思います。いつかみつきの思いがひまりに正しく伝わる日が来れば…いいのか?いいよね!