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キミとアイドルプリキュア♪ 第21話 「とびっきり!キセキのユニゾン!」 感想

キミとアイドルプリキュア♪ 第21話 「とびっきり!キセキのユニゾン!」 感想

急接近笑顔のユニゾン♪応えてほしいなっ!サンキュー!

失われたものを取り戻すために原点に回帰する。プリルンの思い出を取り戻すにあたって、うたとプリルンが出会った当初の流れを踏襲する見せ方もさることながら、うたが大好きな歌にどんな思いを込めて歌っていたのかということ。周りにいる大切な人たちの支えや励ましがあるから笑顔になれること。その気持ちに応えたいと強く願う咲良うたの在り方を、今一度見つめ直すことが出来たのが素晴らしい。

アイドルと“キミ”の双方の結びつき。その両者が織りなす相互作用の意義を折りに触れて描いてきた本作キミプリではありますが、その関係性は何もアイドルとそれを応援するファンという枠組みだけには収まらない。気落ちしたうたを気遣う友達のななやこころ。様子のおかしい娘の事を見守り、支えとなって道筋を示してくれる両親を始めとする家族。

自分のことを気にかけて支えてくれる人たちがいるから、うたは笑顔でいられるし彼女の見ている世界はキラッキランランで溢れたものになり得る。そういう気持ちを受け取って育まれ、それが如何に素敵なもので幸せなのかを身を以て知るうただからこそ、彼女はキラッキランランな気持ちを広げたいし自分以外の大切な人にもそれを伝えたいと。返したいと願えのだと。

その気持ちを持つ人の輝きを守ってあげたいと思えるのです。それは咲良うたがアイドルプリキュアとして覚醒するより前から持ち合わせていた彼女の資質。彼女の強みにして魅力的な部分であり、一個人としてしての咲良うたを形作る根源的な部分でもあると思います。大切な人のキラッキランランな気持ちを守る為に毅然と立ち向かう。

初回の初変身の前の流れを踏襲したのも、プリルンの失われた思い出を取り戻すに際し、うたとプリルンの馴れ初めに纏わる共通の思い出を再現することでキッカケを得るというのもあるでしょうが、それと同じくらいうたの強みや彼女を形作る要因。見ている人が何故こうも惹かれてしまうのかというところを再認識させるという側面もあったのではなかろうか。

キュアアイドルに変身できないうたが、一人の人間として咲良うたという存在を刻みつけるように。自分の素直な気持ちと強い感情を言の葉に乗せて、歌という形でプリルンに届けようと務め、キュアアイドルではなく咲良うたとしての「笑顔のユニゾン」によってプリルンと再び結びつく。うたの切実な思いに触発されるように彼女の気持ちに応えてくれたことは、それだけに意義深く尊いものなのだ。

アイドルと“キミ”の相互作用がもたらした奇跡。奇跡はそれが叶うと強く信じ行動し続けた者にのみ訪れる。初めて出会ったときにキュアアイドルになる前の咲良うたの歌と、キラッキランランで溢れる彼女の在り方にプリルンが惹かれたように。今再びキュアアイドルではなく咲良うたとして向き合う彼女の思いにプリルンが応え、そして惹かれてしまうのも偶然や奇跡ではなく必然だったとも言えるだろう。

プリルンにとって一番大切なうたと出会ってからの思い出を失い、キュアアイドルのことを何よりも考え守ろうとしていたプリルンがいたからこそ、咲良うたという存在を刻みつけるように向き合う今回の内容が。二人の出会いを描いた初回の流れを踏襲するような話の流れが引き立っていたと思います。

「“キミ”がいるから輝ける、強くなれる!」という本作のテーマ。プリルンが失われた思い出を取り戻し、うたと再び結びつく中で、それを改めて体現して見せてくれていたと思いますし、届けようとした気持ちに応えてくれる相手がいるからこそ世界は輝きキラッキランランな気持ちで溢れる。本作の始まりがそうであったように。うたとプリルンが相互に作用することが起点となり全ては動き出すのです。

ここ暫くは湿っぽく切ない雰囲気で満たされていたキミプリですが、何はともあれプリルンが思い出を取り戻しうたと再び結びついてくれて一安心。うたの悲痛な叫びや泣き顔の先にあった満面の笑みとキラッキランランというフレーズを聞けて感無量でありました。メロロンのことを思うと全てを手放しで喜べない状況ではありますが。

ただ、彼女が対抗意識を燃やしライバル宣言をしてくれたことで当面の湿っぽい雰囲気は吹き飛ばされた感じもある。ここからは序盤のように騒がしくも楽しい雰囲気が戻ってきそうな感じもしますが、ここからどういう展開を経てアイドルプリキュアの三人とズキューンキッスの二人。もといメロロンが真の意味で仲間入りを果たしてくれるのか。ここから始まる新展開に期待して見ていきたい。

うたとプリルンの結びつきの強さが強調されればされるほど、本人たちの気付かぬところで一人愛しのねえたまへの思いを募らせ献身的に尽くしているにも関わらず、報われないメロロンの立ち位置。その切なさも増して辛いものがある。大好きで大切な“キミ”への思いをぶつけながらも、必ずしも相応のものが返ってくるとは限らない。プリルンを介したうたとメロロンの対比。その構図もまた興味深いものがある。

プリルンの一番になりたくてねえたまの幸せを誰よりも願い自分こそがそれを叶える存在でありたいと自らの一番大切な思い出を捧げているにも関わらず、思い出を失ってなお咲良うたに惹かれるプリルンの姿を目の当たりにし、愛しのねえたまの幸せには咲良うたの存在が必要不可欠であるという現実。それを目の前で改めて突きつけられるメロロンの心中たるや察するに余りあるものがある。

無償の愛や推しへの感情に見返りを求めてはいけないのかもしれない。それでも一途にプリルンのことを思い続けるメロロンの気持ちが、どんな形であれ報われて欲しいと願ってしまうのは致し方ないというもので。ともあれメロロンが曇る方向性ではなく対抗心を燃やした末のライバル宣言!このトリオとデュオの枠組みからどのような勝負を経て一つに纏まるのか。いろんな意味で見逃せない。